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表題作エデンの虜囚

大学一年生 高杉綜真 20歳
大企業御曹司の大学三年生 小野塚悠介 21歳

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  • あとがき

あらすじ

他人に興味を持てない小野塚悠介が唯一心を開いた相手は、自分と似た雰囲気を持った大学の後輩・高杉綜真だった。しかしある夜、綜真の部屋で眠ったはずの悠介が目覚めると、見知らぬ場所で裸で寝かされており、ドアには鍵が......。突然の裏切りに動揺する悠介に「復讐のために近づいた」という綜真の言葉が追い討ちをかける。ひどい凌辱を受け、心身ともに傷つく悠介だったが、それでもなお綜真への想いが断ち切れずに苦しむ。そして綜真も復讐の道具でしかないはずの悠介へ思いを寄せるようになり......。全編書き下ろし、衝撃の結末を迎える復讐監禁作!

作品情報

作品名
エデンの虜囚
著者
しまだ真己 
イラスト
佐々木久美子 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576061641
3.2

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萌々

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中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
1
得点
12
評価数
4
平均
3.2 / 5
神率
25%

レビュー投稿数1

「神」と「しゅみじゃない」に分かれるのも納得

二人でどこまでも堕ちてゆく、ドロッドロな作品が好きな方にはお薦め。
執筆当時「ちょっと澱んだ精神状態」だったと作家さんが仰るだけあります。

でも、
・二人の愛のため周囲が不幸になる(二人も幸福とは言えないかも)
・社会倫理的に色々逸脱
・昼ドラばりの急展開
このへんが、読む人を選ぶんだろうなーと思います。

私は、ダークだったりドロドロだったりは好きなんですが
展開がちょっと急かな~と引っかかってしまったので、萌評価にしました。


◆【あらすじ】
大学生の悠介が、同じ大学の後輩・綜真を友人に紹介される。
家族にも女性にも感じたことのない安らぎを綜真に感じるが
彼の部屋で飲んで眠ってしまい目覚めると、山奥の知らない部屋に監禁されていた。
悠介の父に騙され一族が没落した復讐をするという綜真は、
悠介を犯す様子を撮影し、父に送りつけ金を要求する。


◆【※※ネタバレ※※】

監禁自体はメインテーマでなく、監禁が終わったあとが要です。
悠介が逃げ、雪のなか気を失ったのを綜真は優しく介抱する。
復讐心はあるが、悠介を大事に思ってもいると分かります。

その後、解放された悠介は、身代金を払った父から真実を聞かされる。
綜真は、離縁された母親が身ごもっていた子供で、綜真は悠介の弟だと。
悠介は、弟への遺産相続を主張するが聞き入れられない。
そして、処分されたはずの悠介が犯されるビデオを所持する叔父に脅され、
強姦されてしまいます。

悠介は綜真を頼り、叔父とビデオを取引することに。
銃を持ってきた叔父と綜真がもみ合いになり、叔父は撃たれて死亡。
叔父の死について悠介と綜真を疑う父親は、悠介との口論時に発作を起こし、悠介が意図的に医者を呼ばなかったため、そのまま病死。
邪魔者がいなくなったあと、遺産を相続した悠介は綜真と新居に引越し、大学生活を続ける…という話です。


◆【感想】
いつかバレるかもしれない不安感はついてまわると思いますが
この二人は一緒にいるためなら、また手を汚すことも堕ちることも厭わなさそう。
超背徳的なクライムサスペンスでした。

ただ、クライマックスの叔父と父の処理の仕方がややチープ。
うまくいきすぎな感じがしました。
若い二人が、権力ある大人相手にどう立ち向かうのかという
ハラハラ感がもっと欲しかったです。

そして、犯罪を犯したり隠蔽したりするほどホントに互いに好きなの?という疑問が。
愛してはいけない相手を愛することの葛藤とか
悠介の綜真への同情心や親近感が恋に結びつく決め手とか
その辺りが省かれているので、
大胆な行動の連続のクライマックスが無理やりに見えるのだと思います。


…そのへんのハラハラ感や、説得力が感じられたら神評価だったかも。
全体として期待したほどの衝撃はなかったけど
ダークな結末自体には心惹かれるものがありました。

2

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