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構内に小さな社がある大学医学部が舞台。
挿絵は小山田先生で、魅惑的。
サークルの飲み会の帰り、志磨は店を出て自宅に帰る
自宅扉に寄りかかる、泥酔した十李が居た。志磨は仕方なく自宅に引きずり入れて介抱する。
翌朝起きると、十李は先に起きて卵粥を作り、志磨に具す
・・昨夜の泥酔は何だったの?といった奇妙な冒頭。
十李は、志磨に近づくのが目的だった。
展開は、サスペンス調。
十李は強引に志磨と同居を始めて、
門宮家の跡取り問題、両親の虐待、元家庭教師の二階堂、自殺未遂、悪夢
・・・と、志磨が触れたくない過去のトラウマ解消に関わる。
十李のトラウマは、電車と志磨の悪夢に関連があった
・・長い時間をかけた初恋成就物語。
門宮志麿:医学部四年生 三浪 門宮総合病院院長の一人息子 ホクロが色っぽい
榮枝十李:医学部四年生 現役合格 校内一の美貌の秀才 中学生では引き籠り 高2で医大を志願 志磨を「運命の人」と言う
貫井大:医学部四年生 三浪 テニスサークル 志磨の友人
急にイケメンがおしかけてくるBL設定や名前などがちょっと食傷気味だったので、一旦寝かせてから読みました。徐々に浮き上がるシマの苦しみや劣等感、十李の恋の始まりの語りは苦しくもありドラマティックで、目に浮かぶようでした。
監視カメラだけ、間一髪で…等は少々調子いいのだけど、シリアス具合が丁度良い塩梅で読みやすかったです。
ノンケがズルズルと押し切られ環境に慣れ男にハマってしまうBL大好きですー。元家庭教師が攻めを挑発するの、もっとやってほしかった。笑
十李の言葉がとても優しくて響きました。どうしても自責癖が抜けないシマに伝えた「俺の大切な人を、悪者扱いしないでください」という言葉は、魔法のように彼の中に違う考え方を育ませる。
たとえこの家族のなかで無価値であっても、それがすべてではない、父親の考え方が正しいとしても自分は受け入れなくてもいい、と考え方が変わっていくところにとても感動しました。物事に対する今までの考え方と、新しく生まれようとする考え方の心理描写がとても丁寧ですごい。こういうの読みたかったんです。
でもって十李は甘ーくて優しい言葉責めもシリアスな場面も言葉が優しくて良かった。。受けの中を「戸惑ってて可愛い」という表現!
でもちょっとキャラの癖が弱いように感じてしまいました。絵も表紙もとても美しいのですが。
完全帯惹かれ購入です。
年下にグイグイ攻められるだと……好きなヤツじゃん。買うしかないじゃん、読むしかないじゃん。と期待に胸膨らませて手に取りました。
んーと…前半はめっちゃ良かったです。
ミスター準グランプリをとるほどのイケメンに、何でかストーカーばりにグイグイ迫られて困惑する様…ニヤりました。でも「ただのワンコ後輩が先輩を翻弄しているの図」じゃないな…とチラチラ見え隠れするので、どんな背景があるのやら、ドキドキしていました。
十李の不登校と志磨の悪夢。
これがストーリーの肝です。十李が志磨に執着する理由がここにありました。話の展開は凝ってるんですが、当初のワンコ攻め溺愛どころの話じゃなかったのが不完全燃焼。
ベースは十李の志磨愛なのは間違いない。間違いないけど、志磨の家の問題・教育ネグレクトの話が濃度が濃過ぎてすごくイライラしました。結局、完全に親と分かり合えた!というスッキリ感がなく、志磨の心の枷だった両親との和解には至らず、ぼんやり解決に終わってしまったのは残念。
それがリアルといえばリアルだけど、あの父親が養子の話も無しで、志磨を後継者として見限って…じゃあどうするの?どうなったの?が分からないままのエンディングは、そりゃ無いよ〜。志磨も十李も晴れ晴れとした印象ですが、私の気持ちは晴れてません。
そうした家族の問題を中和するかの如く、セックスシーンが多いのは必然だったのかな。変態チックな十李にグズグズにされる志磨…うーん、何故か萌えなかったです。ワンコ攻めに強引にセックス展開に持ち込まれて悶える様は大好物なはずなのに、何でだろー…
私の萌えポイントに刺さらなかったけど、萌えを感じる方はたくさんいると思います(*´꒳`*)十李は最初から最後まで志磨に尻尾振ってるので、そういうブレない態度はGOODでした。
電子書籍で購入。
小山田あみ先生の挿絵が素晴らしい作品。
ごめんなさい、「中立」評価です。
「しゅみじゃない」と迷い、挿絵の評価をプラスしました。
私にしては珍しく、あらすじや皆様のレビューを読んでから手に取ったからでしょうか。
思っていた方向と違いました。
あれ?あれ?と随所に違和感。
なんでしょう?
うまく攻め様の溺愛をキャッチができず。
たくらみのある、腹に一物のある攻め様だと思っていたので、最後に拍子抜け。
あとがきでの作者様の「好きで好きでたまらない初恋物語」の言葉に衝撃を受けました。
全然、読み取れてなかった。
あれ?そんな感じでしたけっ?
ものすごく得体の知れないおどろおどろしくて怖い攻め様の行動に背筋が寒くなっていたのですが。。。
最後にニヤリと暗い微笑みを浮かべるようなメンヘラ気質の執着攻め様なら納得ですが、いろいろあったにせよ、攻め様の精神状態は健やかでそこまで病んではいない様子。
というわけで、おそらく素直に読めていれば皆様のように高評価だったのかもしれませんが、相性が悪く、違和感に楽しめませんでした。残念。
前情報はよく知らず、作家買い&絵師買い。小山田先生の表紙は珍しくふんわりタッチでしたが、内容はなかなかエグい。こんな話だったとは。終始謎めいたままストーリーは進み、攻めにも受けにも心の傷があるというのはずっと匂わせていたけど受けの境遇は痛くて可哀想だった。あとがきでこれを溺愛ものと言っちゃう沙野先生、ドSですか?私は結構痛いなあと思って読んでたんですけど。
恋愛関係においては溺愛かもしれないけど、受けの親子関係が辛い。教育虐待のお話。暴力でなくてもあれは酷い。言葉の暴力。お父さんが悪役なんだけど、1ミリも自分が間違っているとは思っていないタチの悪いタイプです。政治家とか医者とかの有力者の家を代々守っていくには自分を殺さないとやっていけない部分があり、父もまた被害者だったのかなと思いました。彼のした事は許せないにしてもね。「人格に欠けがあるのと能力の高さは表裏一体」というあとがきの沙野先生の言葉が深い。
萌えというのとは少し違うけどBLらしからぬ考えさせられるお話でした。