イラスト付き
主上のお望みのままに
いつもはコミコミスタジオさんで購入するのですが、買い逃していたので電子で購入しました。そうしたらコミコミさんの特典小冊子のSSが収録されていたので嬉しい誤算でした。
全体に渡る細々とした伏線が回収されていて、見事としか言いようのない作品でした。
後に明かされる黒龍の秘密とか、神龍の血を引いた白氏の一族の特徴とか、汪国の歴代皇帝が苦しむ理由など、面白くてページをめくる手が止まりませんでした。
そして、哉嵐の寛大で優しい性質がとても魅力的で翠蓮への溺愛ぶりに萌えまくりました。彼と翠蓮の過去の接点にもキュンと来ました。
大体の黒幕はあの人だろうなと想像は付くのですが、最後まで盛り上がりに欠ける事なく見事なストーリー展開でした。
中華物の作品は名称の読み難さが苦手なのですが、私が購入した電子版はコマメにルビが振ってあって読み易かったです。
汪国後宮を舞台にした壮大なファンタジーで大満足の1冊。 翠蓮は従兄弟の身代わりに汪国皇帝で親の敵である哉嵐に嫁ぐも、嵌められて暗殺の疑いをかけられピンチに。けどこの事で翠蓮の誠実さが解り、2人の距離が縮まって良かった。けど黒龍に蝕まれる哉嵐と、そんな哉嵐を慕い気遣う翠蓮。大事にしすぎて言葉が足りない隙を、泰然に付け込まれた様に思う。 死にそうになっても守り合う2人には感動。血もあるけど、2人だから長年の憂いが解けたんじゃないかな。2人が願う未来がきて良かったです。脇のキャラも良かったしイラストも美麗で良き✧*。
電子発売日 2021/12/23~
釘宮つかさ先生は、魔道祖師原作・制作協力をされているだけあって、中華ものの描写が上手で読みやすかった。
石田惠美先生の挿絵が内容とマッチ、迫力の美だった。
後宮に入り、王家に伝わる龍神の毒を浄化する方法を探して翠蓮は頑張る。
ついにその方法を知り、翠蓮はそれを実行。
黒竜が浄化され、神龍として天に戻る。
その時、真の災難の仕掛け人の姿が現れる。
国を平定し悪を討伐する物語だけど、
ファンタジ―だから、現実世界では難しい結末で夢を持たせてほしかった。
生きたまま改心させて惨事を治める展開にして、
恨みや悲しみを遺さない・・という綺麗ごとの展開だったら、読後感良くなる。
悪は死ななきゃ進まない、とう前提がちょっと残念。
釘宮先生の新刊(『眠れる太子は焔伽皇帝に千年愛される』)が
萌えツボに刺さりまくり、先生の既刊で未読のものを一つ一つ、読んでいます。
石田先生の表紙・イラストが美麗すぎるこちら!
身代わり×中華×再会、ついでに大好きな溺愛もの…と、
自分の好き好き要素が詰まった一作でした。
終始受けである翠蓮(スイレン)視点でお話は進みますが、
のちに攻め・哉嵐(セイラン)の口からも語られるように
攻めは美しい受けに一目惚れ、なんです。
刀持参で嫁入りした翠蓮を斬り伏せることもせず、話を聞き、
体内で荒ぶる黒龍のエサとして精を与えることを約束させるー
だけど、精をもらう時の哉嵐の様子を読んでいると、
あ、もうこれ、もう愛おしくて好きでたまらないんだろうな、
恋しちゃってるよね、と読み手には丸わかりで、
読みながら怪しいニヤニヤが止まりませんでした。。//
翠蓮(受け)の両親が哉嵐(攻め)に殺されたという事件の誤解、
何者かにより命を狙われる哉嵐、
哉嵐を苦しめる黒龍から彼を救うため、自分の命を賭ける覚悟をする翠蓮…
と、シリアスでハラハラする展開の合間の、
”黒龍のエサ”として精を分ける行為の甘さといったら…!!!
やっとやっと体を重ねる描写は本当に終盤なのですが、
そこまでの過程だけでもどっきどき、かなりときめいてしまいました。
あと、忘れてはいけないのがモフモフの存在!
虎の霊獣・天紅(テンコウ)が登場した当初から可愛くて仕方なかったんですが、
なんと霊獣の性質はその宿主に似るとのこと!!
やーーーー!つまりつまり、甘えん坊でゴロゴロしながら
膝枕をおねだりしちゃう天紅は、ほぼほぼ哉嵐そのもの、ってことですよね(๑˃̵ᴗ˂̵)
かっわいいなあ。。恥ずかしそうにしてる哉嵐にも、萌えに萌えました。
自分の萌えツボの一つである、長髪×長髪、シリアスながらも
どこまでも甘い愛のファンタジー。
世界観にどっぷり浸り、酔いしれる一冊でした✨
作家買い。
釘宮さん作品は、モフモフとかファンタジーものとか多いイメージが個人的に強いのですが、今作品もそのイメージを損なうことのないファンタジーものでした。しかもバックボーンがてんこ盛り!複雑に絡むバックボーンをきちんと回収しつつ進むストーリー展開はさすが釘宮先生というべきか。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公は小さな村で暮らす翠蓮。
「白氏」と呼ばれる一族が暮らすその村は、男であっても子を孕むことができる。翠蓮を生んだ母親もまた、男だった。が、翠蓮の両親は彼が幼い時に亡くなり、それ以降村の長でもある叔父に育てられてきた。従兄弟の玉蓮と共に幸せに暮らしてきた翠蓮だったが、ある日、汪国の新皇帝となった哉嵐から、玉蓮を妃に迎えたいという通達がやってきてー。
というお話。
妃として迎え入れたい、と言われたのは玉蓮。
が、諸条件が重なり、哉嵐の元へ輿入れしたのは翠蓮。
その過程に無理がなく、しかもその理由やバックボーンがきちんと後半の伏線として生きてくるのがとにかく素晴らしかった。さらに、哉嵐という若き皇帝にもいろいろなバックボーンを絡ませてきます。一つのストーリーにこんなにいろいろ詰め込まなくても…、と思うくらいてんこ盛りな要素が詰め込まれていますが、それらがごちゃごちゃにならずきちんとストーリーに生きているので一気に話に引きずり込まれてしまう。
なぜ、哉嵐は玉蓮を妃として欲したのか。
玉蓮の身代わりに輿入れした翠蓮の行き着く先は。
そして、なぜ、玉蓮の代わりに翠蓮が輿入れしたのか。
これらが中華風って言うんですかね。世界観が非常に美しいです。美しい衣装、髪形、宮殿。そして、哉嵐が内に秘めている「もの」。
そういった壮大で美麗な世界観を、石田さんの挿絵がきちんと描き切っていて、お好きな方には堪らないんじゃないかと思われます。
序盤、翠蓮が玉蓮の代わりに哉嵐のもとに嫁いでいった(つまり哉嵐を欺いたことになる)ことでシリアス展開になるのかな、と思ったりしましたが、いやいやいや。哉嵐の翠蓮への溺愛っぷりが凄い。もう甘々です。哉嵐は翠蓮に出会ってすぐに彼が玉蓮ではないと気づきますが(その理由がまた可愛いというかナイス)、気づいて尚、咎めることもなく愛でまくる。
なのに、ですよ。
この二人は終盤になるまで身体を繋げることはありません。
ひたすら、哉嵐が翠蓮の身体を「舐めまくる」のみ。ということで、人によっては地雷要素となる攻めフェラがてんこ盛りです。個人的には攻めフェラって大好物なので非常に美味しくいただきましたが、苦手な方は注意が必要かもです。
で、なぜ哉嵐は翠蓮を抱かないのか。
そこもまた、今作品のキモに繋がっています。読んでいて二人の間に流れる確かな愛情はきちんと読み取れるのに、少しずつすれ違っていく。そこには彼らが抱える秘密があるからなんですけれども。
とある人物が裏で糸を引いていますが、誰なのか、そこがまたポイント。
誰が黒幕なのか、気になってページを捲る手が止められませんでした。
シリアス、になりそうで、でも甘々なお話なので、もしかしたら肩透かしを喰う腐姐さまもいらっしゃるかな?けれどベースは二人のお互いを想う愛情がきちんと描かれているので糖度たっぷりのお話でめちゃめちゃ萌えました。
そして釘宮さんらしい、と言って良いでしょう。モフモフ。
今回のモフモフも良い。非常に可愛らしく、そしてカッコ良い。
そしてモフモフだけではなく、さらなる「何か」も登場します。「モフモフ」と「何か」を、ぜひとも手に取って確認してみてください。
オメガバースものではないですが、出産、子育てという因子もあります。こんなにさらりと、ごく普通のことのように男が妊娠するという展開なのも珍しいですが、それ故に、スピンオフもできそうな気もします。ぜひとも彼らの子視点のスピンオフを描いてほしいな。そしてさらに、スピンオフの主人公になれるでしょ!という人物たちも数人いますし、ぜひともシリーズ化して欲しいなと思います。