愛を知らず狼に変えられた城主の魔法を解くのは、純真な恋を捧げる浪人生

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表題作フェンリル王と永遠の花嫁

フェンリル,森の古城で出会った狼の耳と尻尾をもつ呪われた男
高嶋乃依流,父に反発して祖父母宅に身を寄せる学生

その他の収録作品

  • クリスマスの約束
  • あとがき

あらすじ

8歳の乃依流はフィンランドの森で迷い、マントを被った美丈夫に助けられる。彼の綺麗な蜂蜜色の瞳と温かな手──夢のような不思議な思い出だ。10年後、乃依流は高圧的な父から逃げ出し祖父母の住むフィンランドに身を寄せる。森の奥深くへ進むうち霧に包まれた古城に迷い込み、あの美丈夫・フェンリルと再会する! だが、フェンリルは冷たく『呪われた』狼の耳と尻尾を見せ、乃依流の首筋を甘く舐め溶かす。その熱さに震えながら、乃依流はフェンリルを救いたいと思うが!?

作品情報

作品名
フェンリル王と永遠の花嫁
著者
真崎ひかる 
イラスト
こうじま奈月 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784041120439
3.5

(4)

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萌々

(2)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
14
評価数
4
平均
3.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

囚われ人を救うために

今回は狼の耳と尻尾をもつ呪われた男と
父親に進路を反対されている学生のお話です。 

受様との出会い攻様が呪いから解放されるまで
クリスマスの続編短編を収録。

受様は年に1度行けるかどうかの
フィンランドの祖父母の家が大好きです。

ある年は受様と姉だけが滞在する事となり
祖母は森の奥深くに子供だけで行かないようにと
狼の姿をした魔物の王の話をきかされます。

8才の受様には祖母の話はあまり怖くはなく
どんなお城なのか見てみたいなと思ってしまいます。

そんなことを思ったからなのか
受様は森で見たことの無い花をスケッチしたり
蝶や野兎を追いかけた結果、帰り道を見失います。

日暮れと共と気温が急激に下がった頃に
目の前に橋を恐る恐る橋を渡った受様は
白い霧の向こう側に大きな建物を見つけます。

もしかしてフェンリルのお城かと怖くなりますが
小雨が降り始めてしまい、
城に駆け寄る事になります。

そこで受様は
フェンリルと呼ばれる若い男に出会います。
しかし、受様に食べ物をくれて中に入れてくれた彼は
優しい人にしか思えません。

次の日、受様は医師の橋を渡った先で
受様を探していた祖父に会う事ができますが

大人達は受様が
猟師小屋で一晩を過ごしたのだろうと結論付け、
受様は周りから否定され続けた事で
記憶に自信がなくなってしまいます。

そうして10年、
受様は受様の進路を限定する父親から逃れて
祖父母の家に身を隠す事になります。

受様は現実から逃れるため
ひたすら深い森の中を進んでいました。

もし本当に「フェンリル王」の城があるなら
そこに囚われるのもいいかもしれない

先に進むにつれ視野が白く霞がかっていきますが
突如視界が開けたかと思ったら石の橋が現れます。

この橋を知っている気がして渡り始めた受様でしたが
霞む霧の先に見つけたのは城としか言えない
壮大な建物でした。

受様は10年前に迷い込んで一晩を過ごした城は
受様の空想の産物ではなかった?

受様はあやふやな記憶をたどりながら
真っ暗な城内に入ってみるのですが、
何かに躓いて派手に転んでしまい
右足首を痛めてしまいます。

身動きの取れない受様に
10年前のように救い手は現れるのか!?

フィンランドの古城で暮らす不老不死の攻様と
偶然から古城に辿り着いた受様の
ファンタジーになります♪

受様の辿り着いた城は10年前に迷い込んだ城で
受様は10年前と変わら無い容貌の男に出会うのです。
彼が今回の攻様で人々が「フェンリル」と呼ぶ
魔物になります。

攻様はかつてはこの地を治める王族でしたが
弟が愛した娘のために命を失った事がきっかけで
1日がループし続ける呪いを受けていたのです。

なぜ攻様がそんな呪いを受けたのか
攻様の呪いを解く術はないのか
というのが物語の鍵なのですが

攻様が呪いをかけられる展開としては
かなり王道な展開ですので
攻様の呪いがとけるまで安心して
ワクワク&ドキドキさせて頂きました。

攻様が呪いを受けたのは不運だったともいえますが
時を止めた攻様を救い出せたのは
そのままの攻様を受け入れ、
彼に寄り添おうとする受様だからこそだと思うので
それもまた1つの運命として楽しく読めました。

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