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黒狼とスイーツ子育てしませんか

kuro okami to sweets kosodate simasenka

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表題作黒狼とスイーツ子育てしませんか

ガジュ,狼族の世界で暮らす黒狼,前国王の息子
支倉志郎,うだつのあがらないパティシエ

あらすじ

うだつのあがらないパティシエの志郎は祖父の訃報で戻った実家が突然の火事。死んでしまうと思った時に黒狼に助けられ狼族が暮らす世界へ。自分を助けた黒狼=人型に耳と尻尾が生えたガジュは、志郎の祖父と親交があったという。強面だけど妙に面倒見が良いガジュは、訳ありのケモ耳ちびっ子たちを育てていて志郎もその手伝いをすることになる。お菓子が存在しないこの世界で志郎が作る平凡なシュークリームは大好評で他の狼族にも志郎のお菓子の評判は上がるばかり。この世界に馴染ませてくれたガジュの不器用な優しさ、面倒見のよさにドキドキを覚える志郎だけどーー!?

作品情報

作品名
黒狼とスイーツ子育てしませんか
著者
榛名悠 
イラスト
三廼 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784344850064
3.7

(25)

(3)

萌々

(15)

(4)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
90
評価数
25
平均
3.7 / 5
神率
12%

レビュー投稿数7

愛し子に幸いがあるように

今回は前国王の息子で画家の黒狼と
界渡りした人間のパティシエのお話です。 

祖父も仕事も自信もなくした受様が
狼族の攻様の大切な家族になるまで。

受様は幼くして両親を亡くし
町の洋菓子店を営む祖父母に育てられます。

受様は祖父のようなパティシエを目指して
都心の人気店で修業に励みますが、
現実は受様の思う通りにはなりませんでした。

4年前に祖母を亡くしながらも
パティシエとしての成果をあげられない受様は
実家から足が遠のいたのですが

その間に生家近くは再開発計画がもちあがり
数年前から心臓を悪くしていた祖父は
店を閉める事を決意をしたものの心労が重なって
倒れてそのままなくなってしまうのです。

明日には実家兼店舗は引き渡すという夜、
受様は祖父の書きかけの手紙を何度も読み
祖父が受様に残した居間の「水槽」と「首飾り」を
見つめまていました。

そのままうたた寝した受様は
焦げた匂いと熱気で目を覚ます事になります。

受様は目のまえの水槽の水を被って逃げようとしますが
急激に息苦しさが増し、亡き両親の形見のお守りを掴んで
思わず「助けて」と呟くと

大きな水槽が突然ぐらりと揺れて
漆黒の美しい毛並みの狼が飛び出してきたのです!!

受様は「喰われる」と覚悟を決めますが
狼に「俺を喚んだのはお前か」と問いかけられ!?

果たして漆黒の狼は受様の救い手なのか!?

突然異世界に連れ出された受様と黒狼の攻様との
異世界トリップファンタジーになります。

受様が目覚めたのは狼族が暮らす世界で
火事の場から受様を連れてきたのが
巨大な黒狼の攻様だったのです。

人間と狼族の世界は何らかの条件下で次元が交錯し、
住人が引きずり込まれる現象が起こるそうで
攻様の祖父も狼族の世界に界渡りした人間だったのです。

祖父は保護して久たれ攻様の従兄弟と意気投合し
やがて祖父が受様に託した水槽と首飾りを利用して
2つの世界を行き来していたのだと言うのです。

ただ今や受様の祖父も攻様の従兄弟も亡くなり
受様が人間の世界へと確実に帰る術は
失われてしまいです。

しかも攻様は人間と狼族の間に生まれ禁忌とされる
白狼の子供達を秘かに育てていて
匿う事はしかたないとしても
子供達に危険が及ぶようなことは許さないと
受様を冷たく突き放すのです。

受様に冷たい攻様ですが
実はいろいろと複雑な事情を抱えていて

人間と好んで交流した攻様の従兄弟
攻様が匿いながら育てる白い毛の仔狼達
画家の攻様の元に出入りしている若い画商
攻様や仔狼達と親しい医師
攻様が大切にしている美貌の女性狼
現王の後見役で白狼を弾圧する叔父

受様は日本に帰るの? とドキドキし
攻様の大切な人とは誰なの? とワクワクし
王家簒奪騒動まで絡んできてハラハラMAX、
2人が家族になるまでとても楽しく読ませて頂きました。

三廼先生のイラストも物語世界にぴったりで
もふもふなチビッ子達はもちろんですが
皆のために頑張ると受様もとっても可愛い ヾ(≧▽≦)ノ

素敵な恋バナをありがとうございました♪

0

タイトルとイラストから想像出来ませんでした

名前は知っていたのですが、驚いた事に榛名悠先生の作品は初読みでした。タイトルとカバー表紙のイラストの可愛いらしさから想像するのとは、かなり内容がハードでした。

何となく読んでて志郎の隠された出自とか、ガジュが会いたくてももう会えないのは誰なのかは想像がつくんです。それ故にそれらが詳らかになれば万事解決なのでは無いかと思ってしまっていました。

ところがです。ガジュがちびっ子達を引き取って育てている理由だとか、狼族のヒエラルキーが明らかになるにつれて絶望しか感じられ無くなってしまうんです。
そしてガジュの屋敷にアヤという美しい女性が来訪した事によって、志郎は嫉妬に駆られ大きな陰謀に巻き込まれて行く事になってしまいます。

この辺りの展開がとても上手いし、子ども達は可愛いし、志郎の作るお菓子は美味しそうだし、夢中になって読みました。アヤの正体が面白かったのと、志郎や子ども達を取り巻く環境が激変したのがとても読後感が良かったと思いました。

榛名悠先生の他の作品も読んでみたくなりました。

4

内容もページ数も濃厚でした。

榛名さんは、好きな作家さんのお一人です。おまけに大好きなファンタジー系ということで、ワクワクしながら読みました。

まずは口絵が素敵過ぎて、その可愛さに癒されて、ガッツリ心を掴まれました。

肝心のストーリーですが、題名がふんわりとしていて可愛らしく、途中までは想像できたので安心して読んでいました。ところが途中から、「えっ!そうなんですか!?」な展開になって、ドキドキするやら切なくなるやら…感情の起伏が激しかったです。

子供たちは可愛いし、黒狼の溺愛ぶりには萌えます。ですが、人種差別とか魔女狩りのようなものが出てきて、結構重い内容にシンドクもなりました。

とはいえ、その魔女狩りから逃れる方法や再会できた展開がとても上手で、感動しながら楽しめました。何より、生まれた時からずっと愛情を注いできた黒狼の想いが最高で、読後は幸せな気分でいっぱいでした。

3

あれ?これっておにショタ…!?(∩´///`∩)

口絵カラーがめちゃくちゃ好みでポチり。
(表紙の可愛さも良いけれど口絵は心臓ギュンッてきた)
(カッコイイ×可愛いの組み合わせに癒やされる*。゚+ )

お話はどういったらいいんだろ…。
ほのぼの・異世界・おにショタ・子育てetc.
かわいい側面を感じつつ、人種差別にも触れていて。
魔女狩りじゃないですけどそれに近い迫害要素も…。

なかなか沢山の要素が詰め込まれていたなと思います。

あ、おにショタといっても健全なやつです!
(お兄ちゃんというよりお父さんでしたが…笑)
(一時、攻めの父性が膨らみすぎて笑ってしまった)
(BLになるの!?と不安になったくらい父性強し)


さてさて。
舞台は地球とは別次元にある狼族の世界です。
狼族とって人間は害をなす存在として古より伝えられ、
次元の弾みで迷い込んだ人間は即刻処分となってます。

受け:志郎は亡くなった祖父の遺言で
不思議な水槽と首飾りを大切にするよう言われました。

それが異世界へつながる道だったんですね。
火事で死にそうになった時に黒狼が現われて、
気付いたら狼族の暮らす異世界へと連れられていました。

攻め:黒狼のガジュはどうやら祖父と知り合いらしく。
祖父からの手紙を読んで志郎を詰問するけれど、
志郎にすれば何を聞かれているかもサッパリわからず…。

以後、ガジュの家で匿われて生活を始めるけれど
ガジュは志郎を睨み付け、キツく当たり、常に監視状態。

・ガジュは志郎に対しなぜ怒っているのか
・祖父と異世界の関係は…?
・志郎に発現しはじめる不思議な力

などなど、少しずつ謎が解けていってーーー。
始まりこそギスギスしてますが溺愛の甘々優しいお話です(﹡´◡`﹡ )


偏見が蔓延る狼族の価値観が何とも言えません。
狼同士でも毛色でヒエラルキーがあり、
白狼は人間×狼族から生まれるので忌むべき存在。

表紙の子供たちはガジュが保護した白狼で、
迫害されないよう毛染めして生活してるっていう…。
割合胸くそでやるせないなぁ…って気持ちになる(;ω;)

しかし保護した白狼の赤ん坊を育ててる様子は
すっごく可愛かったーーーーヾ(*´∀`*)ノ
舌っ足らずの子供の可愛さプライスレス*。゚+

で、白に対してヒエラルキーが高い黒狼。
ガジュも黒なので実は王族の血縁なんですが、
書類上は死んだ獣人として扱われ隠れて暮らしてます。

そうなった過程・痛々しい過去が明らかになっていき、
ほんともう…、狼族の業が……嫌だ。まじ胸クソ…。
幸せを地獄へと一変させた記憶を抱えて生きててね。

しかし志郎の存在が辛く哀しい過去の救済になるのがグッときました…!!!


(以下大きめネタバレ注意)

ガジュの辛い過去の経験に実は志郎が関わってて。
志郎の赤ん坊時代にガジュが世話してたエピソードが!

これがもう萌えました/////
赤ん坊の志郎(シロ)はガジュにベッタリで、
ガジュも志郎をベッタリ可愛がっててねーーー!
(あれ…?これっておにショタじゃん…?っていう)
(ツガイの約束するシーンにはウルキュンした////)

志郎=赤ん坊のシロが同一人物と発覚した後は
ガジュは父性が爆発してシミジミと幼い頃の思い出を語るお父さん状態w
志郎としては恋愛の意味で片思いしてたのに子供扱いされてションボリで。
このすれ違いも切なキュンで良かったです。

萌え部分を中心に感想を書きましたが、他にも
・志郎の能力が発現・国家権力争い
・白狼の迫害要素 ・ガジュの想い人の存在 etc.
いろんな事柄が絡み合って展開しボリューミーなお話でした(﹡´◡`﹡ )
タイトルにもある"スイーツ"の絡ませ方も効いてて良かったです…!!

2

結構なボリューム

スイーツ&モフモフ&子育てのほんわか話かと思ったら、予想以上にボリュームがあっていろんなものが詰まってました。

パティシエを目指すもパッとしない自分に絶望してた志郎が、異世界でシュークリームを作って、ほんわか生活しつつ自分の道を見つけていく話なのかなーと思ってたら、全然違った。
かわいいケモ耳ちびっ子たちが忌み種とされていて、まるで魔女狩りのようなことが行われていて……。

志郎の夢、ガジュと祖父との過去、志郎の両親の真実。
いろんな要素が盛り込まれていて読み応えがあったな。



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