電子限定描き下ろし付
オメガバースは普段自分がよく読むジャンルにはないのですが、二人の主人公の関係性に惹かれて読み進めました。
美しくて強く、健気な受けは、好かないわけにはいきません。それに、クールで、実は面倒見のいい攻めもなかなか好きです。
ただ、途中から受けが完全に女の子のようになってしまって…。最初に登場した時の個性と少し違うように感じました。最初はもっと強気で、冷静で落ち着いていたような気がします。
とはいえ、オメガバースとしてではなく、普通の高校生BLとして見ても、悪くない物語だと思います。
重い辛い苦しい。けど良かった〜!
オメガバースものです。
雅が痛ましくて可哀想で。家族の仕打ちに怒りがこみ上げます。あの価値観に染まってしまっていた雅をすくい上げた晴斗、ありがとうね!!
結局晴斗が良い子で良かった。
あんなに雅に酷いことを言われたのにほっとけなくて。初めて好きな子ができたのかな?ってくらいべったりで。
孤独でギリギリで生きてた雅に笑顔を取り戻してくれた晴斗。本当に良かったね!!
同じ大学に進めて一緒に暮らせて晴斗の親も良くしてくれて。幸せになって!!
絵綺麗〜、受けかわい〜、グヘヘ買ってみよ〜ってノリでいったら重すぎてもはや菩薩顔してました。オメガバースは全体的に明るい話は少ないけど、なかでもこれは上位レベルで重いんじゃないかなと、オメガバースあんまり読んだことない女が言っています。(誰か警察呼んで)
血の描写だったり、髪の艶だったり細かいところがとても綺麗で、作者様の画力に感嘆しました。受けの体の貧相さもとてもリアルで「Wow…」と謎に私の中から外国人が飛び出すほどでした。全体的に、造形美って感じ。とにかく絵が美しすぎて絵画見てる気分でした。
完結したので一気再読してのレビューです。
それぞれ事情があって、固い殻をかぶってつんけんしているアルファとオメガが、問題を抱えた転入生と優等生という関係で出会い、お互いに好意を持っているわけではないのに、関係が深まっていく・・・
すごく不自然で、でも、すごく自然な関係に見えました。
この絶妙なアンバランスさ、展開が素晴らしいです。
初コミックスでこの世界観、すごい先生だと思います。
物語の登場人物が、すっごく嫌な人たちと、すっごくいい人たちがいます。
胸糞悪くなったと思ったら、感動させられて、読んでいて情緒があっちこっち揺さぶられて胸が苦しくなります。
オメガバースもので、反目しあってたアルファとオメガが一緒にしたら、即エッチという展開、よくありますが、そうではありません。
それぞれ考えて、考えて、いろんなものに抗って、挑戦していく様子が素晴らしく、胸をうたれます。
台詞が一切なく、2人のいろんな場面、抑制剤の瓶が描かれているページがあります。
2人の関係の変化を、情緒豊かに説明台詞なく、わずか1ページで描いているところもすごいです。
高校という狭い世界で、性別、成績、いろんなことで序列がついて、嫉妬したり腹を立てたりする男子生徒によって引き起こされた事件。
直接的に、心理的に、社会的に、2人とも大きな傷を負います。
自分の気持ち、相手の気持ち、相手への気持ち、自分はどうしたいか、考えて、迷って、少しづつ進んでいく関係が、とてもきれいです。
ゆっくり大切に育みあった関係が番という形でさらに強まるラストに感動しました。
