• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作永遠の昨日

山田浩一
高校2年生,17歳
青海満
高校2年生,17歳

その他の収録作品

  • 一昨年の春、みっちゃんと出会った。
  • 四月の最初の日曜日、俺は電車に乗っていた。

あらすじ

榎田尤利の名作BL、大改稿の上待望の文庫化!ピュアで切ない、白の恋物語

17歳、同級生の満と浩一。
ふたりは正反対の性格ゆえに、強く惹かれあっている。
しかしある冬の朝、浩一はトラックにはねられてしまった。
頭を強く打ったはずなのに、何喰わぬ顔で立ち上がる浩一。
脈も鼓動もないけれど、いつものように笑う浩一は確かに「生きて」いて、
その矛盾を受け入れる満。
けれどクラスメートたちは、次第に浩一の存在を忘れ始め……。
生と死、性と青春が入り混じる、泣けて仕方がない思春期BL決定版。

作品情報

作品名
永遠の昨日
著者
榎田尤利 
イラスト
丹地陽子 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川文庫【非BL】
発売日
電子発売日
ISBN
9784041119679
4.4

(83)

(57)

萌々

(13)

(7)

中立

(3)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
20
得点
361
評価数
83
平均
4.4 / 5
神率
68.7%

レビュー投稿数20

一緒にいれる未来

ドラマから入りました。クラスの人気者の浩一とクールで無愛想な満が互いに惹かれ合っているという物語。
序盤で浩一がトラックに轢かれてしまったのにはとても驚きましたが、生き返ったというのは更に驚きました。だんだんクラスメイトが浩一の存在を忘れていってしまうのがとてもつらかったです。
みっちゃんのことを1番に想っている浩一と浩一が消えてしまうまで一緒にいたいと思っているみっちゃんの関係が良かったです。あと浩一のみっちゃん呼びも良かったです。
本当はもっと一緒にいれるはずで一緒にいたいと思っていたはずなのに。ある日突然奪われて叶わない未来になってしまった。
2人のラブシーンは切なくて胸が苦しくなりました。最後に浩一が山田家の本当の子供ではなかったことにびっくりしましたが、それでも可愛がってくれる両親はとても良い人だし、その家族ともう会えない浩一の切なさが伝わりました。
みっちゃんはきっと大人になってもずっと浩一のことを想っているんだなと考えるととてもつらい気持ちになりました。浩一とみっちゃんがずっと一緒にいれる未来を願っています。

0

涙不可避

『泣ける小説』と紹介されていたので手に取りました。
ある程度のあらすじは理解して読み進めたけれども、想像以上に抉られてしまったなぁという印象です。

現実では説明し得ないことが起こっていく日々の中にある浩一とみっちゃんの気持ちが、あまりにも"純粋な愛"なんですよ…。
事故からの謎の生還?ゾンビ化?のあたりは夢オチだとしか思えないくらい唐突に物事が進んでいって、
ファンタジーとも言えないような展開にただただ驚くような感じだったのに
そのちょっと無理矢理なところをこえたら、
素晴らしい愛と悲しい別れが待っている現実を突きつけてくる感じ。
心がすっごく消耗したけれど、でもそのぶん浩一の愛もみっちゃんの想いも大切にしながら読むことができたかなと思います。

何もなければ、ずっとずっと一緒に居るはずだったふたり。
お互いに一番で、唯一無二の存在で。
何気ない日常のなかに生きる彼らの姿を思いながら、絶対にそれが叶うことのないものなのが悲しすぎて泣きました。
というか、浩一が逝った日のみっちゃん父とのやり取りから最後までずっと涙が止まらなかったです。

パピエン厨には読み返すのがちょっとツラいな…という感じなんですが、
悲しくさと苦しさ、でもそれ以上に素敵な愛を教えてくれた作品だったなと思います。

0

切ない!

切ない以外の表現をしたいのですが、単語が思い当たらない。勿論切ないだけでなくふわっと暖かいのもあってしんみりする。でも純粋すぎる愛がそこにあってやるせない。時間が切なさを遠避けてくれるけど、切なさの濃さはずっと変わらない。
なかなか感じれない感情をもらった感じです。
主人公がもしも立場が逆だったら自分も同じようにするよ、でもそれは受け入れがたい、でも受け入れていく、受け入れるしかない状況に胸が張り裂けそうですでした。ふたりの想い合う心が暖かくて優しくてしんみり心に残る作品です。

0

感情に訴えてくる部分は刺さった

トンデモ設定のお話。現象は受け入れられても、付加される説明のおかしさが気になって、前半は物語世界の空気にノリ切れない。説明が減った後半はとても良く、後日談も綺麗なお話で、読後感は良かった。

始まりから驚きの展開。浩一の状態は、ゾンビと言って良いんだろうか。まず真面目な話なのか?と戸惑い、読むテンションに困る。ゾンビ状態を日常に溶け込ませる辻褄合わせの説明がおかしすぎて、ツッコミどころが目立ってくる。

こういうトンデモ系は、有無を言わせない強引さで書いてくれると楽しく読める。が、浅い専門知識を並べてそれらしさを出されると、誤りや虚飾部分がはっきりするため、逆にあり得なさが強調されてしまうと感じる。
破綻部分のスルー力を試される描写ばかりで非常に読みづらかった。

後半は結構ファンタジーに振り切った感じで、引き込まれた。ゆっくり消えていく切なさを感じられるのがとても良い。
生命が誕生するシーンでは泣いてしまった。

浩一の最期は、あれで成仏……と一瞬冷める。ここにきてBLのお約束。満の心残りはそこじゃないと分かってはいるものの、夢オチ作品の読後と同じような虚しさ・物寂しさを感じてしまう。
その後の満の父の話が素晴らしく、下がった気分は取り戻せたが。

満の想いと浩一視点の後日談で初めて分かるお互いへの気持ちは、深く温かいものがあふれていて、泣いてしまいそうだった。
全体を見て、感情に訴えてくる部分は本当に素晴らしいと思った。

正直、初読み作家さんの作品だったら途中で脱落していたと思う。ネームバリューに釣られて読み、刺さるところはとても刺さった。
角川文庫版のこの表紙がめちゃくちゃ好き。

1

やっぱり泣いたわ

トラックドライバーは満と浩一に救われたじゃないの

浩一の家族の弟妹と名前の雰囲気が違うこと、違和感覚えたし、3度目の出産や最初に抱かせるとか、やっぱそう言うことかって思った
妹に擦り付けられた子供のために何年も実子を持つこと見送ったんだろう若い夫婦、人間が出来すぎてて凄い

それにしても泣いちゃったわ
満のお母さん、私はてっきり母がいなくなっても困らないように躾をしなくてはって焦りからなのかと思ったけれど、寂しさを薄めるためだったなんて…親もまだ若かったんだよね、強情な性格で、満の心が一番大事だったんだ

初めグロいかもって思って、あとなんか悲しく終わるに決まってるのが辛くて読む手が止まっちゃってたんだけれど、そんなにボリュームもないし読み切れてよかった

0

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP