ボタンを押すと即立ち読みできます!
先生の「甘い水」「墨と雪」などの平河寮シリーズがとても好きな作品。
こちらは以前に談話室で、クスッとする作品として紹介されていて、ずっと気になっていた作品。やっと読みました。
「上海金魚」のスピンオフですが、前作を読まなくても大丈夫でした。
自信過剰な建築士の北嶋(受)が、仕事関係で出会ったホテルマンの牧田(攻)に恋してしまうお話。
受け視点メインで、時々少し攻め視点になります。
北嶋は、才能がありルックスもよく、自信過剰で俺様な強気美人として登場。初めはその傲慢さにちょっと引くほど。言動に残念さが滲み出るw
その北嶋が、老舗ホテルのコンペで牧田と出会い恋をしてから、お話がどんどん面白くなっていきます。
北嶋は、イケメンで女性にモテてきたので経験豊富なのに、本気の恋をするのは初めて。元々自己中な言動をする人だけど、恋をしたらプチストーカーになるなど、ちょっとぶっ飛んでますw
この辺りからお話がグンと面白くなり、一気に読んでしまいました。
北嶋も牧田も、どちらもすごくギャップのある人物。
北嶋はあんなに自信過剰で、感じが悪かったのに、牧田に恋する姿はまるで初めて恋する高校生のよう。牧田の前で真っ赤になったり、仕事も手につかなくなったり…。すごく可愛くなっちゃう。
牧田は仕事中は、ものすごく大人で紳士で感じの良い男性。北嶋に絆されてからもとっても優しくて素敵なんだけど、この人のギャップは、なんと言っても濡れ場!普段とはガラリと変わり、ちょっと意地悪に言葉責めしてくるのがとってもエロい!
濡れ場は終盤と書き下ろしに2回ですが、牧田はちょっとSっぽく言葉責めして、北嶋はトロットロに可愛くなって、ちょっとゾクゾクするような濡れ場で大変良きでした♡
巻末のSS「Night & Day」はお付き合い後の二人が攻め視点で。牧田の気持ちがたっぷり楽しめます。
うっかり失言した北嶋へのお仕置きがエッロいです!牧田の溺愛と独占欲が楽しめる、最高のSSでした♡
クスッとする作品として談話室で紹介されていましたが、確かにコミカルなシーンもありますが、後半、北嶋の一途さに牧田が徐々に絆されていく様子に、すごくドキドキする作品でした。
久しぶりにこんなに没入する小説を読みました。大変面白かったです。紹介してくださった方に感謝!
紙本 挿絵付き
この漢字7文字の重めなタイトルから想像できなかった、ちょっとドタバタ感すら漂うラブコメ(と思うんですよ)で、意表をつかれました。さすがかわい先生!
受けキャラと攻めのスケベが印象的でした。
①受けのキャラ!
クセ強すぎて面白かったです。愛すべき困ったちゃん。壁として傍観する分には見飽きないタイプ。30代設定?にしては、俺様愛が強すぎて社会性なさすぎじゃないのか?と思ったのですが、一番そこを感じさせたのは、恋に落ちたあとの豹変ぶり!乙女でした。はい、バツイチのホテルマンに痛々しいくらいのぼせあがった恋する王子様、なんっちゅぅ可愛い生き物なんだろうか…w。コンペのいちゃもんを付けるはずだったのに、牧田氏の声の魔法にかかってしまった北嶋。もともと素直なひとなんだろうな~としか思えないくらい牧田の話にぽ~~っとなっちゃう北嶋の変化が可笑しいのでした。その後、なぜそうなる?な片想い大作戦な展開が続き、危なっかしすぎて(実際玉砕するし…)読んでいてハラハラしてしまいました!!
②攻めのスケベ
”まいったな…”と最終的に絆されてしまうバツイチホテルマン。あそこまで不器用にアプローチしてきて、乙女か?!っていうくらい自分の行動に赤くなって青くなってを王子様にされると、降参するしかないのか!?そんなつもりはなかったけど、結局自分から行動をおこしてしまう程度には受けに魅力を感じていたのだろうな…な成熟した大人の男感がすごくて、ちょっと30代にしては落ち着きすごすぎる、、と思ったんですけど、スケベがめちゃスケベで、処女同然の元・マグロ男な受けには受け止めきれないめくるめく時間であろう~というエロさでした。
牧田に全方位メロメロな北嶋の様子が、なんとなくまたたびに酔うネコ、みたいな印象なんですけどw、なんだか後引く不思議な読後感のラブストーリーでした。
受けが史上最強に口も性格も悪くて、これ読み続けれるんか?ってとこで、恋したら中二女子みたいなかわい子ちゃんになっちゃって私の心は鷲掴みにされました!!
計算なしでぶつかって、あたふたするの可愛すぎた…普段は狡猾なのに牧田さんに対しては不器用で必死すぎる姿が可愛くて切なくて
「まいったなぁ~」てなるの分かります…そんな気持ちになる可愛いさ。近くにいたら大変だけど、可愛い!!
牧田さんはクレーマーなみに厄介な北嶋にも丁寧に対応して、心まで持ってくとか相当なお人!!こういう紳士な人が雄みたっぷり意地悪するのね、溜まりません!!大人のできた男で助平なの素敵。
北嶋の性悪は引き続き…だけども、牧田さん大好きすぎるとこ、番外編の桜や牧田さんのおおらかさに穏やかなな気分を噛み締めてるのとか本当に可愛い!!強烈なやつだけども癖になる可愛さ!
■牧田(老舗ホテル勤務)×北嶋(建築士)
ロマンティックでドラマティックでした。牧田の声について繰り返し繰り返し強調されるため、よほどいい声なんだろうな〜と。コンパクトにまとまっていることもありCD化しやすそうだ。
北嶋は途中から別人になってしまいました。冒頭の披露宴二次会シーンと完全に別人。喋り方まで変わって、牧田の前にしろ"お料理"とか言う人だったっけ?という。こちらは牧田とうってかわって、後半のセリフが妙に舌足らずな印象になったので、声を想像しにくかった。それにしても自分のことしか考えてないな北嶋くん。牧田の前で「くっそ、あのブス」とか言ってるところは好きでした。
牧田もとんでもない男に捕まったものよ…と思っていたけど、セックスシーンを見るだに牧田も相当個性的なので、幸せならそれでいい。
たしかに「上海金魚」を先に読むと、数倍面白くなる物語でした。
「上海金魚」で水端さんに優しくアプローチした滝乃さんが、この巻では、仕事に厳しい一面を見せていました。初恋の少女に似ている水端さんには、相変わらずとても優しくて甘々。ところが、仕事で対応する我儘王子の北嶋さんには北風対応。
この対応の差が面白かった。
この巻の主人公は、世間知らずの牡の子猫のような北嶋さん。コメディアン要素が濃厚な変な人。建築士で、メディアに紹介されたことで、少し天狗になっていた。それが、介護ホームの設計の応募で、車椅子利用者のことや介護が必要な配慮を念頭に入れない、健常者向けのお洒落な設計を仕上げてしまったので、最優秀に選ばれなかった。
・・著者は、要介護の介添えについてよく調べているんですね。感心しました。
選考の出来レースを疑って、牧田さんに殴り込みのようなアポなし面会を希望して、逆に牧田さんの説明を聞いて萎れちゃう。そして牧田さんの大人な対応に惚れこんでしまった北嶋さんは、燃えあがる恋心を押さえられなくて、牧田さんにストーカーのように付きまとい、叱られて、恋は玉砕。
でも牧田さんは優しくて、北嶋さんの一途な様子を気の毒に思う様になり、ほだされてしまう。北嶋さんは、別れた元妻と似ているらしい。
世間知らずで我儘王子の北嶋さんは、本当に惚れた事がない、恋を知らない人だった。牧田さんにお願いしてキスをしてもらったら、目の前が真っ白になってヘナヘナと腰砕け。
随所で笑いどころが置かれた、お笑い満載の小説でした。
北嶋さんのような人が実際に居たら、身近だと迷惑だけど、遠くから見るなら面白そう。