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消えた恋人と異世界の黒獅子伯爵

kieta koibito to isekai no kurojishi hakushaku

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表題作消えた恋人と異世界の黒獅子伯爵

殿村楓伍/ハンス・フーゴ・フォン・ツェードリッジ,ツェードリッジ城の主
長谷部優司,身体を壊し郊外に引っ越した青年,25歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

想いが通じ、付き合い始めて一ヵ月で姿を消した恋人・楓伍を忘れられないでいる優司。 身体が丈夫ではない優司は、親戚の計らいで郊外の古い家に移り住むことになるが、なんとその家の扉は知らない場所に繋がっていた――。 扉の向こうの世界で、楓伍とそっくりな男「ハンス・フーゴ」と出会い、何度も会ううちに、楓伍と似たところ、似ていないところを探してしまう自分に気づいた優司。 フーゴの敵対する男にとらわれ、向こうの世界の争いに巻き込まれるが……!? 異世界ファンタジーラブ!

作品情報

作品名
消えた恋人と異世界の黒獅子伯爵
著者
夢乃咲実 
イラスト
花小蒔朔衣 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784344851214
3.4

(13)

(3)

萌々

(3)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
43
評価数
13
平均
3.4 / 5
神率
23.1%

レビュー投稿数2

斬新な設定で面白いが。

夢乃さんの新刊はファンタジーもの。
花小蒔さんの描かれた表紙も麗しく、発売日を楽しみに待っていました。




主人公は優司。
彼には忘れられない人がいる。高校生の頃から好きで、20歳の時に想いが通じ恋人になった楓伍だ。優しい彼と、これからずっと一緒にいられる。

そう思っていた矢先に、楓伍は研究のためにヨーロッパへと赴き、そして楓伍は行方不明となってしまった。優司は何度も現地に足を運び楓伍を探し回ったが、結局楓伍が見つからないまま時は過ぎ、5年。

そして身体を壊し就職もできなくなった優司は親戚が持つ古いアパートへと引っ越すことに。が、そのアパートで、優司は不思議な体験をする。扉を開けると見知らぬ世界へと繋がっているのだ。異世界に行ける条件を導き出すことに成功した優司だったが、そこで彼は現地の男たちに取り囲まれてしまう。言葉は通じない、どうすることもできないピンチに陥ってしまった優司だったが、そこに現れたのは愛してやまない楓伍とそっくりなビジュアルを持つハンス・フーゴと名乗る人物で―?

行方不明になった恋人を愛しているのは本当。
けれど、恋人と似た風貌と名前をもつフーゴに惹かれてしまう気持ちもとめられない。

そんな優司の感情を軸に、異世界へと行ったり来たりを繰り返すファンタジー要素も盛り込んだストーリーです。

序盤から優司はフーゴに惹かれていることが分かり、楓伍のことはどうした?と思ってしまってですね、ちょっとんん?と思わなくもなく。でも優司はフーゴを選ぶのか、それとも楓伍を思い続けるのか?という部分がBLとしてのベースになっているのと同時に、フーゴは楓伍なのか、という謎を追いかける展開でもあり、グイグイと惹きつけられるストーリー。

設定としては斬新ですし、面白くないわけではないのですが、初っ端から優司と楓伍は恋人同士ですし、楓伍がいなくなった後もフーゴとの関係は甘い空気が初めから漂っていて、紆余曲折を経て想いを通じ合わせるという部分に萌える性質の私にとってはいまひとつ盛り上がれず。特に楓伍とのやり取りがほぼ描かれていないので、彼に感情移入しづらい。

さらに言うと、優司があちらの世界で闘うシーンはカッコいいし面白いのですが(彼が使う武器にご注目)、優司の良さがあまり書かれていないので楓伍、フーゴ共に彼に惹かれる過程が今ひとつ分かりづらいのも萎えポイントでした。

ただそれ故に痛い展開はほぼないので安心して読めますし、フーゴはめっちゃカッコいい。花小蒔さんの描かれる挿絵は今回も麗しく眼福でした。

7

異世界

花小蒔先生なのでマストバイ。タイトル通り異世界トリップものでした。攻め受けのキャラというより、お話がどうなるどうなると気になるものでしたので萌にしました。本編260P弱+あとがき。花小蒔先生の挿絵はやっぱり大好き。

もともと体が弱く、就職したものの体調が原因で退職していた優司。大学時代の恩師に声をかけてもらって専門書の下訳をしつつ、親戚から老朽化して入居者がいなくなったアパートの管理を依頼されて、転居することに。ある日、2階の各部屋の清掃をしようとドアを開けたら、見たこともない景色が目の前に広がり・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
異世界での攻めの部下や、敵対勢力。受けの元の世界では住んでいた古いアパートの近隣の方々ぐらい。

++ 攻め受けについて

攻めは、記憶無くしていたにも関わらず、知識を生かせたもんだから領主に気に入られ養子となって後を継いだような方。領主として何とか盛り立てていかなければ、皆を守らねばと頑張っておられる印象。馬に乗って剣ぶん回してます。

受けはもともと呼吸器系よわよわな線細い男子。でも心を通わせてから1か月で姿を消した元恋人にそっくりなフーゴに惹かれて、でもいざという時に元の世界に戻ってしまったりするもんですがら、なんとかもう一度会いたいとむちゃくちゃ試行錯誤頑張る方。思いが強いんだわ、すごい。無事出会えていなかったらきっとそのまま儚くなってそうだったのに、異世界いったら体が元気になるってのは、良かったなあ。あのままヨワヨワさんだったら生き抜くのがまず無理。

大好きだった方にもう一度会いたいとリアルに頑張る受けさんと、そこに至る異世界トリップの方法(召喚されて とかじゃなくってドア開ける)が印象的だった一冊でした。

2

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