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健気受け視点だけじゃなく、攻めの気持ちがどう揺れ動いているのか知りたいっていう、ワガママな欲を満たしてくれる両視点!いいですねー。
覇王タールグは両親に愛された記憶がなく父親に捨てられた過去があり、自分を裏切る人間を絶対に許さない性格です。
若くして政治的かけ引きに長けた優秀で非情な戦略家な王です。
人質として隣国からやってきた王子レオナ。ぽわーっとした優しい性格で幼い頃から周りにバカにされているのが当たり前でした。
タールグがレオナをスパイと疑いますが、彼は全くそんなことが出来るタイプではありません。
自分をだましたり見下している相手を憎めないお人好しな性格で貧乏くじを引くタイプです。
レオナは争いが嫌いで静かに暮らしたいだけ。
農産物を育て収穫し、料理を作って周りの護衛達と一緒にテーブルを囲む。
穏やかなスローライフを好む清い心の持ち主です。
タールグは過去に女性としたことはありますが、あくまでも体だけ。なんでも完璧な彼が恋愛初心者すぎて、気づかないうちに思ったことが声に出てしまっていたり。
自分に惚れさせてレオナの企みを暴こうと考えながら一緒に過ごすうちに、とてもレオナを好きになっていることに気付いたり。
勝手に舞い上がったり、怒ったりしている様子はファンタジーよりコメディ感が多く楽しく読めました。
帝国の皇帝タールグと、人質として送られた王子レオナのお話。国同士のあれこれが複雑で、策略だなんだと皇帝は大変そう。両視点で、疑心暗鬼になるタールグと平和に過ごすレオナが交互に描写され、二人のすれ違いを楽しめて良かった。
レオナは文字が読めない、片付けができない、コミュニケーションに問題があるなどなど、発達障害の特徴が多数。教育を受けておらず、年齢の割に中身が幼い。良く言えばピュアなのかな。
タールグは前半は笑えるキャラになっていた。自信家に実績と権力を与えたらこうなるのか、と興味深く見てしまう。レオナの卑屈さをはっきり注意するところがとても良かった。卑下してウジウジするのは嫌いなので、すっきりした。
わりと早い段階から両片思いに見える二人。態度でバレバレなのに隠そうとするレオナと、相手が自分に落ちたと信じてレオナに惹かれる自分の気持ちに無自覚なタールグ。
恋愛に関しては、タールグの方に問題がいっぱい。レオナに理想像を押し付けたりと、恋に不慣れで不器用な感じ。ただこうしたところも、良くないと気付いてしっかり自分で考えて答えを出してるので、安心感がある。
レオナに出会って癒され変わっていく様子とか、成長したように感じるところなど、見ていて微笑ましかった。
ストーリーは展開の動きよりタールグの頭の中で進んでいた印象が強い。全体の盛り上がりはレオナが襲われたところなのかな。ここは許そうとするレオナと固まって動けないタールグにモヤモヤした。
レオナの障害に付けこみ、付き人を使って騙したり陥れたりするレオナ家族の醜悪さがあまりにも気持ち悪すぎてキツかった。
全体的には読みやすくて良かった。文章はとても好き。
面白かった〜!佐竹笙先生の作品、3作目。
どの作品も骨太で、広げた風呂敷をしっかり回収してくださる安定感があって。
もちろん萌え要素もいっぱいです(*´艸`*)
今作は、冷酷王 × 人質に送られた隣国の”愚鈍”王子のカップリング。
自分を見つめる王子の目に恋の色を確信して、「そうだ俺に惚れさせちまえばいいんだ!」とニヤリとし、ふふふん♪としてる皇帝、タールグ。
まさか自分が”落とされる”ことになるとも知らずにね…( ̄∀ ̄)
王子ですが、愚鈍なわけではなく、いわゆるディスレクシア、学習障害の一つなのでしょうね。
聞いて覚えることはできるけれど、文字や文章を正しく読むことができない。
でも特に農作物のことに詳しくて、砂糖大根の種を輿入れの贈り物として持ってきて、品種改良して皇帝の国でも育てたい、と。(皇帝の側近たちに失笑されるシーン、むかーっ!ですよ。(# ゚Д゚))
健気で勉強熱心で、素敵な心の持ち主です。
そんな王子、レオナと交流するうちに、少しずつ心を奪われていくタールグ。
恋に落ちたタールグがそれを自覚し、無意識に心の中の想いが口に出ちゃってるいくつかのシーン、笑った〜〜
自分の名前をレオナに呼ばせる発音練習シーンも、めちゃめちゃ笑ったし萌えました…❤︎
「タールグ(=”狼という意味)」って(レオナにとっては外国語だから)うまく発音できなくて、「タールク」=”餅”になっちゃうんです。
もち!って呼んでるの想像したら、なんかちょっとツボに入ってしまいぐふふふ…ってなりました笑
特にグッときたのは…
一つが、タールグが国を子どもに例え、自分の子どもを共に支えていってほしい、と乞うシーン。胸熱シーンでした✨
そして自分的にも一つ響いたのが、
「僕は役に立たない」と自分の無力さを嘆くレオナに、「人には向き不向きがある」とタールグが語りかけるシーンです。
自分も、あれがない、これがない、もしこういう才能があったなら…なんていまだに「ないものねだり」してしまうところがあるので、この台詞は刺さった。。
”ありのままの自分”を認めるって、なかなかできないけれど。
「そのままの君がいい」って言ってくれる人がいたら、心救われる✨
二人の心の距離がどうやって近づいていくのか!?というラブ面でのハラハラに、国家間の策略・陰謀が絡み、読み応えのある一冊でした・:*+.
作家様買いです。
帝国の若き皇帝と、その人質となった何も期待をされないまま育った他国の第二王子の組み合わせの今作。
ファンタジー作ですが、文章も話運びも本当にお上手なので混乱することもなく作品の世界観に入り込めるかなと思います。
人をあまり信用することが出来ず、愛を知らずに生きてきた若き皇帝・タールグ。
頭の回転が速く、冷静に物事を見聞きし判断をする…と、人々の上に立って一国を治める皇帝としてはかなり有能な人ではあるものの、心の奥底でやや孤独を抱えてもいるちょっぴり難しい人でもあります。
そんな彼が、他国から人質として帝国へとやって来た王子・レオナと出逢ってしまう。
とあることから自国内では「愚かな王子」と下に見られることに慣れてしまっていて、自然と卑屈な考えに陥りがちな自信のなさを持っているけれど、その一方で素直すぎるほど素直で嘘がつけないレオナ。
自分よりも他人のために一生懸命な人です。けれど決して鼻につくタイプではないんですよね。
なんだか2人ともが良い味付けのキャラクターでして…とっても良かった。
何がどうなってタイトルにもあるような予期せぬ溺愛になっていくのか?
それはもう、両視点で語られていく物語を追いながらぜひ!2人の関係と気持ちの変化をじっくりと楽しんでいただきたい…!焦れと萌えが交互にやって来ます。
不器用な2人と国を絡めたストーリー展開に、読みながらもだもだしたりムズムズしたり、ほのぼのとしたり、時にはハラハラしたりと、今作もとても面白い作品です。
甘すぎず辛すぎないちょうど良いバランスで読みやすいので、230Pがあっという間でした。
そして、佐竹先生ならではの独特の言葉選びと比喩表現が好きです。
読んでいて、これをそう表現するのか〜!と佐竹先生の語彙の豊富さに唸りました。素敵です。
欲を言うのなら後半部分をもう少しだけゆっくりと読みたかったなと思い、今回は神寄りのこちらの評価で。
特定書店限定の書き下ろしSSがどれも糖度が高くかわいらしいお話でしたので、もし機会があればそちらも一緒にぜひ。
誰も信じられない孤独な王と愛すべきぼんくら王子
不可侵条約を結んだため、人質交換という形で嫁いでくる妹姫の代わりに隣国に送られることになったレオナ(受け)は国教が禁じている同性愛で公開裁判になった愚かな王子だと言われています。
幼い頃より愚かだと貶められていたレオナは多くの国を併合し近親者までも暗殺処刑してきた冷酷王タールグ(攻め)を見て恐れ慄きます。
対して、タールグはレオナが本当に愚かなのかの判断がつかないため、周りに間者を多く潜ませ、同性愛ということなので従者と通じさせて支配しようと画策します。
字が読めず、空気も読めず、言葉の裏を読むことも出来ないレオナは愚かな王子と言われていますが、おそらく今で言うディスレクシアと思われ、王族で且つ第二王子という王位継承の高い地位にいたからこそ愚かだと判断されただけで、だからこそ陥れられるのですが、決して愚かなわけではなく生まれが違えば全く別の判断だったかもしれません。
タールグは幼い頃より人質として他国に送られ、父王に見捨てられた過去を持ち、裏切られることが当然と考え裏切ったら容赦せず、いかに反対勢力を作らせないかということに苦心しながら政情の安定を図っています。
レオナがどういう人物かを判断するため、こちらサイドにつかせるため色仕掛けをさせるよう指示するのです。
両視点で話が進むので、政局の行方も2人の距離の縮み具合も
その時の2人の考えも読み手によくわかるように出来ています。
タールグの警戒は全くの不要なもので、レオナは民の安寧のみが願いです。
そのため、誰も裏切らないし、戦争にも賛成しない。
為政者としては失格かもしれませんが、裏切りに疲れていたタールグにとって、彼の無垢な心はタールグを溶かします。
実際、レオナを落とすように言われていた侍従や護衛たちは早々にレオナ信者になっています。
レオナを落として自分に有利にしようと思っていたタールグがレオナが何も意図していないのに勝手に色々憶測しては右往左往しているのがおかしいやら微笑ましいやら、読んでいて楽しいです。
最終的に収まるところに収まったのですが、レオナが蚊帳の外に置かれていることもあり、レオナの父王が死んだのは本当に病死なのかとか裏切ったタールグに懸想していた国土開発大臣はどうなったのかとか、気になることは多々ありますが、ふたりが安寧の時を迎えることができてよかった