おまけ付きRenta!限定版
高校生のマコトは、猟奇趣味を持つ為に家族から疎まれていた。しかし彼は人並みの良心も持ち合わせているせいで、自分の性癖の特殊性背徳性に苦悩する。
そんな彼がある日魔法陣を書いて悪魔召喚の儀式を行うと、本当に悪魔のJが現れた。人間世界に居場所のないマコトは、Jに魔界へ連れて行ってもらうが……。
カニバリズム描写がとても多い作品ですが、最近人気の『チェン●ーマン』ほどのモツの飛び散り具合ではなく、また、グロシーンはベタ少なめで画面が白っぽいので、グロいのが苦手な人でも、目を薄〜くして見れば気持ち悪くならずに読めるかと。でもちょっとグロいことを想像しただけでゲロ吐ける人には無理な作風です。画面はねっちょりしてないけれど、精神的な湿度と粘度は高め。
ストーリー的には師弟萌えの方には美味しくいただけるのではないかと思います。心理描写に理想の師弟萌えが詰まっています、たぶん。
以下がっつりとネタバレです。
謎めいたMADKというアルファベット四文字は「モツ 悪魔 男子 高校生」の略で、いきなりタイトルからふざけていたコミカルな作品、だったのが嘘みたいにどシリアスな最終巻です。
ついにJを追い詰めたマコトでしたが、やっぱりJは易々とマコトの策略にハマってはくれないのでした。
結末はある意味予想の範囲内でしたが、腹黒さ全開のマコトが同時にJと出会った頃のピュアさも持ち合わせていたのは意外だったかも。
一途にJを追い求めながら同じくらいの強さでJの破滅を願っているとは。この「同じくらい」っていうのがミソで、愛憎渦巻く中で愛と憎がぴったり同じくらいって珍しいなと思いました。大概愛の方が僅かに勝ってるものじゃありません? そして稀に実は憎悪の方が大きくてザマァエンドみたいな。
けれどマコトの場合は愛も憎悪も爆発させる時は純度100%でJにぶつけます。しかも愛が溢れたそばにドロッドロの憎悪を剥き出しにし、かと思えば急に冷静になって権謀術策を巡らしたりと、感情の切り替えが目まぐるしいのが面白かったです。
発売当初に買ったものの積んでしまっていたのでようやく読みましたがもっと早く読めばよかった
今脳内がずっとMADKの良さに浸っているので、是非、人外・カニバリズム・嘘などのキーワードが好きな方は読んでいただきたいです
以下ネタバレを含みます⚠️
こⅤの3巻で堂々の完結となりますが、
最終的にマコトの目的は本当の意味で果たされたのか。結局はJの手のひらの上にいたのではないか、など解釈が色々分かれると思います。
私は最終的にJから逃れられず、彼への未練を残したまま生きていくことにならざるを得なかった。
それこそWとJのような、Jとマコトのような道をまた辿っていくんだと解釈しました。
今は悪魔らしい悪魔のマコトですが、Jと同じように数百年経ちフルネームを呼ばれなくなった頃には思考も終盤のJに近いものになるのではないでしょうか?
もしかするとマコトの言動や行動は全て偽りで本音が出そうだとも言ってましたがそれすらも嘘の可能性もあるので、読めない話の展開に終始ゾクゾクしながら読むことができました。
今後どうなるかは読者の想像したいですが、こういった少しモヤモヤするエンディングの商業作品は貴重なので楽しむことができました!
堕天娼ちゃんが可哀想で仕方なかったのでSと穏やかな生活を今後送ってくれたら嬉しいです
全キャラの個性が強いのに綺麗にまとまっていて表情や動きの魅せ方が非常に上手くこんな魅力的な作品は久々な気がします!
作者さんの他作品も気になるので今後チェックしてみようと思います、素晴らしい作品をありがとうございました!!
Jは自分を消滅させてくれる悪魔がほしかったんですね。それだけ強くないといけないし思いがなけれはならない。愛、憎しみ、執着…それら全部? 存在を消しても記憶は永久に消えない究極の何か。
Jは何百もの悪魔を育てようとしたけどダメだった。
Jを超えてきたのは人間だったマコト。人間の中でも悪魔のような異常性が本物の悪魔の王を食う。Jを食べることから始まり食べて終わるというそれこそ悪魔の所業。や、人間でもすることか。それが怖い。つまりは異常性のある人間が悪魔より怖いってこと?と怖くなっちゃったw
魔界でも言葉の使い方、頭の良さ、演技力、強さ、信念などある者が上にいけるという、人間界と変わらない厳しい世界なのが皮肉でおもしろい。
その世界の法則や歴史がしっかりしていて読み応えあるファンタジーでした。
完結巻です。購入時はしっかり見れてませんでしたが、表紙これ口なんですね。
キーラン生きてたー!!そっか、「体は永遠に消滅します」と言っていたから頭は残るのね。
フィヨルドに「もう君だけ」って言ったということは、DとS は破滅…
Wについてずっと破滅ではなく消滅って書いてあったから、あれ?Jに恋して破滅したんじゃないのか。ということは……と思っていたら案の定でした。終盤のMの喋り方がどんどんJみたくなっていったのがなぁ。 WとJの関係をJとMが踏襲することに意味があるお話しでしたが、Mには同じことを繰り返して欲しくないなと思う。Jにはそれが救いになっただろうが、同じことを繰り返すこと程に不毛なことはない。
独創的な悪魔たちの世界、喰っては喰われての一筋縄ではいかない関係性、最後まで見事に貫かれていました。正直、Jとマコトの関係性に萌えるかと言われると、私には少しハードルが高く。2人とも私にとっては可愛げがあって傍観したくなる存在というよりも、遥か高みで常人には理解しがたい駆け引きを繰り広げている遠い存在で、終始ただただすごいものを見せられているなぁと下界からぽかんと眺めているような気持ちでした。Jが最後にとった選択はJの勝ちにも思えるけれど、そこまでして自分を刻み付けたいと思わせたマコトの勝利とも言えるのかなと。そして、自棄にならずに第二の挑戦を始めたマコトに、やっぱり悪魔らしく強かだなぁと思いました。