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愛を知らぬ竜の天罰とは異種族がつがいであること
デリカテッセンではたらくミカ(受け)は心配性の母ソニアと過保護なオーナー兼大家のボリスに守られてます。
逆に守られすぎていて1人で何もさせてもらえません。もう20歳にもなるのに。
対して、幼い頃から一緒に育てられたボリスの養子のシュリ(攻め)は今や街唯一竜騎士として人々に尊敬されています。
劣等感に苛まれるミカは少しでも自分でできることを増やしていきたいと思うのですが、周りが許してくれません。
両視点で話が進みます。
ミカは少しでも自立できるように画策します。シュリは出会ってすぐにミカに夢中で早く両想いになりたいと画策しています。
実は第二王子であるミカ。
この街には王妃から逃げるためで、街全体で刺客から守っています。
ただ、過保護すぎてまるで幼児のような扱いです。
1人で住むなんてもっての外。仕事もデリカテッセンから出ることはない。
3年前に王妃が病死したため危険は大分減ったとはいえ、まだ王妃の父親の侯爵が健在なためまだ油断はできません。
父王と兄である王太子が侯爵の力を削ごうと奮闘しているところです。
シュリは人間の姿に変化している竜王で、ミカが魂の番です。ミカに番として受け入れてもらえるまで竜の姿に戻れません。
ミカはボリスに過剰なまでに守られている上、汚いものは何も見せない教えないという信念の元、純粋培養されてしまっていて、こちらがいくら恋情を伝えてもあまり伝わらないのです。
大人達の気持ちもわかるけど、それでもちょっと本人置いてけぼりな状態にはかわいそうに思いました。
大人たちはミカ本人に事情を話す気がない。
籠の鳥にしてダメな大人にするんじゃなくて、勉強や剣術は習わすべきだと思うのだけど。守る事に全振りしていて、ミカ本人がどう思うかを完全に無視しています。
守られる方にもそれなりの意識を持ってもらったほうが絶対守りやすいはずなのですが。
町中が知っていて守ってるといえば聞こえはいいけど、これはペットと何が違うのだろう。本人に何も教えず、清らかだ宝石だ天使だって可愛がって、一種の虐待では?
友人すらも作らせないで、1人で何もできない大人にして、自分達がずっと面倒を見るわけにもいかないのに、どこを終着点にしているのだろうかと歯痒いです。
そして、生まれて初めて会った父王の言葉が、「庶民としてのびのび暮らして欲しかった」
どこがのびのびなのか感覚の違いにびっくりです。
真実を知ったミカの「真実を受け止められないと思われていた」と思うのも仕方のないことで、さぞかしショックだっただろうと思いました。
ミカサイドは歯痒いばかりで読むのが少し苦痛でした。
ただシュリサイドは一生懸命求愛して、なかなか伝わらなくてモダモダしたり、勘違いで傷ついたりとアップダウンが激しく、早く番になれるといいなと応援したくなります。
ミカがやっと自分の気持ちに気づいた中盤以降は怒涛の展開で前半のなかなか読み進めない状況が嘘のように一気に読み進めました。
前半にはイラっとしましたが、終わりよければ全て良しとなるのでしょう。
シュリの寿命をもらったことで後500年、人の世界で暮らすにはこれからも問題はあるだろうから、それはそれでこれからも平穏な人生ではないかも知れないけど、長い2人の人生を楽しんでもらいたいものです。
文が上手くて読みやすい。構成上手で引き込まれる展開。
挿絵と内容がマッチ、美麗。
あっという間に読了してしまった。明るいラブコメ
竜も溺愛するミカ、箱入り育ちのミカは人たらし。
悪意なく周囲の人達や竜王を振り回す、愛され屋。
シュリシュマ/シュリ:銀竜 最強の龍王
飛来中に見つけた運命の番はミカ、
人化して地上に降りたその日から 恋の結果が分かるまで竜体に戻れない。
ミカ:訳あって田舎の町に母と隠遁する箱入り王子
ミカ以外は町中が出自を知って、街ぐるみでミカを守る。
ソニア:ミカの母。王妃に命を狙われる妃。
王妃一族から守る為、王はソニアを逃がす。
アダム/アダ:王妃の子 第一王子 ミカを愛する兄
王の代わりにミカに会いに来る。
ボリス:王命の護衛騎士、世を忍ぶ仮の姿はパン屋の亭主。
ミカは、ボリスを父親だと思っている。
盛りだくさんでしたね!初めましての作者さんでした。
最初からあった違和感がわかった時!
街ぐるみですごいですね。そりゃあみんながミカを知ってるはずだ。
でも何も知らないミカが可哀想でした。
制約ばかりで皆にも避けられ…。
シュリの愛の告白がミカにちゃんと伝わってなかった時の気の毒なこと。誰もミカにその手のことを教えないようにしてたしなあ。
ここからはシュリの涙ぐましい努力と少しずつ手探りで距離を縮めていくのが良かったです。どんなミカも可愛くて仕方ないシュリ。
すごいですね、同じ年に変身して一緒に育って。ボルスの采配も良かったのか悪かったのか。
そして嫉妬や誤解やすれ違いでミカがえらいことになって。ゾワっとしました。
最後はあんなに魂の番だって言い続けてきたシュリが土壇場で怖気付いて、なんか逆転したみたいになって。愛を知ったからこそ怖くなるんですね。
はぁ〜、長かった。二人の仲の進まなさにジレてたのが、とんでもない展開になって。
それにしてもBLって竜が好きですよね!
とても面白かった。
王子様だけど王宮の政治的な理由で身を守るために平民として育てられている受けと、運命の番と出会い人に姿を変えた竜王攻め。幼児の受けに合わせて子供の姿で現れてそこから兄弟のように育つ。
竜は人間より上位の存在で気まぐれに人間と契約してくれたりする世界観なのもあって攻めが常に偉そうで良い。尊大で圧の強い攻めが受けに対してだけは臆病になったり心配性になるギャップが萌える。一人称が「我」の千歳越えの竜王が号泣したりクヨクヨしたりする姿が見れるのが楽しかった。意外と繊細な攻め。
嘘をつかない竜と純粋培養で好奇心旺盛な受けの会話も面白くて好き。二人揃って肝が太いのかお互いに夢中過ぎるのか周りの人達は大騒ぎの中でぽわわんと二人でイチャイチャしてる感じも好き。お似合いカップル。受けの側で人間社会を学んできたものの、人間の機微や習慣にピンときてなかったりよく分かってない攻めも面白かった。
寿命差問題の決着も好きだった。あと王様達に割と塩対応な受け親子も好き。
実は竜王の竜騎士シュリシュマ(シュリ)と過保護に育てられた実は第二王子のミカ。共に恋愛初心者な2人が空回り、すれ違い、戸惑いながらも想いを自覚していく様子が焦れったくも微笑ましい。
必死にアプローチするシュリだけど全く伝わらず、ミカの言動に一喜一憂する姿は可愛くて。ミカは自分に自信がないから、シュリの隣に立っていいのか悩んでるのが切ない。
やっと想いを自覚してもひと波乱。この時の大切な人を失う恐怖を知ったシュリの心情にグっときた。大変な目にあったかど、これを機に想いを深くできた事は良かったな。
愛を知らなかった2人が種を超えて永遠に添う覚悟をする所は感動。ミカは強くなったし、シュリは強さに優しさが加わったと思う。
ソニアやボリス、街の人達も周り巻き込んで幸せなのが暖かくてほっこりした。
