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幼馴染の両片想いのお話でした。
子どもの頃は結婚しようと言い合っていて、のちに男同士は結婚できないと知り、2人でいること自然、仲良しのまま高校生になった2人。
ずっとずっと好きな気持ちを心の中に閉じ込めていて、恋愛感情の他に、強い友情はしっかりあって、温かさとじれったさが切ないです。
本人同士ではなく、周囲の人間関係がほぼ共通なことから、安心、気安さもありつつ、苦悩もたくさんある日々を過ごしているのを感じました。
気持ちが高まって、高まってついに告白。
ごめんね、かくしておけなくて、このまま大人になるのが嫌だった、という言葉が重たく感じました。
お互いの言葉で好きと言えてよかったけれど、幼馴染であるがゆえに、あまりにも共通する人が多すぎる周囲の人間の視線に耐えられない・・・
たくさんのことを考えて、悩み苦しみ、決断し、行動し、悩み、行動し、決断し、両想いになっていく様子が素敵でした。
三田先生の作品は僕らの食卓シリーズ、山田と少年などが好きで、登場人物が悩んだり考えたりする、心情表現が豊かな作品は好きなのですが、苦しい、悲しい思いをする展開は、読んでいてつらくなってしまうので苦手です。
なので、自分にはこの展開はきつすぎました。
最後は優しいハッピーエンドではありましたが、苦しい思いをする描写がかなり多く、加えて死期が違いあろう人物とそのパートナーとのやりとりもあり、読んでいて胸が痛く、苦しくなりました。
あまたあるBL作品中でも幼馴染は定番中の定番!
勿論大好きな題材なのでどれどれ今作品はどうかな?ぐらいの軽い気持ちで読み始めたが最後、もう涙腺緩みっぱなしで涙が流れて読み進めるのが困難なほど泣いた。
こんなに純粋な二人がどうして現実逃避をしなければいけないほど追い詰められないといけないのか?心無い女子高生達の軽口が決定打になるけど、しーちゃんのお母さんの至極まっとうな常識も本当に悪気が無く、それが為、自分たちの考えが正しいのか不安になってしまったり、若い二人にはこれ以上傷つかないでと祈りながら読んだ。
お付き合い後、獅子丸が礼央を傷つけてしまったことに対する礼央サイドの人物2人(ゆかりと先生)の言葉が正反対だったのがとにかく印象的だなと思いました。
ゆかりは傷ついた礼央を思うあまりなのか獅子丸に厳しい言葉をかけ、「被害者ぶってるけどあなたは加害者」とまで言う。
対して先生は「君が悪いとは思わない。悪いのは社会。」と言う。
同性愛に限らず趣味や病気や家族関係etc...他人から理解されない事は世の中たくさんあるし、人目が気になってしまって怖いという獅子丸の気持ちはわかる気がする。
だからといってそれが礼央を傷つけていい理由にはならないけれど、私には獅子丸を責めることはできないと思った。
なのでゆかりの「加害者」というあまりにも攻撃性の高すぎる言葉には読んでるこちらもグサリときたし、すごく苦しかった。そこまでハッキリ言い切っていいものなのかと。
そしてその後の先生の「君が悪いとは思わない」に救われた気持ちになりました。とても難しいことだけど、私も人にこんな言葉をかけられる人間でありたいと思いました。また、先生が恋人と歩んできた物語も読んでみたくなりました。
最初はかわいいふたりだなぁ、両片想いなんだなぁなんてほのぼのしながら読んでました。自分の好きと礼央の好きは一緒かなって。ふたりでデートに行って、観覧車でチューしたりして。微笑ましいふたりににこにこしてたら同じ学校の女子に目撃されて陰口をたたかれたことからしーちゃんは急に怖気づいてしまう。そして礼央は傷ついてしまう。ふたりが一緒にいるだけでなぜそんなことを言われなければならないんだろう。しーちゃんも礼央も悩んで悩んで、どうか大切な相手が傷ついてほしくない。それだけなのになー。そうして悩んでる人がまだまだこの世界にはいっぱいいるよな…。先生のあとがきもちょっと泣いてしまった。すべてのひとが宝箱を捨てなくていい世界がきてほしいな。最後のふたりにホッとしながら読み終えました。
