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黒狼王子が辺境に押し掛けてきました

kuroookamiouji ga henkyo ni oshikakete kimashita

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表題作黒狼王子が辺境に押し掛けてきました

クライス
将来を有望視される黒狼の第七王子,19歳
リュカ
カピバラ獣人の辺境伯の養子で4兄姉の末子,29歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

年上ヘタレカピバラ文官が年下自信家狼王子の恋の獲物に!?

文官として働く辺境伯の末子でカピバラ獣人のリュカは、父の勧めで黒狼王子と呼ばれるクライスと縁談をすることに。自信家ながら知的で容姿端麗なクライスに心をときめかせるが、小心者のリュカは王族と結婚する重責に耐えられずに縁談を断った。故郷で収穫祭の準備に取り掛かっていたリュカだが、突然子爵令息と身分を偽ったクライスが押し掛けてきたかと思ったら「好きになったら逃がすつもりはありません」と告白され、さらにはリュカの補佐役を務めると言い出し…!?

【電子特別版】ミヤサトイツキ先生の書き下ろしショートストーリー「黒狼王子は春に綻ぶ」を電子版だけに特別収録!

作品情報

作品名
黒狼王子が辺境に押し掛けてきました
著者
ミヤサトイツキ 
イラスト
カモバーガー 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784041137420
4.1

(44)

(19)

萌々

(16)

(7)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
11
得点
181
評価数
44
平均
4.1 / 5
神率
43.2%

レビュー投稿数11

No Title

辺境伯の息子リュカ29歳。お見合いで19歳の黒狼王子のクライスと出会います。小心者だから断っちゃうんだけど若者クライスは押し掛けてグイグイくる

面白かった〜。リュカがカピバラ獣人という設定にほっこり☺️
家族からいつもボーッとしており見た目もカピバラぽいと言われていたのでリュカにめちゃくちゃ親近感を覚えるわたくしカピバラの毛って結構硬いのよねぇ

リュカの惹かれる気持ちと、釣り合わないと揺れる気持ちと……心情描写がとても丁寧で好きなお話でした♡クライスデキる男すぎてそこも良かったわー。逃さない男

0

タイトル通りに王道で甘い

お見合いでお互い好意をもち、黒狼王子が王都を離れ小心者の辺境伯の末子にアプローチしに来るという甘くて王道なお話です。

面白かったのですがナレーション部分?受けのリュカの心情やお話の説明が頻繁にあり、ちょっとその部分を集中して読むのが大変でした。
先生の書きたい箇所とわたしが読みたいポイントが違うのが原因なのかな。
王都に二人で行った時にリュカが迷子になり、クライス王子が見つけた時には泣いていたという素晴らしいイチャが見れるのですが過去形ではなくリアルタイム描写で詳しく読みたかったです。

クライス王子は自分に惚れる以外あり得ないですよねとリュカに言っちゃう合理的な性格の19歳。
オドオド系29歳リュカはリミッターが外れると暴言出たり、意思と関係なく獣に戻ってしまうとこが可愛かったです。

0

獣同士のいちゃつきシーンが可愛い

たっくさんの種類の獣人が仲良く暮らす、不思議な世界のお話。どういう仕組みでこんなに様々な動物たちの獣人が?と疑問だが、特に説明はないので個性みたいな扱いなのかも。絵で見るとさらに楽しめそうなファンタジー。

リュカが何の獣人なのかは隠されていて、気になりながら読んでしまう。といっても結構早めにバレていた。カピバラってもう名前で勝利してる気がする、なんか可愛い。

黒狼王子のクライスは、リュカに変人と思われる変わったキャラ。いきなり追いかけて来た理由が、俺を振るなんて許せないとかなら休暇を取って補佐役なんてやらないだろうし、本当に純粋なリュカへの興味なんだろう。

リュカの最初のピンチは、片思いを拗らせたアイザックによりもたらされる。BLなので攻めが解決するが、クライスの人脈を使いつつ権力を振りかざさないやり方が良かった。

二人のもだもだからの収穫祭でのケンカは、急に意固地になったリュカにイライラ。好きだけど無理なら素直にそう言えば良いのに、好きじゃないとか年上だとか何言ってるんだろう。話を盛り上げるための無駄なすれ違い。

そして受けが攫われ、攻めが助けにくるベタ展開がさらっと過ぎ、その後の狼とカピバラ姿のキスシーンにめちゃくちゃ萌えた。獣同士のじゃれ合いのようなイチャつきシーンも好き。
そもそも最初のベッドシーンでリュカがカピバラになり、すぐに止めた意味が分からなかった。中身が本人同士なら、姿が変わってもそのまま続ければ良いのに。

ミヤサトさんは初読み、今風と意識高い系の中間のような印象。他の作品でここら辺が薄まってるならもっと読みたいけど、どっち方向にいってるのかな。

どうでもいいけど、多種類の獣人がいる場所で普通に肉を売ってて、誰かにとって共食いにならないのか気になった。獣人の肉食事情ってどうなってるんだろう?

0

荒ぶるカピバラ


超優秀な第7王子と小心者のカピバラ獣人



辺境伯の末子でカピバラ獣人のリュカ(受け)は同性と結婚する旨を発表した第7王子クライス(攻め)とのお見合いを打診されます。
立場上、王子としてしか見てもらえていないクライスを気の毒に思ったリュカはクライスの幸せを祈りますが、自身は王族の伴侶となる重荷に耐えられそうにないため、脱兎の如く逃げ帰ってきたのですが、リュカを気に入ったクライスは休暇をとって子爵令息としてリュカの補佐につくことになるのです。


リュカは猛禽類の兄姉たちと違い、小心者で戦いに向かないため、自分ができることとして文官の道に進んでいます。養子であることに加え自分だけカピバラで、家族には愛情いっぱい育ててられたけど、他の一族などに疎まれたため自己評価が低いです。それでも、時間をかけて自分のできることを見つけ、前だけを見て進んでいく強さも持ってます。
獣化のコントロールが苦手で驚いたり恐怖したり睡眠不足など油断するとカピバラになってしまうのも悩みの種です。

クライスは容姿端麗、頭脳明晰、数カ国語を操り他国の重鎮とも渡り合える大変優秀な王子です。同性を恋愛対象としており、男性と結婚することを公表しています。
今まで王子と婚姻し権力を握りたい異性愛者が同性愛者と偽るお見合いばかりしており、それも自分が王子であるからと諦観しながらも理解しています。
優秀すぎて、自身も含め人ができることを正確に把握できるためそれ以上を望まないけど、それを他者が思いつかないことはあまり理解してないので、黙って色々やってしまい、リュカとの齟齬ができることになります。
リュカ曰く、無自覚高慢自信家変人王子。


自身の理想では勇ましくだったり素早くだったりと宣言あるいは行動するリュカが、実際にはバダバタしながら頑張っているのが、クライスでなくても可愛いです。
領民にも愛されるってもんです。

10歳も年下でも優秀で歳の差を感じさせないクライスが時々年相応になるのもかわいらしく、リュカが抵抗できないのもわかるし、それを認識していて利用するクライスの強かさにも笑えます。
クライスがリュカへの恋を自覚し、「俺の初恋もらってください」という素直な言葉がまだ10代らしくてすごくいいです。


結局最初からリュカの好みど真ん中のクライスから逃げるなんてできないんですよね。
いちゃいちゃしながらも喧嘩をし、結局クライスの思う通りになってしまうという展開が何度もあって、このやりとりが楽しくてニヤニヤが止まりません。
すぐに獣化してしまうリュカの「あんまり追い詰めたらカピバラになるからな!」という開き直りの脅しがほんと可愛くて、実際いたそうとしたらカピバラになっちゃってたし、笑いがいっぱいです。
勇気を出して王に進言した時なんて、恐怖でカピバラに変化してしまいそうになりながら(実際腰の辺りは変化しかかっていた)がんばるのも微笑ましい。


今作での悪役アイザック。
事件は比較的最初の方から予想できたのですが、彼もとても気の毒な人で、父親があんなでなければきっとリュカのように進めたと思うのです。父親は没落でいいけど、アイザックはなんとかやり直しの機会を与えてあげてほしいな。

全体的にとても楽しかったです。

2

しちめんどくさい2人

初読み作家さまでしたが、あらすじに惹かれて購入してみました。どうも私は辺境伯という単語に弱いらしいです。www
辺境伯はリュカの養父になり血縁的には親族という関係になりますが、リュカを愛情深く大切に育てて来て良き理解者でもあります。

こちらのお話が面白いと思ったのはお相手の黒狼王子ことクライスが同性愛者だと公言している点でした。そして国王とリュカの父親が友人だという事から、リュカも同性愛者だと知ってる父親がクライスとの縁談を持って来るのです。

BLというと性的嗜好は曖昧なままにお話が進むことが多いですが、こちらのお話はこの辺りがとてもリアルでマイノリティーの抱える問題が現実社会と似通っていました。

ですが作品の印象はリュカとクライスの性格もあり、2人のやり取りやリュカの心の声とかはコミカル色が強いと思いました。

クライスは最初からリュカに対して好意を抱いており言葉や態度に出しているので、あとはリュカの気持ち次第なのですが、小心者で逃げ癖があるので2人が上手く行くのかとかなりイラっと来ました。

リュカはクライスの言動にコロッと絆されるくらいチョロいのに、暫くするとやっぱりと心に枷を自らハメに行くような面倒な性格なんです。
そしてクライスは実力もあるのですが若さ故の根拠の無い自信があり、言葉が足りない故にことが上手く進まないのです。
お互いに癖のある性格をしていてとてもお似合いだと思いました。

個人的にはリュカの幼馴染みであるアイザックの件が後味が悪かったですね。どうせなら同情の余地のないくらいにもっと悪役に徹して欲しかったです。

デビュー作を読んでないので前作と比べる事が出来ないのですが、エロの量はこのくらいでちょうど良いと思いました。29歳のリュカと19歳のクライスとのセックスに対する考えのギャップが面白くて、初めての結ばれるシーンなのに笑えて色気が無いのが面白くて好みでした。

ただ、リュカの同じような心情が繰り返されていたので、削ればもっとスッキリ出来たのではと思いました。

2

合理的な王子が恋に落ちたら…

盛りだくさんでとっても良いお話でした。
街の様子や自然の美しさなども良かったです。

リュカがクライスと知り合い恋に落ちて、自分の幸せや生き方などなど考え直したり。

二人がワチャワチャ言い合いするのも楽しかったです。

ままならない中でも自分の幸せと生きがいを見つけたリュカと、王子扱いしかされなかった自分を初めて一人の人間として扱ってくれたリュカに惹かれるクライス。

なんですがね…。リュカの心情描写が同じ文章が繰り返されたり、なんだろう…相性か好みの問題かな?なんとなく乗り切れず。

クライスの自信家で合理的だけど、年下としてリュカに甘えて願望を通すところも良かったのですが。なんかキャラが不安定な感じがして。リュカと出会って変わったのかと思いきや、やっぱり合理的自信家でこの俺ですよ?みたいな。

お互い可愛くて愛してる二人に幸あれ〜。

2

無自覚高慢自信家変人王子との恋

今回は黒狼獣人の第七王子と
カピバラ獣人の辺境伯末子のお話です。

辺境の地で地味に生きる受様が攻様の伴侶となるまで。

カピバラ獣人の受様は両親を亡くすと
父の友人の辺境伯に養子として引き取られます。

代々隣国と接する地を守ってきた辺境伯家は
由緒ある猛禽類家系で全員が猛禽類獣人ですが

養父母は草食獣人の受様と実子同様の愛を注ぎ
受様は文官として故郷のために尽くしています。

軍人となった兄姉への胸を焦がすほどの憧れは
時に受様の迷いや不安となりますが
幅広く人々の暮らしを支える仕事を誇りに思っています。

そんなある日、受様は父から
第7王子との見合いを勧められ戦慄します。
子の王子が今回の攻様です♪

若干19の攻様は容姿端麗、頭脳明晰な狼獣人で
既に将来を有望視される人物で
19才になった時に男性との婚姻を望む事を公言し
国中に大きな衝撃を与えていたのです。

現在は同性愛者の迫害は不当なものという認識ですが
王族で同性婚は前例がありません。

父は同じ性嗜好をもつ受様を紹介したいと思い
まずは受様の意向を問うために帰ってきたようですが
小心者な受様には寿命を縮める話でしかありません。

受様は王都で攻様と見合いに臨みますが
やはり何もかも違う攻様の隣に立つ気概はなく
早々にお断りして帰路につくのです。

ところが攻様は受様を気に入り
断った受様の選択に納得がいかないと
子爵令息としてヘイリアにやってくるのです!!

受様は攻様との婚姻から逃れることができるのか!?

容姿も才能も優れた黒狼の攻様と
一回り年上でカピバラの受様のもふもふファタジ―です♪

優秀過ぎるが故に事故肯定力の高い攻様に
なぜかロックオンされる凡庸な草食獣人という組合せは
波乱は必須というかすんなりまとまるはずがないと
ワクワクで読み始めました。

同性を好きになる人は少数派で
受様は失恋確定の恋をしては気持ちを伝えられないまま
恋を失ってきました。

自分なりの世界を大切にしたい受様にとって攻様は
煌びやかな容姿と王族という血ゆえか無自覚に
傲慢な自信家にしか思えません。

受様を得るためにヘイリア入りする攻様の思惑
辺境伯と敵対する伯爵家の親子の憎悪と執着
孤児院の子供達を標的とし人身売買組織の暗躍

攻様と受様の攻防戦に
ヘイリアの収穫祭への横やりや
子供達を狙う人身売買組織の影が絡まって進み

受様が攻様の想いを受け入れるまでハラハラ&ドキドキ
とても楽しく読ませて頂きました (^-^)/

獣人モノって攻様が受様にもふられるのが定番ですが
本作は受様の方がもふられていて
ニマッとしてしまいました。

6

小心者のやけくそ婚

初めましての先生でしたがなんとなく買い。キャラが好みのタイプで面白かった!!お話は王道かなと思ったので萌2にしました。いやー面白かったんですよ、キャラがイキイキしている気がします。罵倒系受けや、年下でしれっとあれこれ手回しする攻めが気になる方でしたらぜひぜひ。楽しいです!先生の初回作も読んでみよう♡

猛禽類家系のヘイリア辺境伯末っ子で、いたって平凡、親しみやすい様子のリュカ(29才)。養子で猛禽類じゃないからしょうがないのですが、剣術などは苦手、そのため文官としてしっかりヘイリア領のために働いています。ある日何を思ったのか父であるヘイリア辺境伯から「第七王子のクラウスと見合いを」と言われ…と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
セレン(受け姉、凛々しい鷹の獣人)、アイザック(リュカの幼い頃の友人)、フラン伯爵(ヘイリアの隣を治めるアイザックの父)、アイナ(リュカに懐く孤児)、国王陛下、ぐらいかな?

++攻め受けについて

攻めは受け曰く「無自覚高慢自信家変人王子」。変人は?ですが、他は当たってるーと思います。付け加えるなら心の奥底に甘えたワンコ要素がある気がする。受け限定でのみ発動する甘えたワンコ♡カワイイ♡
何でも合理的に判断、合ってるっちゃあってるんだけど、他の人の理解や感情が追いつかないってやつです(笑)年下のくせに余裕ぶりやがってって怒りたくなりますね。

受けはthe小心者臆病者草食動物!安定安心が一番、大好きなのは日向ぼっこ。ちゃんときりきり働いてますよ、可愛いだけじゃないです。猛禽類の家で一人凛々しくないタイプの獣人なので、お仕事頑張ることでようやく自己肯定できるようになっている方です。可愛いですよ、耳をぷるぷるさせながら踏みとどまろうと頑張るの(笑)きゃんきゃんやかましいところもあります。かわいいしかないです、獣態になったところの姿を想像すると。

そんな二人があーだこーだきゃんきゃんしながら、恋を実らせていくお話です。初夜ですらベットできゃんきゃんやってます。爆笑。すごく楽しく、ほろっとするところもある素敵なお話でした。読んでよかったわー!みなさま是非!

6

なんなんだ、この可愛いBLはーーーー!!!!

と、思わず叫びたくなる作品でした。
めちゃくちゃ可愛かった……カピバラさん尊い

カモバーガー先生のイラスト目当てで購入。
初めての作家さんでしたが、文のリズムや言葉選びが面白くてクスクス楽しめました。
特に「荒ぶるカピバラ」の語感が好き。度々、荒ぶるカピバラと化す受け様は少し間抜けだけど、一生懸命でめちゃくちゃ愛おしい……!

19歳の攻め様は一国の王子で、頭脳明晰・眉目秀麗な隙のないイケメン様。
しかし、完全合理主義で自信家で高慢な変人。隙が無さすぎて、まるで話す度に論破してくる理系男子のよう…笑
合理主義故に裏が無く、尻尾で感情を表したり、「可愛い」「好き」等の甘い言葉を連発する姿にキュンとします!
その反面、受け様への「好き」の気持ちを臆する事なく、真っ直ぐ向ける様子は若くて眩しい……

一方、アラサーの受け様は「好き」だったとしても、簡単に今の生活を捨てられない葛藤など…
「好き」の気持ちだけでは突っ走れないお年頃。
可愛い獣人世界なのに、【19歳×29歳】の歳の差を実感するエピソードが妙にリアルで胸にキます。

そして、愛憎孕んだクソデカ感情好きとしては、当て馬のアイザックも印象的。
正直、〝アイザックに飼い殺されるリュカ〟のIFルートも読んでみたい…と思ってしまった。
それだけ、アイザックのリュカに対する感情が激重で、めちゃくちゃ好みでしたね……!
アイザックルート、是非とも読みたいぞ……

趣味は二度寝と日向ぼっこ。ささやかな幸せを大切にする、平凡で小心者なカピバラのリュカ。
そんな彼が王子様と共に生きる為、一歩踏み出す事が出来て本当に良かったなぁ…と温かい気持ちで一杯になりました。
終盤の甘々な2人のやり取りに、思わずにっこり◎

「荒ぶるカピバラ」「癒しのカピバラ触れ合い時間」等、キャッチーな文章にクスッと笑えて、主人公達の可愛さに癒される素敵な作品でした。

9

もっと色んな獣人タイプの作品を読んでみたい

最近メジャーになりつつある獣人・ケモミミのお話です。
実はこの作品で初めてお目にかかったのが、主人公・リュカの獣タイプなんですがね…

なんと、カ ピ バ ラ!!!
そうあの温泉大好きなカピバラです。

私は今までBL界隈でカピバラ獣人を見たことないんですけど、みなさんどうですか?
可愛い系獣人の代表格はウサギやネコが挙げられると思いますが、カピバラもなかなか良いですね!面白かったです。
愛らしい癒し系としてナイスチョイス。作者さんのセンスと目の付け所に賛辞を送りたいです♪( ´▽`)


カピバラは可愛いのに、残念ながらリュカにとってはコンプレックスで、親しい人以外には知られたくない最重要秘匿案件です。

さて…
そんなリュカに困ったことが身に降りかかります。それは国王の息子・クライス王子とのお見合いです。クライスは同性との婚姻を希望しており、リュカも同性が恋愛対象だったため2人は引き合わされたというワケなんですが、臆病なリュカは畏れ多いとクライスとの交際を断ります。
リュカは実家に逃げ帰ると、なんとなんと更に困った事態が起こります。クライス王子がリュカが住むヘイリア辺境伯領まで追いかけてきたではありませんか。(さすが狼、狙った獲物は離さない)

自信家俺様スパダリ黒狼王子のクライスからの口説き文句を投げかけられて、リュカは困り果てます。クライスに惹かれていくのを避けたい上に、何よりこれ以上一緒にいて自分のカピバラ獣型を知られたくないからです。
リュカがここまでカピバラにコンプレックスを抱くのは、過去に心無い言葉を浴びせられたからなんですが、リュカが思うより周りは結構好意的な反応(特にクライス)なんですけどね。
カピバラの可愛さを知らぬは本人だけ。
そういう、臆病でポジティブになれないところがリュカの自信のなさに繋がっています。

クライスは非の打ち所がないパーフェクトな王子だけど、アクの強さがいい味を出しています。
前向きで自信家なクライスとは対極にあるリュカですが、クライスのような性格じゃなければリュカは誰とも結ばれることはなかっただろうし、言い換えればお互いの無いところを補えるお似合いの2人です。リュカは思慮深くて優しいけど、後ろ向きなところが玉にキズかな。
クライスと足して割って丁度いいカップルって感じです。


ストーリーは、ラブと事件とで半々くらい。
ラブは言わずもがな…クライスの追っかけラブがニヤニヤ楽しいです。
リュカが心配していたカピバラ化も、クライスにとっては更にリュカを愛でる材料と理由にしかならなくて、これはまた別の意味でカピバラだとバレ無い方が良かったのかも…?と思ってしまうほどでした(笑)

事件パートは、リュカへの愛憎が絡む人身売買の問題が起こります。悪事はバレて解決に至りますが、犯人の1人に対しては同情してしまう複雑な心境です。やったことは悪いけど、彼の救済をいつか見ることが出来たら嬉しいなと思っています。


俺様狼と臆病カピバラの物語は波乱続きでしたが、まるっとハッピーエンドで楽しかったです。
リュカはすぐに諦める癖が少し治ってきたかな。現在進行形にしても未来にしても2人の明るい展望が期待できて読後感はグッドです。


作者さんの前作も良かったですが、今作もとても良かったです(*´︶`*)

7

獣人世界が最高!イラストも絶品!

クライス×リュカ


獣人世界が最高!
獣人たちの種族ごとの特徴や能力もすごく魅力的で、
人間の姿と動物の特徴がミックスされた姿が
たまらなくイケメンで可愛い!

絵も絶品!
カモバーガー先生のイラストがキュートで、
リュカの可愛らしさやクライスのカッコ良さがより際立っている。

舞台となる辺境の地やヘイリア辺境伯の居城、王都は、
それぞれが個性的で美しい場所。
風景や建物が鮮やかで、読んでいるだけで
想像力が膨らんで幸せな気分になってしまう。

リュカは、
29歳の恋愛に臆病な文官。
優しい性格で草食系の可愛らしい獣人。
幼い頃に両親を亡くして、
ヘイリア辺境伯の元で育てられた。
そんな彼が、同じく同性が恋愛対象であるという関係で、
お見合いで出会ったのは
なんと10歳も年下の自信家な狼王子、クライス。

クライスは頭脳明晰で美しい容姿の持ち主。

リュカが、自分が凡人であることと自覚していて、
王族との結婚に耐えられないと思って縁談を断ってから、
故郷で収穫祭の準備してたある日、
なんとクライス王子がリュカの補佐役に押しかけてくるドキドキ展開に。

クライスの告白ーー
あの甘~い言葉に鼓膜が刺さる感じ、たまらなく萌える!

リュカが戸惑いながら、
クライスから注がれるガンガン献身的な愛に少しずつ惹かれていく。
リュカがどんな決断を下すのか、
そして2人の関係がどのように進展していくのかーー?
恋愛のじんわり感が広がってますます目が離せなくなるのだ。

甘~いシーン、エッチもキュンキュンしっぱなしで、
2人の恋模様は超胸キュン度MAX!

リュカのカピバラ動物型ーー超可愛い〜〜!
クライスがどんな姿のリュカを大事にしようとする姿勢と、
クライスの優しさに触れて、リュカの心が少しずつ開いていく様子が
胸キュン必至!

リュカの家族や周りの人たちとの関係性も温かくてほっこりする。
兄姉たちとの絆や家族愛が感じられて、心が温まるのよ。

リュカが王族としての重い責任を背負い、
リュカが自分の幸せのために、
そしてクライスに応えるために勇気を振り絞って、
王都での新しい生活を受け入れる決意と覚悟が本当に感動する。

それにアイザックとの関係も醍醐味だ。

リュカの可憐さや内面の豊かさと、
年下のクライスの男らしさと凛々しさが交錯して、
2人の対照的な性格が絡み合って、
一緒に喜んだり泣いたりできる。
物語の世界に浸りながら、
至福の時間を過ごせました。

5

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