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表題作愛を食べて生きている 下

イオリ,プロジェクト用受精卵クローン
スズキ カナメ,遺伝子工学研究員

同時収録作品斯くして、心音鳴り止まず。

マナ(150歳),不老不死の元研究員
リセ,体細胞クローン

その他の収録作品

  • 描き下ろし:extra
  • あとがきまんが㊦

あらすじ

慣れない快感と羞恥、上司からの期待と圧力、
追いつかない気持ちにすれ違いながらもお互いへの理解を深め
プロジェクトを再開したイオリとカナメ。

改めてイオリのことが好きだと自覚し、
疑似ではなく正式なパートナーになりたいと
告白するカナメだが、イオリからは否定も肯定の返事もないまま
なぜかその後連絡が途絶えてしまう。

そんな状況のなか、研究所の所長から呼び出された
カナメはプロジェクトの全貌と所長の真意を聞かされ、
イオリの言葉の端々に感じていた違和感の原因を知ることに。
そして、イオリと連絡が取れなくなってしまったのは
"拒絶"されているからだと気付き――?


"性的な交渉"が根絶した世界で繰り広げられる、
セックスワーカー×遺伝子工学研究員の
"愛"を知ってゆく物語、上下巻同時発売。


リセが主役のアフターストーリー、
『斯くして、心音鳴り止まず。』も収録。

作品情報

作品名
愛を食べて生きている 下
著者
芽玖いろは 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス Qpaコレクション
発売日
電子発売日
ISBN
9784801980839
4.3

(71)

(41)

萌々

(19)

(8)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
13
得点
307
評価数
71
平均
4.3 / 5
神率
57.7%

レビュー投稿数13

見事な結末、スピンオフも尊すぎる

イオリの過去が明かされる下巻。衝撃的でした。
DNAというかオリジン?がどうであろうと人間だよ、こんな人間らしいのに、って悲しくなりましたが、ちゃんと救済があって、本当にお互い愛を食べて人間になったなあ、と温かい気持ちになれました。
愛されることよりも愛することが大事なんだなって素直に思えるような作品でした。暖かい。
そしてイオリの旧友のリセのスピンオフが短編なのに見事!この二人くっつくにはすごい壁がありすぎじゃない?って思うのに、見事な展開に唸りました。連載時には描かれなかったセックスがガッツリ加筆されていて嬉しかった。描かなくてもいいなって思えたけど、この二人のセックスが劇的にエモかった。
芽玖いろは先生の表現の幅に脱帽です。素晴らしかった。上下巻で読めて本当に嬉しかったです。

5

伏線の回収がやや甘いが。

「愛を食べて生きている」の下巻。

上巻はカナメに焦点が当たった感がありましたが、下巻では「イオリ」という人物に焦点を当てて描いています。

イオリの過去が胸糞です。
大人の、イオリが住まう施設の大人たちの価値観がすべての世界。
そこでイオリたち子どもは、まさに管理されている。
都合のいいように。まるでそれは、さながら動くおもちゃのように。本誌中では「家畜」という表現を使っていますが、言い得て妙。

上巻でも登場していたリセも描かれています。
子どものころから共に過ごしてきた彼ら。上巻でリセがカナメに怒るシーンがありますが、その理由が見えてくる。彼らは、お互いに助け合いながら親友として過ごしてきた過去が。

イオリやリセたちが、人間を信じない、信じられない理由も見えてきてめっちゃ切なくなりました。自分の都合で「人間」を生み出す人たちの、何と醜いことか。クソ神父にはガッツリ天罰が下ってほしかったですが、まあどこかでひどい目にあってると願いたい。

上巻で、イオリからたくさんの愛情をもらったカナメ。
今度は、カナメがイオリに。見返りを求めない、ただただ相手を求めるカナメの行動と愛情に胸が打たれました。

人にとって、一番大切なのは愛情なのだと。
どんな形であっても、誰が誰に向けるものであったとしても。

セックスを学ぼうとするセックスワーカー×研究者、というCPから始まった二人の物語は、最後の最後まで深い愛情で満ちていました。しいて言うならば、伏線の回収が若干甘かったかなあ、と。もう少し巻数を増やしてじっくり描いてくれたなら、あるいはもっと萌える作品になったのではと思いました。

カナメが育てている「木」が作中登場しますが、このエピソードも今作品のメッセージにはまっていて素敵だなと思いました。

後半はイオリの友人・リセのお話。
セックスワーカーとしての職を解かれたイオリたち。
が、彼らの今までの世界はあまりに狭かった。リセは、目的もないまま放浪することにするが、そこで一人の男と出会いー。

マナ、と名乗るその男とイオリには、とある因縁があって。

この二人のお話も切なかった…。
この二人のエピソードであともう1冊増やせるんじゃない?という、そんな思いに駆られました。すごく短いお話なのに、いや、だからか?
2人の間にとある人物の存在を介していろいろな感情が流れるさまがきちんと読み取れる。足りなかったものを埋めるかのように、相手を求める二人の姿に萌えしかない。

芽玖さんの絵柄って骨っぽいっていうのかな。
男の色香が満載で、しかもイケメンさんばかり。イオリの褐色の肌とか、めっちゃかっこよくて悶絶しました。

さらりと終わってしまった感があって評価でちょっぴり悩みましたが、やっぱり神評価しか付けられない。

人が生きていくうえで大切なもの。
それは「愛」。
様々な形の愛を、人は摂取しながら生きていくんだなあ、愛がなければ生きていくことができないんだなとしみじみ感じ入った良作でした。

3

やっぱり愛って尊いものだ

カナメの気持ちを受け取りながらも、なかなか前に進むことができずにいるイオリ。
どう見ても両想いなのになぜ?という思いが拭えなかったのですが、育ってきた環境と受けてきた教育が大きく関係していたのを知ってとても切なくなりました。

クローンと人間の恋愛という問題以外に、心の在り方も変える必要のあるふたりがパートナーになることは簡単なことではなかったけれど。
それでもカナメの温かな言葉たちがイオリを救って、ふたりが愛しあうところに辿り着いたのがすごく嬉しかったです。

生まれた理由はどうであれ、クローンだって感情を持っている以上人間と変わりはないのだから、イオリと一緒にいることで感じる「愛」を制限されることなく素直に表に出せる結末になってくれて本当に良かったなと思いました。
クローン仲間のリセのお話もとても感動的で、短編で終わらせるにはもったいないくらいでした。

イオリとカナメ、そしてリセも。
これまでは自由な暮らしの中で"縛られて"生きてきたようなところがありましたが、最後にはみんなそれぞれに生きる道を選択できるラストになっていたのが素敵でした。

3

愛とセックスの融合

イオリ×カナメ


下巻では、
重いシリアスな展開で
2人が大きな試練に直面したり、
心の葛藤に揺れ動いたりする。
感情的な緊張感が高まって、
胸が熱くなります。


イオリの出生と過去が解けてくると、
彼が愛情を抱えることができない
心には闇や苦しみが見えてくる。

愛を求め続けるカナメ。
他人の愛を受け入れられないイオリ。

2人のすれ違いや苦悩、
愛は本当に複雑でハラハラさせる。

愛する権利や感情の大切さ、
人間の本能の欲望が絡み合って、
2人がどんな困難を乗り越えてきたのか?

胸に迫る真実と結末は、
「愛」とは何かを考えさせられるし、
愛を求め続ける情熱がストレートにグッとくる!
その愛しさで最大の幸せを願わずにはいられないのだ。

上下巻を通じて、
遺伝子工学研究員とセックスワーカー、
全然ちがう役割を持つ2人。

愛に経験のないカナメの純粋さと、
愛に心を閉ざすイオリの孤独が交差して、
濃厚のセックスを交わし合い、
愛を知っていく過程が鮮烈で、
2人の感情の成長が心にグッときて、
エロさも絶妙に盛り込まれていて、
萌えポイントもたっぷりある!
愛と性の視点がガラッと変わって、
新たな感動が広がってくる!


同時収録『斯くして、心音鳴り止まず。』2話

マナ×リセ

イオリの幼馴染リセの切ないラブアフターストーリー。

リセの幸せを願いながら読むと、胸がキュンとなる。
彼が抱える運命や心の痛みに
つい泣いてしまいそうになって、
またもう一つの幸せで心が揺さぶられた。


やっぱり脳みそに刺激を与えるのは、
愛はただの感情だけではなくて、
心の必要な栄養素であって、
愛を知って、
『愛を食べて生きている』ことで、
心のエネルギーの充足感や、
幸福感を得ることができることです。


気になる点:

伝統的なセックスによる繁殖という目的だけど、
男同士で伝統的な繁殖が生物学的には不可能なので、
結局新しい技術で繁殖することになるではないか?
そこが疑問だよね・・・。
男同士のセックスと物語の目的が矛盾しているかもしれないです。

2

下巻のイオリは好きでした

上巻のレビューでは終盤までカナメを好きになれなかったと書いたのですが、下巻ではイオリの愛を食べて別人のように変わっていました。

下巻ではイオリやリセの辿った道が詳しく書いていて、とてもやるせ無く感じました。
神父のように彼等を搾取する者もいれば、創り出した自分たち人間を苦々しく思いカナメのような人物が現れるタイミングを待っていた所長のような存在が居たことに救いがあったと思いました。

だからこそイオリとカナメのその後をもっとじっくりと描いて欲しかったです。ちょっと駆け足に感じてしまいました。

それから施設から解放されたリセとリセのルーツ(本体)と恋人同士だった元研究員のマナとの『斯くして、心音鳴り止まず。』も凄く良かったです。
マナがリセをちゃんとルーツと別人として認識してたのと、リセがマナの行く末をルーツとは別の選択をする事を名言したことが嬉しかったです。

個人的にイオリとカナメのメッセのやり取りでカナメのメガネのスペア画像に吹いてしまいました。あのデザイン好きなのかなぁ。www

2

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