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お昼寝をこよなく愛する末っ子王子フランと魔法で仔狼に変えられた謎の男ウルヴァー(仮)、旅の護衛の騎士妖精デュー。
フランの花嫁候補を探す舞踏会で、顔を隠した謎の男が聞くに耐えない罵詈雑言を浴びせかけるという最悪の出会い。
なんやかんやで乳母のラフェルテ(700歳の魔女)が昏倒して死にそうに…
彼女を助けるために3人で旅に出ることになる。(デューは道案内兼護衛、ウルヴァーは「フランから離れると死にそうな頭痛に襲われる魔法」がかかっているので仕方なく)
結構な序盤で読者は仔狼(罵詈雑言男)の正体を察する(ていうか本のタイトルでわかる)けども、当のフランはその正体を夢にもおもわず、でっこぼこトリオの珍道中が楽しい。
健脚な者でも3日かかる道のり、すきあらば楽をしたいフランだけど、それなりに人のあたたかさも悪いヤツが居ることも学んでいく。
騙されて嫌な思いをしても、優しさを出してしまうのがフラン「らしさ」なんだなぁと思った。
思えば、酷い暴言を吐いて態度も悪かったウルヴァーにもそれなりに優しいもんな。わざと離れて頭痛をくらわしたりもするけど。
(ウルヴァー、中身は暴言男だけど外見は小さな狼なので「ギャイン」てなってるのかわいそうだからやめたげてって思う)
サキュバス登場からの展開は怒涛。
目的地の「魔女の里」に入るためには清らかな心と身体でないといけない。でもやむにやまれぬ状況…でウルヴァーの出した策が面白すぎた。
まさかのマニアックプレイ…!本人らは真剣なので茶化すのもわるいなとは思いつつも笑ってしまった。いい塩梅に変態…さすが小林典雅先生が描く攻め!
ウルヴァーの正体、自国での扱いはだいぶ不憫。こりゃ罵詈雑言をわめきたくもなるわ。
でも、「心にもないことを言ってしまった」みたいなことを繰り返し主張してたのは往生際わるいなと思った。
本当にに露ほども思ってないことは口から出てこないと思うの。
ふたりの初めての夜は、初々しくてかわいくてよかった。
婚姻と、ふたりで国を治めようということに関しては、そんなにうまくいくものかねと思わないではないけど、大団円でよかった。
改めて、小林典雅先生の作品は肩の力を抜いて読めるので素敵だなと思った。
重い辛い話を読んだ後に気持ちを切り替えるのに最適。
関連作品も近々読もうと思う。
「王子ですが、お嫁に来ました」のアシェルのもといた世界が舞台です。
未読でも問題ないですが、やっぱり小ネタで笑うためには読んでいると面白いかなと思います。
アシェル周辺の余波で、はからずも王位継承のお鉢がまわってきてしまったフランが主人公です。
フランはとにかく王位継承なんて期待されずに育った、昼寝が仕事ののんびり王子。
彼のめんどくさくて疲れることは全力回避☆という姿勢には現代みを感じてめちゃくちゃ共感してしまいます。
ラファルテ(魔法使いのばあや)を助けるために秘薬を求めて旅をすることになるのですが、フランがその過程でめちゃくちゃ強くなるわけでも、怠惰な性格を入れ替えて勤勉になるわけでもない、ってところも好き。楽をするためには本当に知恵が働いて、立ち回りがうまいところもなんだか弟気質すぎて笑えます。
旅のおともをすることになるのが、仔狼と妖精なんですが、もともと仔狼は、フランの次姉の元婚約者フェリウスで、たまたまフランとラファルテの会話を聞いて自分の悪口を言われたと誤解したために罵詈雑言を吐いてしまい、激昂したラファルテに魔法で変身させられてしまっているわけです。
フランから離れると頭痛が起きるようにされているので、ガウガウ文句ばかり吠えつつも、キャイーンと必死でくっついていく姿はとても可愛い。
読者には正体がわかってもフランは全く気づいていないので、仔狼にはウルヴァーという名前が付けられています。
ほんとは姉と婚約していたときから、フランのことをとても気に入っていたんですね。
一緒に旅をするなかで、フランのすぐ楽したがる姿勢に呆れつつも、彼の優しさや愛情深さに怒りも溶けていき、だんだんと好きになっていきます。
心の謝罪度に応じて人間の子供になったりするのですが、その時の舌足らずな喋り方なんかも生意気さがやたらと可愛くてきゅんとしました。
妖精のデューは護衛として母がつけてくれたもので、ちょっとした魔法で怪我を直してくれたり、家事の手助けをしてくれたり、フランは遠慮なく頼り切るので、ウルヴァーにとってはちょっとしたライバルのような感じでもあります。
そしてフランに貞操の危機が訪れます。
知り合いの侯爵家に一泊お世話になろうとしたところ、母がなんとサキュバスで!
(予想もしないサキュバス登場でフランの不運に笑えてしまった)
そこに必死に少年の姿で助けにきてくれたウルヴァー、がっちりフランを守ります。
寝ぼけたデューの力を借りて夜空を飛び(挿絵もすてき)なんとか侯爵邸から逃げられましたが、サキュバスの唾液による発情状態は続いていて。
ここからが、えっ、いきなりまさか⁉︎の展開で、ふたりの関係が一気に進展します。
どうやって恋仲になるのかなと思っていたら。
発情を抑えるため、自慰も知らないフランに狼姿ででウルヴァーが慰める場面には、いきなり高度なエロ展開きた!?とドキドキが抑えられませんでした。挿絵にもドキドキ。
その後、ウルヴァーが正体をようやく告白し、またさらにそれぞれの想いも誠実に伝え、お互いの好意を受け止め、キスを交わします。
かなり早い展開ではあるのですが、この勢いにちゃんと読者を巻き込める小林先生の文章力がすごいと思うのです。
そして、寝ていたデューは完全に蚊帳の外になってしまいましたが、彼の力がなければ旅は続けられなかったし、ふたりを取り持った隠れたキューピッドでもあると思います。
ぶじ秘薬を手にし王国に戻り、ラファルテは回復。
そしてフランはフェリウスと結婚したいという思いを両親に伝えますが、それがとても成長を感じさせます。
相手が男でも女でも、はたまた人間ではなくても、好きになった人と祝福されて結婚できるような、そんな社会に変えていきたいのだと、国王と王妃に告げるフラン。
彼の良さである優しさを強みに変えて、フェリウスとともに国を良くしていこうと決意する姿に拍手です!
やや変態臭がすると魔女からのお墨付きをもらったフェリウスですが。
フライング初夜にあたって、魔法が解けたにもかかわらず、フランをくすぐるためのケモ耳や尻尾、匂いをかぐためのケモノの嗅覚を手に入れてしまったようです。
サキュバスから逃れて、敢えて狼のすがたでフランを慰めたときにも思いましたが、やっぱり…だいぶ変態なのかもしれません。好きです。
でもきっと、フランとフェリウスふたりで人々が幸せに暮らす国を作っていけるのではないかなと思います。おとぎ話らしく、めでたしめでたしです。
今回も楽しい読書をさせて下さり、小林先生には感謝です。
いや〜、めっちゃくちゃ面白かった〜!!
小林典雅先生のファンタジーを読むのは、初めて。
実はこちらの作品、一度読み始めた時10ページぐらいで脱落していたものでして、、
多分初読時はファンタジーの気分じゃなかったんだろうな、と。
今回意を決してもう一度読み始めてみて、本当に良かった◎
受け君の「面倒くさいことはなるべく回避!」な思考には笑っちゃうし、仔狼は可愛いし(小山田あみ先生の挿絵、最高…✨)で夢中になって最後まで読んじゃいました。
挿絵全て最高of最高なんですけれど、個人的に一番のお気に入りは、仔狼くんがフランからの離れまいと必死にフランの足にしがみついてるシーン!かかか可愛すぎだよーう!……とひとり内心大興奮でした。
のび太みたいに面倒ごとを避け、できるだけ楽して生きていこうとする純情受けフランと仔狼に姿を変えられた毒舌男、そして美貌の妖精男子…この3人の珍道中が面白すぎて、終始にやけながら読書。
仔狼だから人間みたいに話せないんですが、狼の言いたいことをことごとく勘違いして明後日の方向に捉えるフランが本当おかしくて。
倒れてしまった魔女のばあやを救う薬を求めて、3日間の短い旅。
しかし短いながらも様々な出会いと出来事を通して成長していくフランの姿が可愛く頼もしく、一気に最後まで読んでしまいました。
欲を言えば、2人がくっ付いたところで終わっているのでその後のお話も読みたかった!
そちらは頑張って妄想で補おうと思います( ̄∀ ̄)
二人の姉の駆け落ちで、繰り上げ次期国王候補になってしまった王子フラン。
優秀な姉たち比べて、のんびり毎日のお昼寝を楽しみに生きてきたフランは、なんとか自分が国王になるのを阻止できないかあの手この手で説得しようとしますが失敗。
花嫁探しの舞踏会が開催されることになり─。
舞踏会の最中、対応に疲れてバルコニーで魔女のラフェルテ(ばあや)とともに休憩することになったフラン。
思い出すのは姉の婚約者のフェリウス殿下のこと。
姉の誕生日に年一回しか会ったことはないけれど、物腰柔らかく、文武両道で誰に対しても紳士的なフェリウスはフランの憧れでした。
自分が姉の立場だったら、絶対フェリウス殿下を選ぶのに、と納得がいってなかったフランはばあやとともに「実は殿下にとんでもない悪癖があるのでは?」と考えます。
完璧すぎるフェリウス殿下を袖にするなんて、どう考えてもおかしいから。
そんな話をしていたところ、バルコニーの下に謎の男が現れて、フランとばあやは罵詈雑言を浴びせられます。
やれボンクラだとか、やれババアだとか。
フランが穏便に済ませようとしても、謎の男の暴言が止まらず、男はばあやの魔法で子狼にされてしまいます。
フランの手の届かない場所に逃げたりすると、死にそうになるぐらいの頭痛がするというおまけ付。
そして魔法を使いすぎて倒れてしまったばあや。ばあやを助けるには特別な薬が必要になります。
その薬を取りに行くために、フランは初めて一人と一匹と、護衛の妖精付きで旅に出るというお話。
おとぎ話のような設定のファンタジーでしたが、小林典雅先生らしく優しく可愛くえっちなお話でした〜!
途中までずっと狼の謎の男。ウルヴァーと名付けられます。
フランに心からの謝罪をしなければ人間に戻れない魔法がかかっています。
ちょっと反省するとケモミミ付きの二歳児ぐらいの人間になったり、十四才ぐらいの少年になったり…上手いな〜と思いながら読んでいました。
このウルヴァーが攻めなんですけどね、罵詈雑言浴びせたり、始めの方は敵意むき出しだったりするんですけど、なぜか憎めない。
子狼の姿だからなのか、フランがそこまで落ち込んだりしないからなのか、態度が悪いとフランが距離を置いて頭痛というお仕置きをされるからなのか、なんだかちょっと「攻めかわいそう…」になってくるから不思議です笑
攻めの正体、読者はすぐ気付くと思いますがフランは途中まで気付かず、いつになったらラブになるんだろう!?と今か今かと待ち構えてました。
人を疑うということをしないフランは、旅の途中で騙されたり襲われたりします。
その都度、寛大な心で許そうとするフラン。
優しすぎる。
舞踏会に来てた母娘の母親(サキュバス)に無理やりキス(とは言いたくない)されて、その唾液の効能で身体が熱くなってしまいます。
その熱を治めるために、狼姿のウルヴァーに攻めフェされたりア○ルを舐められたりして慰められます。
「消毒のキス」の流れ最高でした…!
正体を明かしたウルヴァーもとい、フェリウス殿下。
あんなつれない態度はどこへやら、実はお互い好きだったと分かるとめちゃくちゃ甘くて優しくなります。
典雅先生らしい溺愛攻めで大好きです!
フランもぽやぽやしてるけど天真爛漫でめちゃくちゃ可愛い。
サキュバスにフランのファーストキスを奪われてなければ文句なしに☆5なのですが、個人的にもやもやしたので☆4.9でお願いします。
王太子になったのんびり王子のはじめての試練
次期国王となるはずの2人の姉姫がそれぞれ駆け落ちしてしまった為、急遽王太子になってしまったフラン。
花嫁探しの舞踏会で疲れ果てついつい、養育係のばあやで魔女のラファルテに愚痴を言っていると、いきなり現れた仮面男に罵詈雑言を浴びせられます。
それを聞いたラファルテが激怒し、魔法を乱発し、真摯にフランに謝罪しないと元に戻らない魔法をかけ仮面男を仔狼に変えた挙句倒れてしまいます。
齢700歳と高齢のラファルテがこのままでは危ないということで、ラファルテの里へと薬をとりに行くことになってしまうのです。
フランの手の届く範囲から離れると頭痛に苦しむ魔法をかけられている仔狼(ウルヴァーとフランが命名)と母の契約する騎士精霊シルヴァリーデューの3人?で箱入り王子は無事辿り着けるのでしょうか。
そして、仮面男は誰なのか(すぐに想像つくのですが)、罵倒してきた原因はなんなのかと、珍道中が始まるのです。
フランは大国の第一王子ですが、長子相続で2人の姉がおり、2人共が優秀で王位継承の可能性は殆どないため、のんびり嫌なことからはうまく逃げ、昼寝が大好きな王子に育ちました。
そんな中、5年ほどの間に相次いで姉が婚約者を差し置き好きな相手と駆け落ちしてしまい、王太子になってしまうのです。
まさに青天の霹靂。特に次姉の婚約者フェリウス(攻め)はフランの憧れで義兄になるのを楽しみにしていたので残念がります。
甘やかされて育った割には素直で、他人を貶めたり蔑ろにしたりはしません。
罵倒してきた仮面男も仔狼の状態ではじめはやさぐれ反抗期わんこだったのが、自分のために宿屋に泊まるのを諦めて納屋で泊まってくれたり、危害を加えようとした相手にも温情を与えたり等々、フランと人柄に接するうちに態度も軟化していき、仔狼が犬耳尻尾つきの幼児になったり少年になったり、また狼になったりとさまざま変化しながら旅を続ける過程がとても楽しいです。
フランは自分が楽をするためならスルスルと口から出まかせだったり、理論武装したりするのでそれもまたとても楽しいです。
母である王妃にはばれていて、彼のためという前提ではあるけど、楽になる道を潰したり甘やかそうとする父王の舵をきちんととっているのも楽しいです。
そして最後に味方してくれるのも王妃なので、この国の一番の権力者は王妃なのだなあとつくづく思い知らされます。
なんともぽやぽやした王が誕生しそうですが、優秀な婿を迎え、性根の良い王が周りに大いに支えられて良い治世になるのではないでしょうか。
ラファルテには長生きしてもらって、これからもフランのわがままに付き合ってもらいたいものです。
とても楽しい話でした。