Renta!限定版
冒頭の喧嘩シーンと別れでまずびっくりします。
諏訪はただただセックスがしたい、という大学生。
人間の三大欲求の一つとはいえ、そこの部分の欲ばかり強いのは、若いとはいえけっこう難儀。
諏訪が彼女に派手にフラれたところをたまたま見ていた長峰と、なんとなくしゃべっているうちに、なんとなくセックスすることになります。
導入もけっこうめちゃくちゃだったけど、展開はもっとめちゃくちゃです。
若くて性欲も体力もあるとはいえ、そんな展開ある!?と驚きます。
初対面の男同士やってみたら、案外良いな、とセフレ関係になっていく、というのがよくわからない思考でした。
ただただお楽しみを繰り返しているような2人でしたが、お互いがお互いのことを、人として認識してその中身に触れていくうちに、ちょっとギクシャクしてきます。その様子がかわいいです。
ちょっともめたり、別からの誘惑があったり、別の交流関係への嫉妬があったりして、スポーツのようなセックスが変化して、お互いに欲情を抱いて色っぽくなっていく様子に萌えました。
交際という関係ではなく始まった2人が、片方が交際を持ち掛け、片方が断るというのもおもしろい展開。
関係性を考え、すり合わせ、仕切りなおし。順番がめちゃくちゃなのが楽しいです。
これまでさんざん、スポーツのようなセックスをしてきた2人が、気持ちを交わしてから、甘くなっていきます。
若くて性欲と体力があるからの一時的な関係で、お互いへの思いやりを表現するのがまだあまり上手ではない若い2人がこれからどうなっていくのか、喧嘩を何度もしながら続いていくのか、環境が変わったら消滅してしまうのか、と、危ぶんだハッピーエンドでした。
が、しかし、描き下ろしが10年後の2人の様子で、すごく落ち着いたいい関係になっているのがわかってうれしく、ほっとしました。
この10年後に至るまでの2人のあれこれも読みたくなりました。
何も考えずただセッがしたいヤリチン大学生の諏訪は、クールな一匹狼長峰とセフレに。干渉しない気ままで楽な関係が心地良かったのに、妙に色々引っかかって乱されて。体から始まって拗らせまくる2人の仲が、もどかしくて可愛くて。
好きって面倒くさいしバカになるって事だよね。めちゃめちゃエロキュン。
番外編のまさかの10年後の2人も良かった!人の経年変化が好きというチハヤ先生の言葉に大きく頷いた〜。
変わっていくところ変わらない根っこのところ、人生っていいよねとしみじみ。相性抜群の2人。
ただただしたいだけの諏訪は思いっきり振られ、それを見ていた長峰と自分の思いを話してた流れで2人で試してみることに。それが想像以上に良くてセフレ関係に。だけど諏訪には色んな思いが出てきて付き合うのはあり?の問いにばっさりなしと言われ。そこから長峰が離れようとするけど、諏訪が無理してる感あるけど、ただ聞いただけと引き留める。恋愛経験がない長峰はなかなか自分の気持ちを受け入れられなくて拗れてくるけど、諏訪が諦めず引き寄せる。最終的になんとか付き合う事になる。途中いろいろ焦ったい所もあったけど2人が落ち着いてくれて良かったです。
39歳の長峰が最高にイケてますね!アラフィフの2人もいいですね。ずっと2人が一緒にいてくれてるのが嬉しいです。
クズな大学生×ビッチな大学生
女の子にクズさが理由で大学内で手酷く振られた諏訪。その場に居合わせた同じ学年の長峰と話す中で、男となら気軽にセックスだけできるかも?とその場のノリでセフレになる2人。
セックスしか頭にない諏訪と、実は男のセフレがたくさんいる長峰。身体の関係で始まったふたりの行方は…?
付き合っちゃうってナシ?と軽く聞いた諏訪に、ナシだろと一刀両断しちゃう長峰に、どうなっちゃうのか…と思ってましたが、2人の間に起きる少しのきっかけで、戸惑ったりモダモダしたり、ちゃんと恋愛になっていく2人が良かった!
性格は2人ともまぁクズで(笑)、恋愛に向いてないなぁと思ってしまうのですが、意外な独占欲だったり…10年後の彼らが思った以上に良きだったので、続きも読んでみようと思いました!
セフレ、ただヤりたい欲を満たすためだけの関係性から、相手が自分の中でどんどん存在感を増していく変化に戸惑う展開がとても自然に、リアルに描かれていました。諏訪も長峰も歯に衣着せぬ物言いをするタイプで、特に諏訪は自分の変化に戸惑いつつも、それを長く溜め込んでおかずに素直に長峰に言ってしまえる清々しい性格が逆に貴重で、恋人として得がたい人間なんじゃないでしょうか。割り切った関係にしか興味がないと言いつつも結局諏訪にペースを乱されて素直に発言できなくなってしまった長峰はやはり受けらしい面倒臭さと可愛らしさがあり、そんな彼にこそ、諏訪のようなうじうじ考えずにその時思っていることをそのまま口に出してくれるタイプはぴったりだなと思いました。濡れ場は多いですがストーリーも手を抜かずにしっかり練られていて、読み応えのある作品でした。