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朝が来たら、ふたりは

asa ga kitara futari ha

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表題作朝が来たら、ふたりは

藤井隼人、営業課リーマン、29歳
甲斐悠介、IT本部システム課リーマン、25歳

その他の収録作品

  • 描き下ろし 1LDK

あらすじ

営業課で働く藤井隼人(ふじいはやと)は隠れゲイで、自分の性的思考のことはひた隠しにして平穏に過ごしていた。
ある日、同期の部下であるシステム課の甲斐悠介(かいゆうすけ)から、バーで自分が男とキスしている写真を見せられる。
「僕と一回だけ、どうかなって」
写真を消す代わりに1回だけ自分と寝てくれと提案された藤井は、渋々承諾してしまう。
そんな甲斐は自分がゲイであることを採用試験の時から堂々と公言しており社内では有名だったのだが、強引だった割に、行為中はどこか初々しさが残る様子で、その姿になんとなく違和感を覚える藤井だが…?

性格も境遇も異なるふたりが紡ぐ、甘く切ないオフィスラブストーリー。

作品情報

作品名
朝が来たら、ふたりは
著者
81 
媒体
漫画(コミック)
出版社
MUGENUP
レーベル
エクレアコミック
発売日
電子発売日
ISBN
9784434324345
4.6

(135)

(94)

萌々

(31)

(8)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
19
得点
619
評価数
135
平均
4.6 / 5
神率
69.6%

レビュー投稿数19

定番だけどきちんとまとめて読ませる

事前情報無しで読み始めましたが、意外と定番なお話?
一見可愛らしい甲斐がなぜビッチぶってこんな策略を?という感じで、本当は藤井が初めから好きなのね、しかも初めてだったのね、とかなりの序盤でストーリーの向かう先はわかってしまう感はあった。
ならつまらないのか?というとそんな事はなくて、健気さ、ゲイであること、価値ある自分であることへのあがき、家族への負い目…そんな色々が甲斐を形作っていること、一方クローゼットの藤井の一見サバサバした性格の裏にずっと潜んでいる後悔と恐れ…。
そういう心理描写や、そこからくる行動原理など非常に噛み砕かれていて、スーッと沁み入ってくる感覚。
そして、藤井の同期女性・林や初恋相手でトラウマの原因的な松岡、また甲斐の妹も扱い方が巧みだと思った。わざとらしさもなく、物語の起承転結にきちんと絡んで「エピソードの不必要感」を感じさせない。
ラストも単に両想いエンドではなくて周囲に可視化する形を取るのも良かった。今風だと思う。
エロに関しては、意外や濃い目。甲斐の可愛い顔とカラダから入る関係性のギャップもgood。
絵柄は…ちょっと背景白めだったかも。

0

マイノリティの切ない気持ちがリアル

社内恋愛のお話なんですが、ゲイであることをカムアウトしている甲斐と、クローゼットにしている藤井。藤井は男同士でキスしている場面を甲斐に写真に撮られて、甲斐から脅すように1度だけと関係を迫られました。しかし、そこまで強引に迫ってきた甲斐でしたが、あまりそういう事は慣れていない様子で、そして夜中に寝ている甲斐の目には何故か涙が…
「朝が来たら、ふたりは」というタイトルからも何となく感じるように、周りには二人の関係は秘密のまま、セフレの関係が続いていきます。
ゲイであるオープンにしているか、クローゼットにしているか?二人のスタンスは真逆なのですが、毎週体の関係を持つうちに、藤井は甲斐が仕事に対してとても頑張り屋だと知ります。
甲斐が仕事を頑張る理由とは?偏見の目で見られるからせめて仕事はキチンとやって、他の人にとやかく言われない様にとか、何より自分の上司まで問題児抱えているから大変だとか言われたくない様に頑張っているのが切なかった。更には、老舗旅館の跡継ぎを妹に押し付けて家を出た自分は幸せになる事なんか出来ない。と…
そして、藤井にも、絶対にゲイバレしたくない過去の出来事があって。
ゲイである事の考え方は真逆だと思っていた2人ですが、お互いがお互いを完璧な人だと思っていたのに、繊細で弱いところが分かってきて。心の根底にあるのは、常に自分の周りに居る人を傷つけたく無いという優しい気持ちの持ち主だったり。2人は似てるって事が分かってきます。
かなりゲイである事に負い目を感じながら生活してきた二人ですが、それを良い感じに救ってくれたのが、藤井の同期であり、甲斐の女上司の林さんでした。社会には偏見も確かにあるけど、彼女の様に考えられる人も確かに居るとかんじます。
最後まで読むと、甲斐が最初に藤井と寝た時に泣いていた理由がわかります。ここはもう、じわじわと心を打たれます。
繊細な気持ちの変化が絵でも上手く表現されています。シンプルなラインで描かれている作画ですが、表現力はとても素晴らしいと思いながら読み返しています。
ゲイのリアルな気持ちや問題にキチンと向き合った良作です。こういう作品とても好きです。

1

自分には合わないけど、上手に描けているデビュー作と思う

こちらデビュー作ですね。
連載時から気になっていた作品。サブスクで2話だけ読めて面白かったので、単行本も購入。ちょっと積んでやっと読みました。

絵は線がすっきりしていて綺麗ですね。
ちょっとあっさりしすぎていて、自分の好みからは若干外れるんですが、読みやすいなと思います。

連載中から談話室でも話題に上がったり、こちらの評価も高いので期待して読んだのですが、読後、どうもしっくりこなくて、なんでだろうと読み返して考えてみました。

二人ともゲイで、それぞれ辛い過去や、家族との軋轢があって、その生きづらさが描かれています。

甲斐はある強い思いからオープンゲイなんだけど、終盤に、自分と付き合うには相手もオープンにしなきゃいけない、というセリフがあって、それってどうなの?と思ってしまった。自分の強いこだわりを相手に押し付けるように感じてしまって。
藤井は「こいつと一緒にいたいから」隠すのはやめる、と言っていたけど、10年も隠し続けてきたのに、元同級生の松岡とのことが解決したからって、オープンにすることに対してちょっと簡単すぎる感じもしました。

現代日本の普通の会社で、ゲイカップルだって公言するのは、やっぱりちょっとリアリティに欠けるというか、この先も絶対嫌な思いをたくさんするだろうな、とか考えてしまいます。
実際にオープンにするというのは、すごくリスキーだと思う。それでこのお話の終わり方に、モヤっとしてしまったのだと思いました。

藤井の同期の林さんや、甲斐の妹のあかりなど、女性が素敵に描かれているのはいいなと思いました。特に林さんは男前でかっこいいです。

濡れ場は数回。藤井が初めの方はSっ気があってすごくよかったです。後半では優しかったので、もうちょっとドSっぷりを発揮して欲しかったですw
修正は白抜きで真っ白だけど、絵柄がさっぱりしてるせいか、そんなに残念という感じは受けませんでした。

人物の描き方ですが、さっぱりした絵柄なので、髪型や髪色が似ていると、人物の見分けがつきにくいところがありました。髪色や髪型を変えるなど工夫した方がいいかなと感じました。

デビュー作としては、すごくしっかりしたストーリーだと思いました。
残念ながら私にはちょっと合わなかったのですが、今後の作品も期待しています。

シーモア 白抜き修正

2

大人な落ち着いた雰囲気で進むBL

割と早めに体の関係を持ってしまうのはBLではよくある流れですが、そこから攻めが絆され気持ちを認めて行く流れが、大人です。ドタバタする場面とかグチャグチャしたりとか無くて、登場人物たちの言葉で魅せてくれます。二人の周りの人たちも良い人ばかりで、各お話ごとにあったかい気持ちになります。何度読んでも飽きません。色んなBL読んできた100戦錬磨な方のほうがささるかな?と思います。結局行き着くところはここ、みたいな(^_^;)

0

泣いた

藤井さんに何年も片思いしてるのに、そんな素振りも見せず、せっかく近づいたのに自分には幸せになる資格がないと離れていこうとする甲斐くんがけなげで、切なくて泣いた。
単話でずっと気になってたのが1冊になって嬉しかったです。
藤井さんも素っ気ないけど、それがまたかっこいいんだー。出てくる人たちも1人を除いてみんないい人なので、すんなり読めます。
おすすめ。

0

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