この快楽にだけは、飲まれたくない。

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表題作大嫌いの先から見てる

綾瀬,β,サラリーマン
緒方,α,サラリーマン

同時収録作品大嫌いの先から見てる

羽咲,α,社長
神谷孝樹,Ω

その他の収録作品

  • そのあとの二人
  • さいしょの二人
  • カバー下:あとがき

あらすじ

同じ会社で働く3人の男達。どこまでも遠いと思われるお互いの運命は些細な綻びから複雑に絡み合う。

ルールを揺るがしたい問題児×正義感の強い優等生×ロマンスを夢見る浮かれ者

不幸の種から芽吹く、3つの華。
学生時代から社会人に掛けて人生に汚点などないと言わんばかりの真面目なサラリーマン・緒方(おがた)。 彼はイジメや偏見を一切許さず、弱者には救いの手を差し伸べるべきだと周囲にも吹聴する根っからの優等生タイプだった。同僚の綾瀬(あやせ)はそんな緒方に苛立ちを覚える。正論を振りかざす緒方の姿に嫌悪感を募らせる綾瀬。綾瀬は社長が男娼から召し上げた新入社員の神谷(かみや)を使って緒方を陥れようと計画を企てる。

自分の中に巣くうどうしようもない闇を晴らしたい男。
父親と母親の運命に傍観者でしかいられなかった男。
生き甲斐を見出せない人生に愛と希望を見付ける男。

罪、嘆き、空虚…それぞれの蔦が重なり、絡まり合い、そして異なる色の華を見せる時――。
仄暗い花園はきっとアナタの心にも新たな種を残す。

作品情報

作品名
大嫌いの先から見てる
著者
あずみつな 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS THE OMEGAVERSE PROJECT COMICS
発売日
ISBN
9784865892017
2.9

(68)

(11)

萌々

(15)

(12)

中立

(17)

趣味じゃない

(13)

レビュー数
12
得点
168
評価数
68
平均
2.9 / 5
神率
16.2%

レビュー投稿数12

私は好きです

闇の腐女子2022からの見解ですが、気持ちのいいハピエンしか好みじゃない性癖をお持ちの方は『中立』『しゅみじゃない』になるのかなと思いました。

表紙帯タイあらすじからはどこにもハピエンの霊圧を感じない作品なのですが、レビューを見ると光の腐女子からの辛口が多いような気が。
作品は2016年発売のものなので、2016年当時の非正統オメガバース作品の評価ってこんなものだったのかな?と思ったりして中々に感慨深い。
個人的にはあずみつな先生の作品の中でもトップ3に入るくらい好みの作品なのでびっくりしました。

こんなに良作なのにどうして不萌なんだ──わけがわからないよと、メリバ地雷以外の思いつく理由を考えてみたのですが、社長についてネタバレなしの帯説明な所は、入りで“αΩβの三人で完結する三角関係BL”の誤認を生んでしまっていると思うので、そこは読者からしたらマイナスポイントになりそうだな、と思ったりしました。
β×α、α(※社長)×Ω の2カップルの表記が出来ていれば……ワンクッションあって、もう少し違う評価になった人もいるかもしれない。そこはもったいないのかも。

それから、色彩の柔らかさや登場人物の肉付きの薄い身体の線、丸みや柔らかさのある輪郭などから総体して可愛らしい絵柄の印象を感じる一方、物語から滲み出る毒について、ここもちょっと好みが別れる所なのかなと思います。
(※最近の先生の絵柄は線に雄みが出てきているので、そこはとてもえっちですき!)

+++

2022年の現在も、可愛い絵柄から繰り出される毒のあるシナリオにギャップ萌えする人より───これは極論なのですが──可愛い絵柄から繰り出される山なし意味なしオチなしラブコメの方が万人受けするのだろうなと、書店の新刊在庫やら特典終了のPOPから察したりします。

私は闇の腐女子なので『メリバBLはこの世になんぼあってもいい!助かる!!!』と思いますし『オメガバースは発案者不明の特殊設定故、正しい設定という考え方は基本的にはないし、その自由度の高さが魅力の一つ。だからこそα×Ωが絶対の創作物じゃなくったっていいし、なんなら“オメガバ界のβ”にフューチャーしたオメガバBLだって創作してくれるなら是非とも読みたいんだぜ』と思っています。

欲を言えば、この作品のβ×αの続編があったら、めちゃくちゃ面白いだろうし性癖に刺さるだろうから描いて欲しい!!!
が、しかし、最後のコマのフキダシの台詞に全ての答えが集約されていたから……
きっとこの世に続きは生まれないんだろうな……

なんという損失。
コスモを抱えるしかない。

あずみ先生の仄暗BL、今後も期待しています!

5

一人一人違うって

色んな作品読んでみたい・・とか・・新しい解釈に衝撃を被りたい・・とか・・オメガバースには飽きている・・なんて思っている人達是非読んで欲しい。
但し地雷になりそうな部分が結構あるので無理には薦められない位に希少です。

一般的に「人それぞれ」ってキャラクターの持つ個性を使って作品が出来ていくと思いますし、当たり前の事なんですが、オメガバースの場合は性別で枠組みが決まっており性別以外の個性が作品に利用されているケースはあんまり無いですよね。でもこの作品は三者それぞれに産まれ持った性別・性格・今迄の人生経験が混ざりあって今の彼らがいるっていうところの掘り下げ方や解釈が物凄い。よくオメガバースではαだからとかΩだからとかそういう台詞出てきますけど、そんな偏見無かったつもりの読者が「あなたもそう思っていましたよね」と思わされます。

1

これもまた運命というのか否か

あーなるほどな、そうくるか。
ちょっぴり唸る展開;つД`)うー

αとΩの地位はやはり雲泥の差。
αで地位もある、仕事もできる。恵まれた体躯。
清廉潔白な男。だれもが認めるエリート。
そんな男が、Ωを軽視せず非難することもなく。
何もかもパーフェクトな男が~から始まるお話しですな。

事故のように連れていかれた発情Ωとの非公式の場所。
二度目に連れていかれた同じ場で、同僚に犯されてしまうという悲劇
しかしそれは始まりにすぎず。

清廉潔白な男は小さいころ。
それがなぜ封印されてきたのか、
今回をきっかけに目覚めてしまった本能とは。
また、清廉潔白な男を犯した男の数奇な過去。
重ねて結末は面白いと思った。
思ったんだけど、そこって始まりよね?
見たいのはその後よね?
どんな風に飼われているのかの方が正直見たかった。
EDαとΩさんとこのカップルは微笑ましかったんだけどなー

4

意外展開のオメガバース

オメガバースは相当読んできたつもりでいましたが、
まだ未読の凄い作品があった!という感じ。
あずみつな先生によるオメガバースは、α・β・Ωの三つ巴。
読後は決して良くはなく、考えさせられてしまうラストです。


私はΩの神谷が嫌いでした。
ズルくてあざとくて自分勝手なΩ……
好きになった社長(α)のことしか頭になく、
優しくしてくれた緒方(α)をお金の為にあっさり裏切ります。
αとΩの関係性に辟易している綾瀬(β)も嫌い。
緒方が好きで、自分だけを見てもらいたかったのかなと思うし、
結局αを屈服させることはできないと思わせるラストはちょっと怖かったです(。-_-。)
唯一まともにみえた緒方もぶっ壊れていて、
結局みんな嫌いです。

みんな嫌いなのに、なぜか惹きつけられるストーリーと、
意外すぎる展開にハラハラしました。
個人的には、綾瀬が母親と遭遇した時に守ってくれた同僚が一番いい人なのではないかと思います。

コレって、神谷と社長だけの話ならとてもいいオメガバースになったと思うな……
ED社長×ギャンブル依存症の美人Ωがメインの話だったら、
もっと読者を惹きつけるのではないでしょうか?

0

続きが!ほしい!(もしくは解説

作者買いです。あずみつな先生大好きです。あずみつな先生というと、クズなキャラクター(というか他の作品のキャラクターたちがファンタジーないい奴らすぎて本当は人間ってこんなかな?と思ったりもする)がちょっとギャグだったりで、可愛らしい絵柄なのにやたらとエロな良本をわんさか出している先生なんですが、、仄暗いのも素晴らしい!

ハピエン厨なので、メリバってあんまり好きじゃないんですが、好みの壁を超えてくるのがあずみつな先生の凄いところなんです。別の作品も、メガネ苦手なんですがメガネキャラにばっちり萌えました、、天才_(:3 」∠)_

本作は、オメガバースな世界の中で、それぞれの性に葛藤するαβΩの話。αが完全に恵まれていて、Ωを保護してあげる、というような単純な図式ではなく、それぞれに弱いところや仄暗い過去があり、それが複雑に絡み合っています。ひとまず1回読みましたが、何回か読まないと完全には理解できないかな?彼らの過去や心的葛藤を知ったうえで読み返すと、かなり深まりそうです。

ネタバレせずにじっくり読んでほしい本です。

0

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