ボタンを押すと即立ち読みできます!
愛したのは 実父の奴隷(いぬ)として生きる少年
素晴らしかったです。
童話やお伽話のように劇的で芯のある純愛のお話、感動しました。
「風と木の詩」セルジュの両親のお話を思い出します。
色狂いの父が“犬”を飼ったという様子を見に、息子レオンは小屋へ。そこには昂る匂いを纏う少年奴隷と、弄ぶ父の姿が。
驚愕しつつも、その匂いを嗅いでからレオン自身の身体にも変化が起きる。悪魔か魔女か、その少年に会いにまた森へ…というお話。冒頭からグッと掴まれました。
人や宗教が信じられない奴隷と、彼を大事に守ろうとするレオン。
跪いて奴隷の手の甲にキスをする王子、ベタかもしれませんがロマンチックで素敵です。
彼が見惚れ頬を染めるのがっ可愛いかわいいかわいい!!!笑
恋をしている表情が抜群に上手い作家さんだなと思いました。
それだけでなくお話も整理されていて読みやすく、色んな登場人物の思惑が交錯するのが面白い。
特にレオン父の行いが酷いのですが、でも奴隷ノエに首輪付けてたのはグッジョブでした。彼はオメガかな?
キャラクターがしっかりしていて無駄がなく、お話の破綻も余り気になりませんでした。
ノエが人生を諦めているけれど父の為に生きているところも、レオンとのささやかで大切な交流、恋をしてからの行動もいつも一所懸命で、ウジウジしないので好感が持てて応援したくなります。
瞳が可愛く涙が綺麗で泣けてきます。
「真実を伏せたままのこの唇では お前を汚してしまわないだろうか」
こんなロマンチックでロミジュリかよ台詞があればバッドエンドも覚悟して最後までドキハラ。もしバッドエンドでも良い作品に違いないのですが、この終わり方は至高でした。
オメガバース設定を読者が知ってる前提として(巻頭に説明書有)、作中はふわっとした描き方で説明少ないのが良かったです。
魔女設定でも良いのではと思ったのですが、長い説明を抜きにしてお話の流れを壊さなかったのは重要だと思います。純愛のお話なので比較的エロが少ないのも良かった。
頁数が多い分ちょっとお高めですが、純愛ストレートなお話が好きな方にはお勧めです。手酷いオヤジ攻め苦手な方は注意。
初読みの作家さまでしたが、電子で序盤を読んで、そのままお買い上げ。
切なくて、けれど真摯な深い愛情が胸を打つ、深い深い愛情を描いた作品でした。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公は落ちぶれた貴族の嫡子・レオン。
彼の家が没落したのには理由がある。彼の父親の存在だ。
色ボケした、色狂いの傲慢な爺・オワイン。
もともと高貴な家の出でありながらその放蕩ぶりが目に余り田舎に追いやられてしまった。そんなオワインは周囲の人たちから好奇の目にさらされているがそんなことは気にせず今日も色事にふける。
そんな父親を嫌悪しているレオンは父親を反面教師とし日々過ごしているが、父親が森に建っている古小屋で犬を飼い始めたという話を聞く。興味本誌でその小屋を訪れたレオンは、褐色の肌を持つ少年を抱いている父親の姿を見てしまう。
まるで獣の要だと嫌悪する一方で、その少年・ノエを欲する気持ちが沸き上がってしまい―。
というお話。
オメガバースものですが、今作品はオメガバースという性が確立していない世界が舞台。発情期を迎え、人を惑わすΩは魔女として人々から忌み嫌われる存在として描かれています。
もうね、Ωの人たちに対する周囲の人たちの接し方が非常に胸糞で、読んでいて胸が痛いです。ただΩというだけで身体を蹂躙され、魔女だと言われ、迫害され。
そして、序盤から多くの読者の予想通り、レオンはαだしノエはΩなわけですが、自身の父親の行動を懺悔し、ノエに紳士的に接するレオンがクソほどカッコいいです。
そして今作品にはもう一人キーパーソンが登場します。レオンの腹違いの弟のエリオット。
このエリオットの存在が、今作品において非常にいいスパイスになっているんですね。オメガバースものとしては王道のストーリーではありますが、エリオットの存在があるがゆえに王道のそれらとは一線を画す作品になっていたように思いました。
詳細を書いてしまうとネタバレになりすぎてしまうので詳しくは書きませんが、彼らの感情の機微が実に秀逸です。憎しみと愛情が紙一重。その感情の変遷の流れも良い。
レオン×ノエ、そしてエリオット。
彼らを取り巻く周囲の人たちの外道さが切ない。けれどだからこそ、と言って良いでしょう。彼らの間に育っていく深い愛情。そして自分の愛する人を守りたい、ただそれだけのために奮闘する三人の愛の行方にめっちゃ萌えました。
今作品はかなりページ数の多い作品なのですが、その厚さに見合った内容。が、この厚さでありながら、もっとページ数を増やして詳細に描いてほしかったなと思う部分も多い。
レオンの母親やノエの父親のエピソードはもっと読みたかったし、そして多くの外道たちに鉄槌が下ってほしかったし。
オメガバースものらしい、って言って良いかな。Ωが酷い目に遭うシーンはてんこ盛りです。
痛い描写も、子どもが大人の欲望のはけ口になるシーンも、結構たくさん出てきます。そういうシーンが苦手な方にはお勧めしづらい作品ではあります。
が、だからこそ、愛情だけで繋がり、信じあうレオン×ノエの深い愛情に思わず落涙しました。
しいて言うと、レオンがノエを愛するようになった、その経緯が若干甘いと言えば甘かったかな。
そして、最後の終わり方。
いや、幸せな日々を送っているのだろうとわかる終わり方でとても良いんです。余韻があるっていうか。
が、できれば二人が○○(これ、ネタバレになっちゃうので伏字にします)も含めて幸せになっている姿が見たかった…!
そして、エリオットも。
彼も、幸せになってほしい。
最後の彼の姿を見ると、幸せになるんだろうな、と思うんですけれど、実際に幸せになった姿が見たかった。
ということで、続編を心からお待ちしています。
めっちゃ良かった。文句なく、神評価です。
まず…エリオットお前以外といいヤツだなと思いました
もうね作画が神です!金髪美形のレオンと黒髪褐色肌の吸い込まれそうな大きな瞳の美少年ノエ
うっとりため息が出ます
前回の春までの距離も良かったのですが、さらに作画が美しいです!
オメガバース物ですねまだΩとかαとかの概念がない時代のお話のようですね
とにかくΩたちの扱いが酷すぎて胸糞なのですが、騎士のようなレオンが素敵ですそして私の大好きなストイック攻最高です!ヤリチン女にだらしない攻だと萎えるのですが、ストイック攻が、美少年受に墜ちていく様は最高に萌えますね(^^)d
レオンがノエに接するとき紳士で優しく、ノエは、レオンの幸せだけを考えています
最後の方でノエがうなじを噛まれたことによって、フェロモンが出なくなってほんとに良かった。バッドエンドも覚悟していたのですが、ここで希望が見えてきます
策士のエリオットも裏で手をまわしてくれて
でもレオンは親殺しで警察に行くって言うしどこまで高潔で真面目なの?
結果エリオットが二人を逃がすのですが、エリオットほんとにレオンと家族になりたかっただけなの?ほんとはレオンが、好きだったのでは?と邪推をしてしまいました
タレ目美人のエリオットはぜひトマスと幸せになってもらいたいです
この二人のスピンオフあったらいいな
最後はレオンとノエは鮮やかな南の島で幸せにくらしているようでそれがかいまみえる描写が良かったです
この時代背景の物語にしてはハッピーな終わりでありがたい。
特に心に残っている箇所のうちのひとつが恋に落ちた2人が1ページ丸々使って見つめ合うシーン。何回も見てる。とても美しくてときめいてしまった。「お前は父親と生きるんだ」と言いつつ、その表情はもう離れられないほどの執着を覚えてしまってるじゃない……キスもしたことないような男がここまで……!!たまりません。
堅物そうな主人公は人情味もあり、毅然としていて格好良かった。人望もあっただろうに親父のせいで無くなってしまったのだろうか等色々考えてしまう。(関係ないから語られていないのだろうが、欲を言えばもう少し宮廷での過去エピソードでもって奥行きがあったら嬉しかった、…と思ったけど権力争いのドロドロ感が増すならやはり不要か。これでよかったんだな…)
弟の「この男のどこが神なんだ」は胸を打った。彼も世話を焼かれて仲良く楽しく暮らしてほしい。
(2人はこのまま女っ気なく更に何年か経過すると年下攻めと成るのではと邪な考えが止められない…田舎貴族のせいだ…
通常、物語後のイチャラブおまけがあったら嬉しい派だけど、この作品に関しては2人が生きて幸せになっているのが彼の視点から分かっただけで十分満足出来た。とはいえ、いつか作者様が気まぐれで描いてくださったなら飛び上がって喜びますが…!
加虐シーンが多くて、もう本当に読むのつらい描写が多いんですけど、レオンの眩しいほどに真っ直ぐな気持ちや行動、ノエを大切に思う気持ちに涙腺崩壊……!
読んでる途中から涙が溢れて溢れて止まりませんでした。
オメガバース作品だけど、α、β、Ωといったバース性が認知されていない世界観のお話で、とても斬新なストーリーだと思いました。Ωの発情期を、"魔女"と虐げて周囲から蔑みを受けるようなシーンがもうツラ過ぎて。奴隷として慰み者になるしかないΩの行き場のなさに胸が押しつぶされそうでした。
父親と離れ、いつか父親に会うことを生きる理由として、レオンの父にどんなに酷いことをされても懸命に生きるノエの姿が清らかで、美しい。父親の奴隷だと分かっていてもノエに惹かれていくレオンの情動にとグッときます。レオンの父に酷くされても、レオンとの秘密の逢瀬がノエの心を救っていく……そんなやりとりにもまた涙が込み上げてきそうになるのです。
バース性のことがまだ人々に浸透していない時代。ときはヨーロッパ辺りの中世〜近世あたりの時代背景っぽくて、その時代の社会的構造みたいなところとうまく絡み合わせて描かれています。
貴族や身分のある者たちの悪い部分が出ていて、胸くそ悪しなのは否定できません。権力にものを言わせ理不尽な要求を迫るとことか、口封じの追手を放つとか、善意団体の裏で性的虐待をしてるとか。身分制度の抗えない嫌な部分と、Ωの行き場のなさとの負のスパイラルが悲劇すぎて、このどうしようもない状況からどのように打破できるのか不安で押しつぶされそうでした。
ああするしか2人が一緒になる道がなかったことがとても悲しいけど、でもこれだけの時代背景の中ではそれが精一杯の抵抗だったのだなと思うと、すごくドラマチックな結末なのは間違いありません。
身分制とかバース性のことが色々描かれていますが、実は家族愛のことが物語のベースにずっとあることもこの作品を読むにあたって気付くでしょう。レオンとエリオットの兄弟愛が、最後の最後にして分かる深い情に胸が熱くなりました。
あんな父親じゃなければ、きっといい兄弟関係が築けていたと思うのに、時代や家庭環境は非情ですね…まぁ、でも父親がまともだったら、レオンはノエに出会えていなかったので、これはこれで良しだったのかも知れないですが。
ノエにとって精神的にも肉体的にも辛いことばかりだったけど、レオンという最愛の人に出会えたことは、神さまからの贈り物だったと思います。それはレオンにとっても言えること。2人の身分を超えた愛の物語に感動で涙で文字が滲みました。
彼らの今どんな生活をしているのか…それは想像するしかないことだけど、最後のカラーの一枚絵が全てを物語っていました。
レオンとノエと、2人の子ども。それにノエのお腹が微妙に膨らんでいるような…?
レオンとノエの顔は見えないアングルだけど、きっと喜びに満ちた表情なのは間違いないと思います^ ^
いつかエリオットと会えると良いなと思いながら、彼らの幸せを願っています。
少しだけスッキリしない点は、レオンたち父親と罪に加担したノースランド卿の苦しみが薄かったこと。後者はお咎めなしってのはある意味リアルだけど、なんだかなぁ…って感じでした。