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もう、一人で震えなくていい
すごく良かった…!
登場人物が皆魅力的なのもそうなのだけど、情景描写がとても丁寧で、一緒に雪の中暮らしているようでした。
主人公のシャニが淡々と強く、でも自分には無頓着でちょっと天然。
そんなシャニの事を、最初はよく思っていなかった村の人達が段々と心解けていく様子がとても暖かい。
そしてお相手のニィルも言葉が多いタイプではないけれど、シャニの事をとても大事に想っている。
二人が心通わせていく過程が雪がしんしんと積もっていくようでした。
伊達先生今回も素敵な作品をありがとうございました。
次回も楽しみにしています。
何なんだ、この作品は……。
読んでいる最中も、読み終わった後も、こんなに胸がいっぱいになる作品に出会えることは、本当に稀です。
物語の序盤から、まだ数行しか読んでいない時点から、きっとこの作品はとんでもないぞ……という予感と共に読み始めました。
情景描写や心情描写、どちらもがとても丁寧で秀逸で、読者である自分がまさに、その雪が降り続けるザノゥサの里に立って、凍てつく空気を頬に感じながら、物語を見守っている。
そんな感覚になるほどの臨場感が、見事に作り上げられていました。
愛を知らず、初心で鈍く、そんなシャニが、夫であるニィルに惹かれ、ニィルの死を何よりも恐れるようになること。
ニィルの死を予知夢で見て目覚め、迷子になった幼子のように泣きながら歩く様子。
それがまざまざと目に浮かび、またシャニの気持ちも痛いほど伝わってきて、シャニが感じた恐怖が自分にも伝染したようでした。
ニィルのシャニに対する愛情も、静かながら情熱に溢れ、シャニを助けようとする姿に胸が熱くなりました。
読み終わった後、余韻が抜けず、しばらく放心状態でした。
初めて読む作家さんでしたが、ここまで臨場感を作り出せる作家さんは珍しいと思います。
本当に、素晴らしい作品をありがとうございました。
誰かの、ただ1人の唯一になりたいと、ずっとずっと夢見ていた頑張り屋さんが、そんな些細な夢を打ち砕かれて、それでも自分のいどころを築いていくお話です。
物語のお姫様のように華奢で儚げなシャニが、元気いっぱいな子どもたちを、これまた(その姿に似合わず)元気いっぱいお世話する姿がとても素敵です。日常の中で、シャニの愛情深さがたくさん垣間見えて、シャニが愛される姿が無理なく語られています。大好きな作品です。
伊達先生の受け様はかわいくて健気なイメージでしたが今作は受であるシャニが元軍人だけあってとにかくかっこいいのです!
雪山に捨て置かれても10日間生き延びられるサバイバル力。獣人でも5人がかりで立ち向かうような獣をも単独で倒す戦闘能力。なのに自分の価値に関しては無関心でサバけているなんてもう愛さずにはいられないキャラクターでした。
そのぶん後半の絶望ともいえる展開がつらいのですが大丈夫、我らがシャニは不屈の精神で巻き返してくれます。最後までかっこよかったです!
