電子限定おまけ付き
一樹先生作品初読みです。
中身の絵がとてもきれいで、表紙とイメージが違うと感じたのは私だけでしょうか。
柊月のちょっとした表情で東を意識して惹かれていく描写がよかったです。
東がただのコミュ力ポジティブ野郎ではなく彼なりの背景、理由にも納得。
だから東は柊月のことをよく観察して察していくのがわかりましたし。
柊月がゲイであることをそこまでネガティブに捉えているのは西郷からの性被害や刷り込み的なものがあったからですかね。
西郷が柊月に執着し悲観的に陶酔しているのは弱くて柊月に依存していたからか。
西郷の演技がオーバーでこっ恥ずかしく古く感じてしまいました。
西郷も柊月も若く視野が狭すぎたんでしょうか。ちょっと極檀だなと思いまして。
そんな西郷に立ち向かい、柊月のうじうじに東が突破口を開いてくれたのは痛快でした。
東のセリフが少し理屈っぽいと感じる部分があったのですが、柊月の本心を言い当てて心を動かすところはお見事でした。
柊月を特別に思うようになって初めて欲が出た東の今後がどれだけ魅力的になるのか楽しみです。
風邪で寝込んだ時、柊月の感情が溢れて東を帰した後「終わった……」とベッドに倒れ込むところ、その後、めちゃくちゃ落ち込む東がかわいかったです。
なんとなくタイトルや表紙のイメージからラフな雰囲気を想像していましたが、ゲイであることに葛藤するシーンがしっかり描かれているタイプの作品でした。東と柊月の相性は既に割れ鍋に綴じ蓋という感じがあり、大学内での便利屋を本格的に営んでいるのが面白い導入ですね。性的対象はわざわざ言う必要はないというのが今の時代の主流な考え方だと思いますが、男友達に言わないのは不誠実だからあえてオープンにするという柊月の考え方も一理あると思いました。結局正解はないし、自分が傷付きたくないからという理由で言わないのも他人は許容するだろうけれど、本当に許容してほしい近しい人がどう思うかを重んじようとする彼の考えも分かるなと。
そんな彼に、東は本当の自分の気持ちを蔑ろにしたり、他人の気持ちより軽く扱ったりせず、自分のしたいこと、したくないことに真正面から向き合って、意思を尊重することを教えます。自分の好意で他人を不快にするかどうか、傷付けるかどうかは相手による。一概に決めつけるんじゃなくて、1人ひとりときちんと向き合って、打ち明けるか考えてみてもいいんじゃないか。人を好きになる感情自体は普遍的で素敵なもののはず。柊月が東の言葉で考え直して、高校時代の因縁の先輩とも自分の言葉で訣別し、明るい表情を見せてくれたことを嬉しく思います。2人がどんな風に距離を縮めていくのか、2巻が楽しみです。
便利屋をしているくらいなので、明るく人嫌いしない性格は当たり前なのだとしても。
柊月との出会いの場面での東はとてもノリが軽く見え、さらには相手の戸惑いもおかまいなしでグイグイいく様子から
パワーと勢いで進んでいく系のお話なのかな?と最初は思ってしまっていました。
でも読み進めて東自身の考えがわかってくると彼への印象も変わり、ストーリーの表情もまるで違うものに見えてくるんです。
いい意味で読み手をどんどん裏切ってくれる感じがものすごく好きでした。
柊月のエピソードが加わっていくことでお話の雰囲気まで変化していくのもすごく良かったし、
そのおかげで東が"ただの良い人"なわけではないという部分も知ることができて。
彼らのまだ見えていないところをもっと知りたい!という気持ちにさせてくれたのでした。
柊月の悲しい過去に繋がっている西郷と再会したときはものすごくハラハラしましたが
それでも悪い方向には向かわず、結果的に柊月だけではなく西郷までもが救われるような展開になるのも素晴らしかった!
この先ふたりがどうなっていくのか、そしてまだ明かされていない東の家庭環境のことも気になりすぎる…!
次巻も楽しみにしています。
はじめましての作家様です。
同じ大学に通うクールな柊月(ひづき)と陽キャで便利屋をしている東(あずま)の2人が出会い変わっていく過程が、ものすごーーーーーーーく丁寧にえがかれています。
【ここからガッツリネタバレしてる部分があるので大変申し訳ないのですが自衛をよろしくお願いします】
BLの主食はハッピーアホエロで性暴力が含まれる作品が苦手で避けることが多いのですが、こちらの作品にはそういった描写があります。にもかかわらず読み始めたら目を離すことが出来ませんでした。
BL読み過ぎによる弊害の「気付いたら読み飛ばしてた、すまん」というのもなく「あれ?」と感じた部分はページをさかのぼってちゃんと確認してから読みました。
痛々しい過去があったクールな柊月くんの変化に目を見張ります。それは柊月くんだけではなくて陽キャの東くんもで、2人が出会ったからこその変化なんですよね。柊月と西郷(さいごう)の関係においてはおきなかった変化です。
西郷がやったことは絶対に許されないことなのだけど西郷にもまた、こんな人物になった経緯があるのだろうなと察することができます。そんな西郷が変わっていく(救われていく)スピンオフ出ないのかな。読みたいなと思ってしまう作者様の人物描写......凄いです。
あとがきに3巻以上は出したいと書いてあったのを目にしたのですが作者様が納得するまで描き続けることが出来たらいいなと思いました。2巻は2025年の冬に発売予定とのこと。また2人に会えるのを楽しみにしています。
あとこれ作品には全く関係ないのですが「西郷」と入力すると真っ先に「西郷どん」と出てきたので笑ってしまいましたwww
人と関わるのを避けて生活している大学生の柊月は、ある日構内で便利屋を営む先輩東に声をかけられる。ゲイだとはっきり告げても距離感の変わらない東は、明るくて鈍感で優しくて。
自分を否定して自ら傷つけてきた柊月を、大事に思い肯定してくれる東。そこへ柊月に暴力を振るっていた元彼が現れて…。
全部を諦めていた柊月が変わっていく様子がとても泣けて、東の中に芽生えていく感情もすごく尊い。めちゃめちゃ良いところで終わったので、続きが読みたすぎる〜!「好きで好きで堪らなくなったら嫌でも溢れてしまうもの」という台詞があるのだけど、溢れ出した2人の想いの行き先が楽しみで仕方ない。1巻はエチ無したけど2巻はラブラブ展開な予感。(先生が3巻まで描きたいとおっしゃってた~!)
ゲイの自分が全部悪いと思ってた柊月、明るさの中にも抱えてるものがある東、暴力でしか愛を表現出来ない西郷。それぞれが不器用で深い。2巻が読みたい!