電子限定おまけ付き
好きな作家様。特に「I'm in Love」シリーズが好きです。本作も試し読みが面白かったので読んでみました。
40になっても売れない芸人田辺は、相方がピンでブレイクして腐ってしまい、田舎に帰省する。そこで田辺たちの大ファンという爽という青年に出会って…というお話。
田辺の実家がかなりの田舎で、ヤギやらニワトリやら山やら畑やらお地蔵さんやら色々出てきます。
阿部先生はなんとなく都会的な作品を描くイメージだったので、本作の田舎ののどかなスローライフは新鮮に感じます。ほっこりしますね。
田辺が実はかなりイケメンで、すごく好きなお顔で読んでて楽しいです♪(イケメン設定じゃないけど)
ほんわか読んでたら、好青年っぽかった爽くんがエッチな本性あらわしてきて、先生の作品っぽくなってきます。アナルプラグはいいけどなぜ尻尾付き?!『ド変態な健気』ww
田辺もセフレ関係をナチュラルに受け入れるなぁ。バイなのかな。
しかし他に想い人のいる爽との関係はこじれ、田辺は東京へ戻ることに。
「アイツを笑かしたろ」。いいモノローグだな〜。
後半には爽の重めな過去が出てきて少し驚きました。初めは普通の青年だったのに、こんな重さ抱えてたのね、クスン。でも吹っ切れたみたいでよかった!
タナベシマの公開説教動画とかライブが普通に面白くて笑っちゃいます。さすが先生w
爽を想って東京で頑張る田辺にキュンとします。あと相方のナベがすごくいい人でよかった〜。
ラストの「お前を笑かす為にー」のシーンすごく素敵でした。
ちょっと切ないけど、心があったかくなるような作品でした。阿部先生やっぱり好きです♡
濡れ場は少なめで描写もあっさりめでした。ルチルさんの傾向なのかな?
電子 トーン修正(かな?ほぼ修正不要な描き方です。フェもアレをきちんと描かない感じでした)
今回攻め受けの好みがグサッと刺さるほどではなかったけれど、ストーリーの運び方は阿部先生らしく、そう持っていくかという驚きと、現実って意外とこんなものよねという妙な共感を覚えました。爽の加地への懸想は本物だったと思いますし、一方で、体の関係から田辺に情が移ったのも自然な流れに感じました。薄情に感じる人もいるかもしれませんが、こういう現実的で変に美化されていない移り変わりを描いてくれるBLって貴重だと思います。田辺もけっしてゲイの気はなかったと思うけれど、燻っているところに自分のファンだという子に迫られ、悪い気はしないし気持ちいいなら別に……、と受け入れてしまうところも現金でイイ(笑)。始まりがそんなでも、徐々に2人なりの誠実さを見せてくれ、序盤とかなり差があるラストの甘さに萌えました。
めちゃくちゃ沁みるお話でした…。
阿部あかね先生。この安心感と安定感。落ち着く…。
オレっておもしろいだろ?ワタシっておもしろいでしょ?って
アピってくる存在には、人ってそんなに惹かれないんですよね。
「売れない芸人が久しぶりに帰省したら台風来そうなときで
こんな時に来るなと家族にめっちゃ迷惑がられる」状況。
それ以上でもそれ以下でもなさ過ぎて、初手から笑わせてもらいました。
モノローグだけで田辺さんのヒネクレ具合もわかる。物語の入り方すごい。
田辺さんは「じゃないほうの芸人」さん。
コンビ内格差とかリアルで、田辺さん帰省時はもう、
本当に腐りかけちゃってて。
「おもしろい」を苦しみながら生み出すつらさ。
しかも売れてない=おもしろくないを突きつけられる毎日。
一人だけ売れてしまった相方に対しても愚痴や妬みが爆発、
自嘲できる理性があるうちに、なんとかしたい田辺さん。
そんな中で出会った、電器屋さんの息子爽くん。
田辺さんのお笑いコンビ「タナベシマ」の強火ファンで、
極厚ファンレターを送ってくれていた地元のコ。
彼もワケアリで地元に戻ってきているのですが…。
ん?化かされた?
突然のBL展開にワタシも狐につままれた気分…。
あれなんか見落としてたかな?と前のページを確認笑
祭りの熱気にあてられたのかな?2人。
爽くんはぜーんぜん爽やかではなくいたずら好きな変態チャンでした。
ニワトリが羽ばたきヤギが脱走する呑気な昼下がりにセックスに耽る。
爽くんの想いは違う人へ。ここでも「じゃないほう」の田辺さん。
田辺さんのぐるぐる拗れる複雑な心境と反比例するように、
同じ毎日が繰り返される、ほのぼのとしたふるさとの日々。
ココロが動かなくなりかけていた田辺さんが
息を吹き返した理由は、爽くん。
ずっと見ていてくれて、元気がないときに自分たちのコントを見て
笑ってくれていた爽くんのために、
田辺さんはまたお笑いの世界に戻っていきます。
やぎ座のラッキーアイテムはピンクの靴下。
転んでもただでは起きない芸人魂で、すべてをネタにカムバック。
おさまってほしいところにしっかりおさまって、
ニコニコ~ホロリ…のハッピーエンド。
すーごくイイお話なんですが、は?なんのことですか?
そんなのいいから、笑って笑って。と、サラっと終わります。
照れ隠しのような素っ気なさ。
そんなところもすごくいいな…とおもいつつ読了。
何度も読み返したくなるような、そんな優しい作品でした。
阿部あかね先生、ありがとうございました。
前半は仕事がうまくいかない漫才師田辺が実家に戻ってきてスローライフな生活を動物交えてほんわかと描かれていますが、そこは阿部あかね先生の作品。地元の爽やか青年、爽君がなかなかの、いやかなりのどエロ青年という事が色々判明してきて阿部先生ワールドが広がっていきます。アラフォーで仕事がうまくいかず挫折した田辺を幼馴染や爽君が暖かく支えてくれるところは田舎暮らしの彼らのやさしさが溢れていて読んでいるこちらもジーンと来てしまいます。
BLカテゴリーにもかかわらず、1話は とりあえず主要人物であろう二人は出会いますが マジでなーーんにも起きそうにない。けど
すでに、ちゃんと面白い。テンポがいいなぁ。
と思ったら2話目での加速度が半端なかった。でも読み手の情緒も置いてけぼりにしない。
自分にしては珍しく、事前に左右の確認もせずに読み始めました。
実は逆かと思ってたんですよね・・・阿部さんの作品て(いい意味で)思い通りにすすまないことが多々あるので。
すごいなぁ。田辺さんの顔が最終話に近づくにつれ格好よく見えてくる。進むべき道がはっきりして腹をくくった男の人って格好いいんですね。
面白かったです。全然説教くさくないのに、人生訓みたいなものも感じられて。芸人でもないのに、どうやったら【タナベシマ】の単独ライブのポスターみたいなの考えつくんだろう。天才か。
あと、悪人が一人も出てこないので読後がとても爽やかです^^