限りなく快感に近い恐怖…

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表題作人形の爪―眠る探偵 1

三条槇(シリアルキラー)/連雀利彦(心理学者)
市羅木真音(探偵)

あらすじ

他人の『夢』を見るという特殊能力を持つ美貌の探偵・市羅木真音(いちらぎまおん)。真音を狙って、いま、闇が動き始めた!!

東京都新宿区大久保、雑居ビルの4階に、美貌の眠る探偵・市羅木真音が働く市羅木探偵事務所はある。社員は探偵とその異父弟・不破隆(ふわたかし)、それに探偵の14歳になる娘・笑子(えみこ)が中心という、家族経営の良心的かつ小さな事務所だ。そこに、ある日、ひとりの女子高生がやってきた。母親から人形扱いされている弟をなんとかしてほしい、と。それが悪夢の始まりだった!
出版社より

作品情報

作品名
人形の爪―眠る探偵 1
著者
榎田尤利 
イラスト
石原理 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
シリーズ
眠る探偵
発売日
ISBN
9784062557900
3.8

(19)

(5)

萌々

(6)

(8)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
73
評価数
19
平均
3.8 / 5
神率
26.3%

レビュー投稿数4

ミステリーです

BLって言うセックスファンタジーとは別物です。
むしろ、BLって言う縛りが邪魔なくらいの。
三条も男、真音も男、というだけで、
この二人の間にある、果てしない闇のような愛憎は、BLと一言では言い表せない。

一応BLなので、真音は男にドロドロになるまで抱かれないと眠れないと設定されていて、連雀とのセックスシーンがあったりはしますが、
真音自身は、ちゃんと女性と愛し合って、自分の娘を愛していて、半分血の繋がった弟も愛している、とてもストーレートな男。
その反面、特殊な能力と、特殊な生い立ちのため、やっかいな病気と、そして、三条という存在を抱え込んでいます。

三条が精神病院を脱走し、これから真音達の息詰まるような攻防がはじまります。

2

読み始めたらやっぱり止まらない!!

絶対面白いってわかっているのに、
シリーズものってなかなか手を付けづらいところがあるので
購入していてしばらく積ませていただいてまして…。
私がバカでした。(いや、自覚はとっくにしておりましたが)

登場人物が多いと把握できなくなってしまう為
冒頭の人物紹介のイラストはすごく助かりました!!w
何度も確認して読み続けましたw

夕日に染まった更地に立ち尽くす男の子と
優しそうな口調だけどちょっと怖い事をほのめかす男のプロローグから
何が始まっていくんだろう、と一気に集中させられます。

市羅木探偵事務所でのコミカルなシーンから
真音と義理の兄・連雀との色っぽいシーンへサッと移ったかと思いきや
徐々に事件は進んでいって…。
惹きこまれる展開に唸るしかないです!!

母親に人形のように着飾られた弟が心配な女子高生・明日香が
事務所を訪れた事から始まります。

主人公の、特殊能力を持ち、それが理由で常に安眠できない真音。
半分血の繋がっていて、真音よりよっぽど兄に見える老け顔な弟(w)隆。
まだ中学生なのにやたらしっかりしている真音の娘・笑子。

主人公家族だけじゃなく、
出てくる刑事二人も個性が強くて、微笑ましかったり思わず吹き出したりw
それでも、真音に激しく執着する謎の男・槇の姿が見え隠れして
ハラハラさせられます!!
軽やかに人を殺し、罪悪感の欠片も無い。
自分の手で殺めるよりも、駒となる他人を操り
それを楽しむかのように、
真音へ自分の存在を主張する行動はぞわぞわしました。


真音と槇の過去編「春を待つ季節」では、
描写は長くないのですが、
槇の特濃すぎるHに驚きましたです…ハイ。
どれだけ真音を欲しがっているんだ!と!!

陰と陽のバランスがとても良くて
「うぉー…、小説読んだ!」って満足してしまいますw
勿論、お話の全体としてはまだ序章のようなものなので
あれこれ不明な点がありますが
ここから明らかにされていくんだ!!とまたわくわくさせられるのです。
楽しい…。

今回はキムチとチャプチェとコムタンの香りがしてきそうでした。
キムチを入れるうどん、チャレンジしてみたくなりましたが
流石にキムチは漬けられないなw
市販のものでご勘弁を。

それはさておき、とにかく、続き続き!!w
2005年の発売日とのことですが
全くそういう感じがしませんでした!

6

ミステリーですね

このシリーズは、ボーイズラブとは一線を画した作品ですね。
メインストーリーは完全にサイコミステリーです。その動機として、男と男の愛や執着や憎しみなどを用いてます。
多くの登場人物がいて、視点があちらこちらに移り変わり、物語は重層的に進んでいきます。
榎田尤利さんは作風が広いですねー。
非常に面白いシリーズでした。


主役となるのは睡眠障害を持つ美貌の探偵、真音。結婚した過去があり、娘が一人います。
その探偵に執着するのが、同じ孤児院で育った槇。シリアルキラーです。真音を愛しすぎて完璧にイカレちゃってる頭のいい犯罪者です。

この一巻は、警察関係者や心理学者、真音の家族である娘と義理の弟など、たくさんいる登場人物の過去と現在を紹介しつつ、精神病院を脱走した槇がジワジワと真音に近づいている様子が描かれてます。

5

執着

読み終わってからずっとこれはBL?BLなのと自問自答中。
体質のせいで男と寝る真音はゲイというよりはバイか。娘いるし。
話のメインはラブというよりも執着かな。
事件とか心の闇の方がクローズアップされているので、普通のBL的なトキメキを期待して読むとちょっと肩すかしを食らうかも。

スタンスとしては腐読みできる推理モノとかサスペンスとかに近い感じかもしれない。

人の夢を「見る」ことが出来る探偵と、彼に執着する異常なまでに頭の切れる男。
まだまだ状況説明の一巻の割には、過去の疵云々が結構な量明かされているせいで、逆にこの後どっちに物語が転ぶのかが読めません。

4

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