電子限定描き下ろし付き
数作拝読の作家様。本作は以前より気になっていた作品。以下少々ネタバレあります。全189ページ。
高校時代の同級生が訳あって疎遠となり、10年後に再会して…というお話。
発売当時試し読みして、高校生の二人が抜き合いをするシーンがすごくエロティックで、ずっと気になっていました。
冒頭、高校の卒業式でまたすぐに遊ぼうと約束するまひろ(受)とカイト(攻)。カイトの笑顔が素敵なのに、この後音信不通になってしまう。しかもただの同級生ではなく、抜き合いしてキスまでしていた二人。いったい何があったのか⁉︎と気になる導入です。
10年が経ち、まひろはサラリーマンに。
偶然カイトと再会、また友人として一緒に過ごすようになります。
初めは受け視点で、なぜまひろがカイトと距離を取ったのか、序盤で理由は明かされます。
正直ストーリーは、想像の域を出ない内容ではあるんですが…。
例えば、高校時代のまひろが、カイトと友人の会話を立ち聞きして傷つくシーン。
また、高校卒業後のカイトがまひろの家に行くと、まひろはおらず音信不通となるシーン。
大人になっても、お互い言葉が足りなくて、傷つけあってしまうシーン。
…などなど、言葉足らずで不器用な二人の恋に、こちらもシンクロして胸が痛むシーンが多くて、切なくて何度も胸がズキンとなってしまう作品でした。
この二人、圧倒的に言葉が足りてないというか…。そもそも高校時代あんなことしてて、明らかに両想いなんだから、カイトがとっとと告白しちゃえばよかったのに!
なんて、あまりの焦ったさにそんな身も蓋もない気持ちを抱いてしまいますw
そんな焦ったくて切ない展開が続き、後半あることをきっかけに、とうとうカイトが気持ちを伝えるけど、なかなか信じられないまひろ。
かつて立ち聞きしたカイトの言葉が、呪いみたいにまひろの心を縛っていて、かわいそうだった…。゚(゚´ω`゚)゚。
10年越しでようやく気持ちが通じ合ってよかった…。
驚くような展開はなく、先の見えるストーリーかもしれませんが、両片想いの切なさに浸れる作品で、読後は満足感を得られました。
読んでよかったです。
シーモア 白抜き+白短冊修正(白抜きの上、白短冊が見える残念修正。描き下ろしに一箇所だけ、トーン+白短冊修正がありラッキーでしたw)
拗らせ両片想いって切なくてしんどいのに、
想いが通じ合ったときの感動が至高過ぎてやめられない…。
会社員のまひろはある日、高校時代の親友・カイトと
偶然の再会を果たします。
高校時代、いつも誰よりも近くにいた親友だけど、
こっそり抜き合いをする関係でもあったカイト。
けれど、カイトが自分との行為を性欲処理としか
捉えていないことを知ってしまい、卒業後は連絡を断つように。
そんなまひろの複雑な心境を知らずに再びカイトはまひろに
体の関係を迫ってきて…。
まひろ視点だと、思わせぶりで不誠実な男に見えていたカイトですが、
カイト視点だとがらりと印象が変わります。
実は高校時代からまひろに親友以上の想いを寄せていたカイト。
まひろがケガをしてサッカー部を辞めることになったときに
寄り添い励ましてくれていたのも体目当てではなくて、
まひろのことが好きだったから。
そんなまひろへの純粋な想いは再会後も変わりません。
それなのに、たまたま盗み聞きしてしまった不用意な発言から
まひろはカイトの気持ちを誤解して10年も拗らせてしまっていたのでした。
10年は長い…。
カイトも一方的に連絡を断たれてよく今に至るまで想い続けてきたな、と。
拗れに拗らせてきた二人なだけに両想いになった歓びは一入でした。
ラストは二人の後日談が垣間見れますが、
焦らされた分もう少しあまあまな二人が見たかった…!
【まひろ、もう逃げるなよ(カイト)】
エロス度★★★
おやおや。高校卒業と共に疎遠になってしまったふたりが再会し、恋が再熱するのが素晴らしい。
カイトとまひろが紡ぐ祝福の恋物語・・・・・・開幕。
カイトの執着やまひろの臆病な恋心がツボで、まひろと距離を詰めてくるカイトやお互いが自分のことをどう想っているのか分からずにモヤモヤヤキモキしているのがたまらなかった。
高校時代にカイトが放った言葉を勘違いしたままのまひろ、お互いに不器用で言葉が足りなくてすれ違いしまくりな大人同士の恋模様が刺さり、伝えられずに消えてしまった言葉をやっと告げられるのが胸熱。
帯の言葉だけを見ると爛れているっぽくも取れるけれど、まったくそんなことはないふたりの関係。
むしろピュア寄りで、その行為にはエロさよりも切なさを感じるほど。
なので、"カラダだけの関係"という部分より
"本気の恋なのに"のほうに注目してほしいなーと思うストーリーでした。
お互いに想いを言葉にできないままだった高校時代、ずっとそばにいて普通の友達ではしないようなこともしていたカイトとまひろ。
その頃から気持ちの面でずっとすれ違い続けてきた彼らが、10年経って偶然再会するところからはじまります。
再会したときのふたりの両極端な反応から
その恋心をどう捉えていたか?という温度差が伝わってきて、すでに切なくなってしまったのですが。
好きだけど真実を知るのが怖くて逃げたいまひろと、
好きだから真実を知りたいカイトの攻防は苦しいものではなく。
過去に感じた痛みに阻まれそうになってもしっかりと乗り越えてくれるので、長い時間をかけて両想いになったふたりを応援したいと思える展開でした。
真っ直ぐで不器用すぎたふたりなので、今度こそ一緒に居る幸せに浸ってほしいなと心から思えました。
高校時代の回想の差し込まれ方がとても自然で、
現在の気持ちとスムーズに対比できてすごく読みやすかったです。
シンプルなストーリーながら萌えどころたっぷり、大満足でした。