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首にかけた鎖は愛か憎悪か──。
ソフトSMの文字に釣られて購入しました。結果から言うとSMというよりかは陵辱でしたが、面白かったです…。
前半、『fragile』。受けの大河内視点のお話。
大河内の青池に対する発言行動のすべてが、苛めというにはあまりにも酷かったです。冒頭、一方的に大河内に襲いかかった青池に最初は「なんてやつだ!」と思っていたのですが、あれ程の仕打ちを受けていたのでは仕方がないですね…。
大河内は随分プライドが高く、人一倍尊厳を破壊されるのが嫌だったようですが、死を目の前にするとなりふり構わなくなるのがとても可愛かったです。(個人的にザー汁ご飯が刺さりました☺)
後半、『addict』。今度は青池の視点に移ります。大河内との出会いから語られ、徐々に青池自身のことも掘り下げられていきます。
いやぁ、後半は大河内がとにかくすごい……どうしても自由になりたくて見せつけチ○コマッサージしたりなんの脈絡もなく好きだと言ったり、尊厳があるんだかないんだかわからない行動が繰り返されて心が擽られました(*´艸`)やっぱり最高ですねプライドが高い受けってのは…!
途中からは二人のらぶらぶ(?)Hが見られるのですが、それまでの残虐さとのギャップがすごくてどぎまぎしました。こんなに幸せな場面が急に描かれるということは…と思いましたが、その通りでしたね(;´ω`)
青池は終始不気味な奴でした。
好きになって、認められず憎しみ酷いことをするけれど、結局愛してしまっているから風邪をこじらせると反省して優しくなる…。心の移り変わりや複雑さは本当にリアリティがありますが、青池は本物の狂人なので共感はできません。
大河内は強かだと感じました。
隙をついて逃げ出そうとする、愛しているふりをしてまで逃げ出そうとする心と精神の強さ。最終的な目標のためならなんだってする、野心の高さが彼の仕事スタイルにそのまま現れていましたね。(ずっと意志が強かった訳ではなかったですが)
血が流れたり尊厳破壊されたりするのを見るのが好きなので、とても刺さりました。犬みたいに扱われるのも終盤の青池の行動も、多少辛くはなりましたがきゃあきゃあ言いながら読めました。
はぁ…良かったです…ただ序盤にも申し上げたとおり、これはSMと言っていいのか…という疑問は残ります。SMに大事な信頼がないじゃないですかー!!
凄いものを読んでしまった…。初めてでした、こんな衝撃。怖いような、苦しいような気もするけど、読まずにはいられない、そんな感じでページを進めていきました。三分の二過ぎたあたりからは読み手の苦しさもなくなります。
二転三転あっての結末に大満足です。やっぱりこの2人は離れられないのね、この先もなんだかんだ一緒にいるんだろうなと思わせてくれます。
攻めも受けもぶっ飛んでます。人物に共感できるところは部分的で、よくこの2人を主人公にしてこんな話を作れたなと思います。(恋人シーンは甘くて最高なものですから。)
精液かけたドッグフード食わされてるのになんか受け優位だ…と衝撃を受けました。読み終わったあと頭に浮かんだのが「惚れた方が負け」という言葉でした。あんなことをしてしまうぐらい憎くて仕方ない相手なのに結局惚れてるから負けてしまった攻めが可愛く思えました(やってることは全然可愛くないですが…)
この受けは復讐される雑魚クズ上司かと思っていましたが意外と「つよい」なと思いました。強かな受けなので監禁されてからも展開が読めなくて面白かったです。
先生の作品は数作だけ拝読しています。本作と「箱の中」「美しいこと」が好きな作品。こちら久しぶりに再読したのでレビューします。
前半『FRAGILE』は受け視点、後半の『ADDICT』が攻め視点。
【FRAGILE】
大河内(受)が有能な部下の青池(攻)を毛嫌いしていじめ抜き、社内で襲いかかられ退職に追いやる。直後青池が大河内の自宅に押し入り、拳銃で脅され、裸にされて犬のような扱いをされる。
とにかくこの前半は、青池のあまりに酷い鬼畜な所業に、何度もゾッとさせられます。
特にドッグフードの下りは、かなりエグくて何度読んでもウエッとなります。
いくら「可愛さ余って憎さ百倍」とはいえここまでする?!てなります。ここはもう木原節というんでしょうか。
延々と甘さのない話が続くのですが、展開が面白いのでどんどん読んでしまいます。
また読めば読むほど大河内が性悪な酷い男で、青池はなんでこんな男を好きなのか?と思ってしまいます。
こんな酷い扱いしてるのに、大河内が体調を崩して緊急入院した時、眠ったふりの大河内の手にキスする青池…。拗らせるにも程がある(汗)
前半最後は、反撃を試みた大河内が失敗して、青池に手酷くやり返されて終わり。
雑誌掲載時はここまでだったとのことで、当時読まれていた方は「いったい何を読まされてるんだ?」という気持ちになったのでは、と思ってしまいました(^_^;)
【ADDICT】
攻め視点となり、青池が大河内をどのように好きになり、憎むようになったのか語られる。
好きになるシーンが甘酸っぱくて、今後の展開を思うと切ない…。
現在に戻り、青池自身、大河内への気持ちが愛情なのか憎しみなのか分からなくなり、もう終わらせるべきだとわかっているのに、自分でもどうにもできない強い執着がまた切ないです。
あるきっかけから、大河内との体の関係が始まる。ここからやっと関係性が変わってきます。
大河内を愛しく思う気持ちが大きくなってきて、大河内も青池と普通に会話するように。
全ページの7割くらい進んだところで、ようやく甘さが出てくる感じでしょうか。ここまで長かった〜!
濡れ場は、高慢な大河内がグズグズになり、青池が優しくなだめながら、思うさま征服していく描写が、大変エロチックです。敬語責めもエッチだな。
大河内と結ばれて、とうとう首輪を外して、恋人同士のような同棲生活が始まるのですが…。
終盤の展開は、ネタバレすると面白くないので割愛しますが、すごく面白くて好きです。
最後の数ページは受け視点に戻る。ここの大河内のツンデレ具合がたまりません♪
前半の『FRAGILE』はかなりキツい内容ですが、そこをのり超えて『ADDICT』を読むと、はあー、ほんと面白かったーーー!となると思います。
読了後には、ある種のカタルシスを得られる作品じゃないかなと思います。
再読も面白かったです♪