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雷帝陛下と激愛のつがい~神子の末裔は孤高の皇帝の荒ぶる愛に溺れる~

raitei heika to dekiai no tsugai ~miko no matsuei ha kokou no koutei no araburu ai ni oboreru~

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表題作雷帝陛下と激愛のつがい~神子の末裔は孤高の皇帝の荒ぶる愛に溺れる~

ゼイラン・エシュトヴァーン
18歳、エシュトヴァーン皇国皇帝、雷を操る力を持つ
アシェル・ファーリ
22歳、山暮らしの孤児、神子の末裔

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

アシェル、お前を愛している
孤独に生きる者同士の運命の恋

『皇宮の人間には決して見つかってはいけないよ』そう言い聞かされて育ったアシェルは、自身の碧の目を隠しながら一人で生きている。ある日、橋から落ちそうになっていたところを助けてくれた男――エシュトヴァーン皇帝・ゼイランにいきなり宿へと連れていかれ、「これから皇宮で暮らしてもらう」と告げられ!? 強大な雷の力のせいで誰にも触れられず、アシェルが初めての人間だと語る彼に「好きなだけ触れさせろ」と命じられて――。

作品情報

作品名
雷帝陛下と激愛のつがい~神子の末裔は孤高の皇帝の荒ぶる愛に溺れる~
著者
釘宮つかさ 
イラスト
渚アユム 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784576250342

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萌々

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中立

(0)

趣味じゃない

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レビュー数
2
得点
15
評価数
3
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数2

異能を持つ皇帝の孤独や苦悩は、あの有名作品に通じるものがある

この作品を読んだとき、ディズニー映画の「アナと雪の女王」のお話みたいだなと思いました。
パクリとかそんなんではなくてですね、異能持ちの為政者としての孤独や苦悩といった背景描写がすごく通じるものがあるなぁと思ってついつい読み入ってしまいました。
最後の最後までめちゃくちゃ面白かったー!ファンタジーの良いダシを存分に味わえて旨味だらけの素敵作品でした。
不遇の生い立ちとワケアリの境遇を持つ2人の運命力の強さが、絶妙なドラマチック展開を生み、またロマンチックに惹かれあっていくストーリーが素晴らしかったです( ´∀`)


雷帝と称されるゼイランは類稀なる雷の特異体質で、あまりにもそのパワーが強すぎて実の母の命を奪ってしまったという過去の持ち主。そのせいで誰の温もりも知らないまま、皆から恐れられるという人生をこれまで送ってきました。
氷の女王の方とは生い立ち的に異なるけど、自分の能力に対して苦しみながら生きてきた境遇は2人よく似ています。危害を加えてしまうほどの強大なエネルギーをその身に宿した両者の主人公像とその苦悩がリンクして見えました。

だからと言うわけじゃないですが、ゼイランの生きづらさや、周りと距離を置かなければならない孤独感の描写がすんなりと入ってきました。
二作品の共通項の多さは、物語へと導かれる関心に繋がりましたし、似てるなと思えば今度は逆に違う点が非常に気になってしまうもの。この作品独自のオリジナリティあるストーリー展開と、アシェルとのBLへと進む流れは唯一無二でした。
ゼイランの雷の刺激を受けないアシェルとの出会いは、偶然かそれとも必然か…といった感じ。もちろん奇跡の出会いなのは間違いないのですが、彼らの重苦しい過去の背景を顧みれば、色々と越えなきゃいけないハードルが多々あり、すんなりと上手くいかない状況が過酷すぎました。
2人は何も悪いことしてないのに、出自や血筋に翻弄されていく八方塞がりな状態が非常に苦々しい。。。

国家謀反を企てた身内悪役との対峙シーンなんかも含め、ストーリーの盛り上がり方が完璧で、ページをめくる手が止まりませんでした。
事件・シリアス展開ももちろん面白いですが、やはりBL展開が1番の気になりどころでしよう。
好きにならないと思っていたアシェルのことを日に日に好きになっていくゼイランの分かりやすい嫉妬や甘えや溺愛といったら、カ…カ…カーーーッ(〃∀〃)
ゼイランの剥き出し感情が最高すぎました。

最後の1ページ…史実っぽい語り方のアクセントも良かったです。
彼らが誠実に生きた過去を客観視できる歴史の重みに、読後の心地よさと満足感をしっかりと感じとることができました^ ^

4

雷を操る孤独な陛下の、溺愛ならぬ”激愛”に萌え悶え。

釘宮つかさ先生×「愛日と花嫁」の渚アユム先生とのタッグ!!
Xで書影を拝見した時から、胸高鳴らせて発売を待っていました。

まず、表紙が最っっ高に良い…!
褐色・金髪長髪攻めがぎゅっと受けを抱き締め、
睨むように横目でこちらを見ているー

そんな表紙イラストのイメージと違わぬ、
最高の執着&溺愛年下攻め様でした(*´∀`*)

孤独な攻めが受けと出会ったことで救われ、これでもか!!と愛を注ぐ
溺愛ならぬ”激愛”ファンタジー。

”雷を操る”という強大すぎる力を持つため
誰にも触れることができず、生まれた時からずっと孤独だった攻め・皇帝ゼイラン。
そんな彼が唯一触れることができる青年・アシェル(受け)と偶然出会い、
そのままやや強引に皇宮へと連れ帰ってしまうー

と始まる物語です。

触れられると大火傷をさせてしまうため、常に分厚い革手袋で
手を覆っているゼイラン。
そんな彼ですが、たまたま橋から落ちそうになったアシェルを助けるため
咄嗟に手を伸ばし、助けてしまいます。

大怪我を負わせてしまったに違いない、と確信したのに、
自分が触れても傷一つつかないアシェルを見て驚愕し、
感激と喜びに震えるー

両視点で描かれる物語の、序盤のこのシーンから
グッと心を掴まれました。

で、さらにグッときたのが、傲慢・俺様攻めなのか?と思ったゼイランが、
困り果て怯えるアシェルを見、その言葉を聞いて
我が身・行動を振り返り、反省して許しを乞う場面!!!

誰もが傅く存在である皇帝が、人生で初めて心から「すまない」と口に出す。
それぐらい、出会ったその時からアシェルに心奪われ、ときめき、
大切にしたい…という気持ちに突き動かされているんですよね。
やーーーーーこんなの、萌えしかないーーーーー!!

そして皇宮へアシェルを連れ帰り、一つ屋根の下での暮らしが始まってからは
さらに溺愛・執着っぷりが加速していきます。

信頼する部下のカインとアシェルが楽しそうに笑いながら話していると、
分かりやすく嫉妬。
その嫉妬する様子が可愛くて(畏れ多いけれど!)、キュンと萌えて
しかたない…!

「(カインとは目を合わせて楽しそうに話していたのに)どうしていつも
目を逸らす?」

「俺はお前ばかり見ていたのに、なぜお前は他の奴ばかり見るんだ」
「…俺だって、お前のことを気にかけている。カインよりも、ずっと」

こんな↑セリフに、「きゃーーーー!」と、
床をゴロゴロ転がりたくなりながら悶絶。

そんな溺愛激愛皇帝が、アシェルへの望みとしてただ一つ、
「触れさせろ」と命じてくる。(命令だけど、懇願の匂いがするのも良き...)
切ない願いに、萌え転がってしまう。。

ゼイランの腕の中にアシェルがすっぽりおさまる、という
二人の体格差描写にも激しく萌えました(イラストではそこまで、
体格差があるようには見えないかな…?)。


そして物語の肝となるのが、神子の末裔であるアシェルの出自の秘密。
アシェル自身も知らないことだったのですが、
彼の持つ碧い目はその昔、皇帝一族(ゼイランの祖父)に毒を盛り、
死に追いやった裏切り神子の一族である証なのですね。

20年前に起きたこの事件のせいで、
碧い目を持つ一族は”裏切り者”として粛清されていたー

物語中盤以降、アシェルの出自についてさらなる事実が明かされ、
因縁の関係であり、”許されざる恋”であることが二人を苦しめます。
(でも、そこまで長引かない!そして、ゼイランのアシェルへの愛は揺るがない!)

やむなくアシェルを遠い場所へ避難させようとするゼイランの
アシェルへの愛と執着をにじませるセリフ、ここもグッとくるポイントでした。

二人の切ない恋路に、ゼイランを陥れようと画策する勢力による企み…
ドキドキハラハラ、このロミジュリ的恋はどうなるのーー!と
思いながら読み進めました。

終盤に明らかになる”先々代の皇帝毒殺”事件の真相にどきり、
そして体を張ってゼイランを正気に戻したアシェルの頑張りに
力一杯拍手を送りたくなりました。
(アシェルの目がーー…!読んでいるだけで、痛かった。。)

そんな二人の、全ての人々から祝福される結婚式と、
初夜の描写には喜びもひとしお。。✨

アシェルをひょいっと抱っこして寝台に連れて行っちゃうゼイラン、
何かを察して(おやつにつられて?)ちゃんと大人しく姿を消す
猫9匹とわんこ1匹(大所帯!)にほっこりほのぼの、頬が緩みました(*´艸`)

ちなみにこのワンコ、大型犬のパウは途中
アシェルのために必死に頑張ってくれます。
犬好きの自分には、パウの大活躍が嬉しかったです(U・ᴥ・)♡

それぞれ孤独に生きてきたゼイランとアシェル。

そんな二人が”運命のつがい”とも言える相手に出会い、
心救われるまでの物語、
雷を操る年下皇帝のカッコ良さ、陛下の”激愛”に「くーーーっ」と萌えた
一冊でした✨

5

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