標準語×関西弁カップル登場!!

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表題作どっちにしても俺のもの

本間保英
関東人大学一年生
瀬良俊克
関西人大学一年生

あらすじ

心機一転、関東から関西の大学に入学したものの、言葉やノリの違いに馴染めずにいた保英。そんな保英に率先して絡んでくるのが、顔もいい家柄もいい、おまけにしゃべりも面白い、自他ともに認めるモテ男の瀬良だ。きつい関西弁で容赦なくツッこんでくるくせに、自分に向かって「好き」を連発する瀬良に振り回される毎日を過ごすうち、保英は瀬良の妙な色気に当てられ始め……!?

作品情報

作品名
どっちにしても俺のもの
著者
久我有加 
イラスト
夏目イサク 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403521874
3.3

(22)

(2)

萌々

(7)

(10)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
70
評価数
22
平均
3.3 / 5
神率
9.1%

レビュー投稿数4

どっちにしても…

 諸々の事情があり、関東から関西の大学に入学してきた本間保英。
 大学を選んだ時には、ただ関東から遠いところに行きたい一心だったけれど、入学してみたら、言葉とノリの違いに大いに戸惑い、うまくなじめずにいた。
 そんな保英の側にいたのが、顔もいい、家柄もいい、おまけに喋りも上手な自他共に認める「モテる男」・瀬良。
 面倒見よく合コンを開いてくれたり、保英をいろんな人間に紹介してくれたり、と甲斐甲斐しく面倒を見てくれるものの、どういう訳だか保英には「好き」を連発してくる。
 これも関東と関西のノリの違いなのか、それとも何か他の意味があるのか、わけがわからないまま振り回されるうちに、次第に保英は瀬良のことがかわいく見えてきて……

 という話でした。
 この話の魅力はなんと言っても、タイトルがかわいい。
「どっちにしても俺のもの」って響きがいいですよね。
 ちょっとした傲慢さと思い切りデレてる感じのちょうどいいバランスのところで止まっているので、とってもいいと思います。
 それから、他にも小タイトル? みたいなものがついているんですが、それもまたかわいらしいんです。
「どっちにしても君のもの」
「どっちにしても同じこと」
 なんだか知らないけど、とてもキュンキュンくるタイトルです。
 内容もタイトルに反しないようになっていて、結局のところ、お互いがお互いにメロメロで。
 最初は、保英が瀬良に振り回されて、ベッドでも入れられるのは瀬良なのに、なぜだか主導権も瀬良が握っている……という様子だったんですが、それも実は、瀬良の過去の恋愛経験から学んだ結果だ、ということを保英が気付いてから、形勢逆転して、駄々をこねる瀬良を保英が「はいはい」といなしている図……。
 かわいい。瀬良かわいい。
 手綱を握っているようで、握られている小動物ってとっても素敵ですよね。
 ソフトなキュンキュンくるラブラブ話が読みたい人にはオススメします。

0

ヨネダって、いかにも関西人!

関西人と関東人のカルチャーギャップが楽しい。
関西ノリって、関東人にしてみると最初はホント、拒絶感。
でも、馴染むと、泥沼のように、、、、
保英も、瀬良にかまわれるうちに、いつしか周囲に馴染んで、
そして、瀬良を意識するようになるのですが、、、

瀬良がかわいい
ただ、自分の欲望に忠実に振る舞っているようで、実は、、、
って言うあたりも、切なくって可愛い。

保英は、そんな瀬良に、関東人らしい真面目さで、揺るぎなく愛し続ける。
最終編「どっちにしても同じこと」
瀬良は、もう、観念するように!!


0

誘い受けの意外な心のうち

関西にやってきて戸惑いまくる関東ではそれなりにモテ男だった保英と、金持ち、カッコイイ、話術が巧みでモテモテ男・瀬良の、付き合うまでが表題作です。
関東の人が関西でもてないと言うの、なんか妙にリアルで分かるなぁと思いました。
全員が面白い訳じゃないんだけど、やっぱ関西ってDNAレベルで何か違うと、保英と同じく他県から関西へ越してきて思ったので、そういう意味ではかなり共感を覚えました。

瀬良はいわゆる「小悪魔系誘い受け」タイプで、表題作だけならそれで終わってたんですけど、その裏には実は結構複雑な心情が働いていたというのがかなり萌えでしたね。
その頃になると、ただただ乗っかられてコトをなしてた保英も、心ごと受け止めたいと思いはじめ、元々の真面目な性格から、ずっと10年も瀬良を愛し続けてた話も読めて、一冊で「ああよかった」と思える展開になってたのが良かったです。
考えてみると、ほぼ全編恋愛だけで構成されていて、たまにはこういう恋愛だけを真面目に書いた話もいいなと思いました。

ところで、この挿絵、夏目イサクさんだったんですけど、個人的な感想として、夏目さんも小説食いな挿絵家さんだなと思いました。
時たま、小説の作者の味より、挿絵のイメージの方が膨らみすぎて、読み終わると文字を読んだはずなのに、挿絵を描いた人のマンガを読んだ気分になる挿絵があるんですよね。
今回まさにそれで、ラストに軽くマンガが入ってたせいで、余計に夏目さんのマンガ読んだ気分になりました。

4

大学の1年生同士です。
三編に別れていて「どっちにしても俺のもの」は、千葉から関西の大学に進学した攻が、その言葉やノリの違いについていけず戸惑うところへ、攻に一目惚れした受に振り回され最初はウンザリしているうちに、やがて惹かれていき恋人同士になるまで。
「どっちにしても君のもの」では、甘い恋人生活を満喫していたところへ、受の昔の恋人が現れたり、攻が関東から関西へやってきた理由を隠したため、二人の間に微妙な空気が流れてしまいます。
「どっちにしても同じこと」は、二人の10年後。

受は、BL的に言うと「小悪魔風襲い受」だと思います。
一目惚れした男にまといついて、押しの強さと美貌でまんまと狙った男を落としてしまう。
初めてのHでも誘い襲って乗っかってしまうし、チカラ関係は始終受が上に立っています。
恋人同士になってからもリードしているのは受の方で、しかもHも全然上にならせてもらえない攻。
もちろんその気はあるのですが、テクが受の方が上なため、いつも途中でひっくり返されてしまうんですね。
とことん振り回されて尻に敷かれ、あわれなヘタレ攻・・・という感じですが、面白いのはそれで終わってないというところです。

いつも主導権を握りたがる受の心の中には消えない不安があり、単に強い受というわけではないのです。
彼はそのままでも魅力的な受だと思うけど、内包された「弱さ」が更に彼を一途で可愛らしい男にしていると思います。

そして書き下ろしの10年後では、二人のパワーバランスは逆転しています。これは結構感動でした。
10年経つ間にも二人の間には山あり谷ありだったようですが、関係を続けていく中で、攻は包容力ある男としてどんどん成長していったんでしょうね。10年経ったら余裕まで感じられます。
誠実でいい男に育ちましたねぇ。
その反対に、受はどんどん初々しくなったというのがまたいいですね。
乗っかるんじゃなくて、乗っかられるようになって新に出てきた色気ってのがまた・・・奥が深い(笑)

面白かったですし、オマケに夏目さんの漫画がついていて得した気分で嬉しかったです。

3

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