10/18発売amazonの電子書籍版です
珍しく(個人的見解)切ない展開ほぼなしの勘違いすら愛おしいくらいひたすら甘々でニヤニヤの止まらない1冊でした。
一度死にそうになったから後悔しないようにと勢いづいたものの結局ビビりな愛斗さんが興奮すると勢いに任せて素直な気持ちを吐き出しがちなところがとても可愛くてツボでした。
本編はもちろんその後のお話にあたる「恋はときどきオセロゲーム」はとーにかく甘くてはちゃめちゃバカップルな2人が読んでて微笑ましく幸せになりました。
事あるごとに好きなところノートに記したいくらいここが好き!って相手の良いところを見つけられる2人、めちゃくちゃいい特技だなぁと思いますし、その語彙力が欲しくなります。
付き合い始めてからはとにかく思ってることや好きなところをちゃんと伝える2人だからこその甘々幸せなのだと実感させられました。幸せ満タン!!
先生買い。キャラがそんなに好みのタイプではなかったのとお話もさらっと読み終えてしまったので中立にしました。現代もの大好きな方だったら、もっと違う評価になると思います。本編130Pほど+その続き80Pほど+あとがき。
男子たるもの・・とでもいいそうな厳格な父親のいる家庭で育った愛斗。ゲイだというのもあり逃げるように東京にでて就職、会社と家の往復だけという生活に最近彩を添えるようになったのは、ご近所の喫茶店で過ごす時間で・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
攻め伯父(喫茶店マスター)、受け両親、喫茶店のバイト(♀)、中学時代の同級生等。
受け親父が駄目っす。
++攻め受けについて
攻めはしゅっとカッコいい大学生。伯父さんの喫茶店でバイトしています。明るく人から好かれるタイプで、ゴールデンレトリバー系な印象。イラストの先生が「日本犬」といううコメントしていたそうで、確かに柴犬かも。要領よく気配りできて、悪いところは見当たらなかったかな。
受けは中学時代に父親に全否定されていたからか、ゲイの自分に対する評価はとても低いのかな。地味に働いて一人で一生を終えると思っている感じでした。
そんな二人が、受けが交通事故にあったことから急接近して・・というお話。攻め受けとも共感するところが少なく、お話もさらっと読み終えてしまった一冊でした。受け父がほんとに腹立たしく、でも多分ほんとにこういうタイプの方、まだいるんだろうなあ。
新刊だー!とわくわくしながら読み始めたのですが、年下攻めも月村先生作品も好きなはずなのだけれど、ハマれずでした。
なんというのかな…
やや斜め上な始まりと展開ではあるものの、綺麗に誤解と思い込みをしたまま繰り広げられる大智と愛斗の擬似逢瀬はどこをとっても糖度の高いものです。
道の駅デートのほのぼのとした雰囲気も、好きな人の好きなところを書き込むノートも、きっともっとかわいらしさや萌えを感じる素敵なポイントなのだろうなと思う。
しかし、思うと書いている時点で残念ながらあまり萌えられなかったということになります。
といいますのも、なんだか萌えを感じる以前に、作中で描かれていた主人公たちの恋愛以外の部分に対してなんだか強くストレスを感じてしまったんですね。
家庭環境に難あり+過去にトラウマありな受けの人物像は月村作品では珍しくはないかなと。
そうくるならば、やはり過去の苦しさをポンと軽く飛び越えるくらい幸せになってほしいじゃないですか。
先述の通り、2人の関係は勘違いをした両片思いの状態であってもすごく甘いのです。
そこを純粋に楽しめていたのなら評価が変わっていたと思います。
ただ、合間合間でそこにTHE・古いタイプの無神経を絵に描いたような愛斗の父親の存在が水をさしてきます。
この父親が物語をおいしくさせるピリッとしたスパイスではなく、ストレスを感じさせるだけの強烈な雑音に思えてしまったことが非常に残念でした。
性別も年齢も関係なく幅広く人を傷つけてしまいそうな不適切な発言が多く、本来ならばスカッとするはずの愛斗の母親の対応を見ても気分は晴れないまま残りのページが減っていく…
特に後半の発言は女性読者が多いBLに必要だったのだろうかと疑問です。
大智が生い立ちとのギャップ大の圧倒的太陽感を愛斗に見せるたびに、2人の恋愛面の糖度の高さと父親関連のちくちくとしたストレスの間にある温度差の激しさが目立ち、少々読んでいて心地良くはなかったです。
そのせいか、ラブソングでいうのなら1番盛り上がるサビになっても素直にドカンとは萌えられず。
父親関連をもう少しマイルドにするだけで読みやすくなりそうなのだけれど…
うーん、私は愛斗にもっとシンプルに大きな幸せを掴んでほしかったのかもしれませんし、甘くむずがゆい恋のお話をシンプルに楽しみたかったのかもしれません。
大智のややファンタジックにも感じられる年下攻め像にもところどころで違和感を覚えていたこともあり、これ!というツボにハマるものがなく、今回はこちらの評価になりました。
好きな人の車の空気をくんくんにはちょっと引いてしまったし、今思えば序盤から好みのタイプの年下攻めとは異なっていたのかな。これは好みの問題ですね。
残暑疲れの身体にはちょっと過剰な糖分でしたw
あっま〜〜〜〜ぁいラブコメ。
描き下ろしなのかな?と思いきや、去年のD+に掲載してたときはコウキ先生がイラストだったんですね、どーりで須坂先生のイラストが新鮮な印象なわけだ〜。掲載誌と見比べて、どちらのイラストも作品の雰囲気にあってて素敵なんだけど、イラストでこんなに印象変わるんだ!つか、そういうこと(掲載時とイラストが変わる)ってあるんだな〜と軽く驚きつつ…
受けの斜め上発想が招く両片思いという月村先生の定番アイテム。
しっかりものの大学生とおっとりほのぼの社会人、わんこ攻め。わんこはわんこでも日本犬らしいです。そして人間5回目くらいの出来過ぎ彼氏。あまりにも出来すぎてる反動で、他の作家様だったらこのあと激重束縛執着攻めに変身してもおかしくないな…って思ってしまいました。が、こちらはそういう不安要素なし!(穿って見たらこの攻めさんって結構ヤバいんじゃないかとも思えなくもなくもない…)冒頭から主人公が事故に巻き込まれるっていうハプニングがあっても、転生しないできちんと現世で物語が進むのも嬉しい日常BLです!
ふたりで斜め上を見ながら疑似恋愛として進んじゃうっていうトンチキさが読者の性癖にどのくらい刺さるかがポイントなのかもしれないのですが、個人的には行きつけの喫茶店(美味しい珈琲と軽食♪)とか道の駅の足湯とかのエピソードから、あ〜こういうサードプレイスあったらいいな〜とか、道の駅で爆買いしたいな〜とか実現しそうでできてないささやかな日々の幸福への妄想を広げる情景描写を楽しめる作品だと思いました!