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表題作10年分の答えあわせ

原田 圭悟
会社員
木宮 なお
ホームセンター勤務

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あらすじ

周りからの評価が怖くて、
人と喋るのが苦手ななお。
今までは親友の圭悟が気持ちを察して、
口下手な自分の代わりに
何でも先回りして答えてくれた。
けれど、あとひと月で
圭悟は就職を機に地元を出てしまう。
「なおの考えてることは全部わかるよ」と
圭悟は笑うけれど、俺が言葉にしない限り、
きっとこの恋心には気づかない――
親友の優しさに甘え、
勇気が出ないまま別れの日が迫っていく。
二人で出かけ、飲食店の店員との会話も
圭悟に甘えていたある日、
「最後くらいはなおから話してくれると
思ったんだけど」と言われて…!?

作品情報

作品名
10年分の答えあわせ
著者
くらのね吉 
媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784199610431
3.7

(37)

(7)

萌々

(16)

(12)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
11
得点
136
評価数
37
平均
3.7 / 5
神率
18.9%

レビュー投稿数11

1話に惹かれて

初めて拝読する先生です。絵もとてもきれいで読みやすかったです!!
1話のストーリーがとにかく素敵で、その後も「こういう同性カップルいそう…」と、とってもリアルに感じられるところが可愛くて、ずっと見守っていたいなぁと思えるカップルでした。

1話は、他人の評価が怖くて人と喋るのが苦手ななおと、気持ちを察して代弁してくれた親友の圭悟(けいご)が付き合うまでのお話。(話すのが苦手という所が良く生かされたドラマチックな展開でキュンが止まりませんでした!)

そして2話以降は遠距離恋愛する付き合った後のお話になっています。元々親友だった二人で、相変わらずなおの思っている事は察せる(えっちしたい…なども!キャー!)圭悟。ですが、就職して新しい人間関係ができでどんどん変わっていくなおに寂しさを覚えて!?

なおの職場の陽キャな先輩が登場して最初は当て馬か!?と警戒しましたが、とてもいい人でした笑
自分のセクシャリティを他人に話のってとても勇気がいることだと思います。登場人物全員が少しの勇気を出して話ができる子達で、そうやって話し合えるのも今までの信頼関係があったからだと思います。

本編では描写の少なかったえちシーンですが、描き下ろしではちゃんと気持ちよくなれているなおの姿が見れてこちらも大満足でした♡
今回電子版を購入しましたが、その後の二人もたっぷり見れて良かったです!特別なイベントなどなくてもずっと一緒に楽しく仲良く過ごせる二人が可愛らしかったです。

0

【・・・なおってさ、昔っから俺に察してもらうの癖になってるよな(圭悟)】


エロス度★★

おやおや。口下手ななおがようやく伝えられる想いがかわいいですね。

黒髪の親友同士・甘えさせ上手な圭悟と口下手で人見知りのなおの組み合わせがエモさMAXで、10年分の片想いが実を結んで恋人同士になってからの展開にニマニマが止まりません。

特に、苦手意識を持っていた加藤と仲良くなったことでなおが変わるきっかけとなった反面、圭悟と喧嘩になりすれ違ってしまうことになるのがたまりません。

なんて謝っていいのかわからなくなっていた圭悟やずっと圭悟に甘えていたなお・・・未熟な2人の距離がさらに縮まるのが尊い。

0

普通の日常の世界線にいそうな2人の等身大の恋愛に浸ってみませんか?

なかなか告白してこない親友に焦れたりとか、ちょっと意地を言って最後に困らせちゃうとことか、ほんの些細な親友同士のやりとりなんだけど、普通の日常の世界線にいそうな2人の空気感がめちゃくちゃ好き。

好きな親友から意地悪を言われて涙をホロッとさせるシーンなんかね、結構感情移入しちゃったくらいです。いや、あんな風に冷たく言われたらそりゃ泣くって。
しかも、好きというのもバレていて思考回路が定まっていない中で、畳み掛けるように突き放すように言われちゃったら尚更です。
圭悟も圭悟で、なおの口から何がなんでも言わそう言わそうとする腹黒さ。絶対ドS確定(笑)
ずっとなおの告白を待ってたんだろうな……自分も好きだよって言いたいけど、好きになったのはなおが先なんだから絶対あっちから告白させたいって思ってて、今の間際にまで何も言ってこなくて、それで焦れて怒った、と。そんな筋書きでしょうか。
背景は詳しくは分からないけど、こういう変な意地を張る圭悟の気持ちも分からなくないかな。めっちゃドキドキしました。

この部分の1話は、読み切りだったとのこと。
そのあとの2話からは付き合ってからのお話になっていて、遠距離恋愛で愛を深める圭悟となおの姿や、不安感からケンカしてすれ違う2人の姿だったりが描かれています。遠距離恋愛の良いところ、悪いところ、周りにカミングアウトするか、しないか……色んな角度から2人の恋愛を見届けていくことにハラハラとドキドキでした。
ストーリー的には特別大きな出来事というよりは、遠距離恋愛カップルなら起こりえそうな内容で、ありがちな恋人同士のやりとりなんだけど、日常の現実に即しているせいか身近に感じるリアルさにグッと引き込まれます。

元々親友同士で、そのポジションだったら圭悟もうまくケンカの処理ができたんだろうけど、恋愛となるとそう簡単にはいかないナイーブな問題を孕んでいますし、その辺りの難しさが露呈していてつい読み入ってしまいました。
圭悟がまさかの涙……こちらまでもらい泣きです。
1話ではなおが泣いていて、最終話では圭悟が泣いていて、男の人は滅多に流さない涙のシーンだからこそ(元フィギュアスケート選手の織田信成みたいな人もいるにはいるけど…)、好きな人のために流す涙にはとてもアツいものを感じました。

親友歴十数年の彼らも、恋人歴は数ヶ月のまだまだ初心者みたいなもん。これから先また色々とすれ違うこともあるだろうけど、きっと大丈夫だと思える2人です^ ^
加藤くんも素敵な良いキャラでした。
もし彼のストーリーがスピンオフで出るならぜひ読みたいです!

3

穏やかで、ふたりらしい恋

手を添えられた頬に身体をあずけて涙ぐむなお、
それをあたたかな眼差しで見守る圭吾。
それぞれの表情と彼らの関係性がよく表れている表紙がすごく素敵…!
長い間『友達』として付かず離れずの距離で付き合ってきたふたりの
緩やかな両片想いからの発展がすごく心地よいストーリーでした。

人見知りで何かと圭吾に頼りっきりだったなお。
甘えているだけのようにも見えるけど
でも圭吾のほうもなおにアレコレすることで
自分自身を満たしている感じなんですよね。
いざ環境が変わるぞ、という時にあえてなおを突き放すような圭吾の策士っぷりが功を奏して
ふたりの関係が変わってくれて本当に嬉しかったです。

恋人同士になってすぐぷち遠距離が始まりますが
その日々にものんびりした空気感が漂っていて、
大きな波のない穏やかさにほっこり。
ほんのりすれ違いはあるけれどハラハラするより
そのおかげでステップアップしていく彼らを
見ることができる喜びが勝る感じでした。

変化するのも成長を受け入れるのも
簡単ではないときだってあるけれど。
心を明かし合いながらふたりそろって
この先の未来を歩いていくのが見えるような。
苦しくなるところのない展開にすごく癒されました。

そして。すごく良いキャラだった加藤くんの恋路が気になる…。
スピンオフ、期待してます!

0

答えは?

くらのね吉先生は、飾らない人物像と穏やかに流れる日常にあるような派手じゃないけれど良質な物語を描かれている先生だと思っています。
「甘えさせ上手×口下手の人見知り、親友同士のセンシティブラブ」というキャッチコピーを見て、今作もきっと間違いないだろうと思い、すぐに購入しました。

物語は人と喋るのが苦手ななおと、なおの気持ちをいつも察してくれる親友の圭悟が引っ越し前にお店でご飯を食べるところからはじまります。
なおの過去やふたりの関係性がわかりやすく伝わります。「10年分の答え合わせ」とはなんだろうと思いながら読み進めていくと、どうやら圭悟がなおが圭悟を好きな気持ちに気づいているとわかります。なんとかなおに「好き」だと言ってもらおうとするのですが、いつも圭悟に甘えていたなおにはちょっと難しくて。いろいろといっぱいいっぱいになってしまったであろうなおが泣いてしまうのですが、それを見て焦る圭悟の様子とふたりの会話がすごくよかったです。ふたりの間に会った10年が語られているんだろうと感じられました。
もともと1話読み切りだったのが後で連載になったようで、この1話の中にとてもよくまとまっているなと思いました。

2話は1話から3か月後、ずいぶんとふたりが恋人らしくなっています。キスやエッチもあります。なおは社会人になり一人暮らしをして、慣れない接客業と苦手な同僚の加藤におどおどしながらも仕事をがんばっています。電車で2時間の長距離恋愛のふたりは、穏やかにいい関係になっているようでした。
そんな中、ちょっとした事件が起こります。なおが同僚の加藤と仲良くなったり、加藤に圭悟とのツーショットを見られたりします。なおに自分以外の友だちができたことは嬉しいものの、変わっていくなおに対して寂しい気持ちになる圭悟。そうですよね、やっぱりちょっと嫉妬しちゃいますよね。側にいられないのは。自分以外の誰かに懐いちゃうのは。そんな気持ちが態度に出てしまって、圭悟となおは喧嘩になってしまいます。
ここで問題なのはやっぱり長距離だということ。謝りたくても顔を見たくてもなかなかできないし、時間が経つほど謝りにくくなります。
しかも加藤もゲイだったんですよね。ここで当て馬になっちゃう?と心配もしましたが、なおの友だち以上にはなりません。
もちろん最後は仲直りしますが、今度は圭悟が泣きます。まだふたりは大学卒業したばかりだから、22歳とかなんですよね。若いからこその苦しさだったり葛藤だったり、そして嫉妬や悩みだったりして気持ちが溢れて泣いちゃうのっていいなと、感じました。等身大の人物像が無理なく描くのがくらのね吉先生らしいですよね。

結局「10年分の答え合わせ」の答えは明確には示されませんでした。(わたしが理解できなかっただけかもしれません)
10年分も中、高、大の付き合うまでの10年の答えが、付き合ってからの日々ってことなのかな?と勝手に解釈しましたが、どうなのでしょうか?
まあ、それはわからなくてもこの作品は楽しめますし、いい作品をまた読ませてもらえたなと感じられました。

0

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