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表題作籠中のパライソ

レナート・バルリオス
カルテル一家の三男
アベル
スラム育ちの孤児

その他の収録作品

  • カバー下漫画

あらすじ

『全てを許せなくなる前に お前に出会えてよかった――』

妹を守る為、幼くして否応なく麻薬組織CDBに身を投じることになったアベルは
時に体を使い人を傷つけ欺き、仇であるリコの女にもなって
ようやく組織のトップであるリコ・バルリオスの右腕にまで上り詰めた。

虎視眈々とリコへの謀反を企てていたアベルだが、
ある日突然リコが逮捕され、見計らったかのように
“リコの弟”を名乗る謎の男・レナートが現れる。

バルリオスの血を引き、濃い繋がりを持つレナートを警戒するも
彼の興味はアベルに向けられているようで…?

作品情報

作品名
籠中のパライソ
著者
踊十利 
媒体
漫画(コミック)
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
G-Lish Comics
発売日
電子発売日
ISBN
9784866697987
3.3

(18)

(5)

萌々

(3)

(5)

中立

(4)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
56
評価数
18
平均
3.3 / 5
神率
27.8%

レビュー投稿数8

【良かった。全部を許せなくなる前にお前に会えて(レナート)】


エロス度★★★★

おやおや。
籠の中に閉じ込められた鳥が解放される恋・・・かわいいですね。

暴力・理不尽・絶望・諦観・喪失。
麻薬組織の中で紡がれるレナートとアベルの恋。

何を考えてるのか分からない飄々とした仮面の裏に隠されたレナートの目的。

強気でツンケンしていたアベル・・・その胸の内に秘められたリコへの憎しみや他の生き方を知らない孤独。

失うものが多い状況下でアベルを救い出したいレナートの想いやレナートの言葉が組織に囚われたアベルの心を動かしていくのがたまりません。

レナートを誘惑するアベルは本当に叡智でした。

2

ハードにしてドラマチック

面白かったです。メキシコの裏社会モノでとてもドラマチックでした。
主人公のアベルは子供の頃に麻薬組織のボスであるリコに拾われ、育てられ、長じた今は組織のNo.2的な立ち位置にある。あるときリコが取引現場を押さえられて逮捕され、組織がガタついているときにリコの弟を名乗る男が現れる、というところから始まる物語。
BL的要素としてはアベルはリコの情婦でもあったことと、リコの弟レナートがアベルにちょっかいをかけることくらいで、恋愛面はあまり掘り下げて語られません。裏社会だしボスがいなくなって組織は揺れているしでとにかく血なまぐさく、アベルは常にぴりぴりと神経を尖らせているので、誰かのことを好きだとかそういうことは二の次のように思えます。でもそんな嵐のような日々において、配下のハイメとのエピソードや、妹を守る様など、アベルの心の柔らかい部分が描かれ、レナートに対する感情も出会った時の強い警戒心からだんだん変化していく様子がとても丁寧です。
幼い頃、妹を守るためにリコの言いなりで身体を開かされたりおそらく人を殺したりなんでもしてきたアベルにとって、生きる日々の根底に諦めがあって、色々な感情がわいたところで押さえ込むしかなく、そこにレナートが風穴を開けたんですね。人の生まれ育った環境が精神に及ぼす影響は大きいと思うので、このお話の後もまた新たな問題に直面するでしょうし、少なくとも逃亡している状況なので不穏ではありますが、この先はちがった道を歩けるよう祈るばかりです。
電書の書き下ろしは5pもあり、その後の二人と妹サリタちゃんの様子を少しだけ知ることが出来ます。
作画については、作品のカラーに合っているものの、キャラの判別が難しくて、何度か前に戻りました。ハイメのうっすら笑う、二心有るようにも見える表情がとても良かったです。
ところで、試し読みをして面白そうと思って購入したのですが、試し読みした箇所は第2話だったことを後から知りました。これまで試し読みは冒頭のことが多かったので珍しいかもしれないです。

3

良かった。

裏社会ものはあまり興味がないのだけど、それでもとても良かったです。好きな方だったらハマるのではないか?

幼少期に実の親に売られそうになった妹の代わりに、組織のボスに連れ帰られた主人公。
大人になってからはボスの片腕であり愛人。
この関係で、いい感じにしていくのかなって思ったら、そうじゃなかった。

突然ボスが警察に捕まって、組織が揺れます。主人公がボスがいない間は仕切って行くのか、このままボスの座を取ってしまうのか揺れる中、
ボスの弟の登場によって、更に組織内が揺すぶられていうのだけど

「こういう組織内部のあれこれが!!」ってBLを、最近読んで疲れたばかりだった・・・。とおもったけど、こちらはあまりそういうごちゃごちゃ感がなくて、見せ方が上手いのか、内部が揺れてて、それ故に起こる悲劇的なものをバンと見せてくれるのが見やすかったです。

ボスの弟も、飄々としていたり、壮大な計画を持っているのだけど、そのきっかけだったり、いざピンチが訪れた時に及び腰になってしまったりと、共感できるところもあって、から入れしながら読みました。230ページ越え作品でしたが、書き込みが良い意味でスッキリしてて読みやすかったし、この物語のスピード感を味わうことが出来ました。

2

最後までハラハラする展開は面白かった

初コミックスでしょうか、おめでとうございます!先生のお名前は「おどりとり」と読むんですね。試し読みして、ダークな世界観に興味をひかれたので読んでみました。以下少々ネタバレあります。全236ページ。

メキシコの麻薬組織が舞台。
アベル(受)は妹を守るために、幼い頃から組織のトップ・リコに従わされてきた強気不憫受け。
リコが警察に捕まり、その弟だというレナート(攻)が現れて…というお話。

作画なんですが、アベルは顔に傷はつけられたけど、一応妹似の美人らしいんですが、あまり美人に見えなくて残念でした。もうちょっと美人顔だったら、美人なのにめちゃくちゃ強いというギャップを感じられて良かったかも。
あと服を脱ぐと筋肉はあっても少し細身らしいけど、ダボっとした服を着るとがっしりに見えちゃうので、もう少し細身に見える服装が良かったなと思いました。
褐色男前なレナートのキャラデザは結構好きです。

裏組織を描いても死人が出ない作品が多いですが、本作はそんなことはなく、主要な人物が亡くなりましたが…。その割にあまり切なさを感じ取れなかったのは、私の読解力の問題だろうか、う〜ん…。

レナートを信用できず、ずっと反発していたアベルだけど、心に傷を負いレナートを受け入れる。とはいえずっとリコに搾取され続けてきて、心がやさぐれてるというか人間不信なアベル相手では、あまり甘い雰囲気にはなりませんね。リアルさは感じるけど、BLとしては二人の間にもう少し甘やかさがほしかった気がする。

あまり読まないギャングもので、面白そうと思ったんですが、青年漫画のような渋い世界観は、そんなには自分の好みではなかったみたいです。でも最後まで、結末がどうなるかわからないハラハラ感を味わえたのは良かったです。

終盤レナードがアベルに「こっからは 真っ直ぐ行けよ!」と笑顔で言うシーンは、ちょっとキュンとしました。

描き下ろしなしですが、電子限定描き下ろし5Pあり。こちらはちょっと甘めで良きでした。

電子 ライトセーバー修正(しっかりした濡れ場は1回。エロを楽しむ感じの作品でもないので、発光修正でもあまり気にならなかった)

1

ラストで、うぎゃァァァ!! と叫んでしまったものの、、、

妹を守るために、麻薬組織CDBへ入ることになったアベル。

辛く苦しい思いをしながら、やがて組織のトップであるリコの右腕になるまでに登り詰める。
いつかリコへの謀反を企んでいたが、その前にリコが捕まってしまい、その弟とやらのレナートが現れて、、、
というお話。


レナートの目論見が、本当のところどこにあるのか分かりそうで、なかなか分からず。
兄であるリコとはおそらく違う人種なんだろうなあ、、、とアベルへ対する態度から察していましたが、やはりリコとは正反対の考えの持ち主だったと判明し、救世主的存在だった結末にホッと安堵しました。

というか、アベル同様まりあげはもレナートの本心が果たしてどこにあるのか。
実は…という展開にならないのか、ずっとめちゃくちゃ疑いながら読んでました(大変失礼いたしました)。



で、レビュータイトルでも触れたのですが、カバー下の裏面を読んでなかったこともあり、オチが近付くにつれ、もしやメリバ、、、?!! 汗
と、リコが戻ってきて嫌ァ~な空気に、嫌ァな予感が、、、

結果、ちゃんとハピエンで安心しました!

が!!

本当にハピエンと分かるまでが心臓に悪すぎたのと、レナートが「こっからは、真っ直ぐ行けよ」とアベルに告げるシーンが切なすぎて、知らず知らずのうちにじわっと温かいものが目尻から流れていました。


途中、アベルが拾った部下的青年とのエピソードは、本当に胸が張り裂けそうなくらい悲しくて切ない裏社会特有のエピソードで、なんともやり切れない想いがしました。
しかし、あれも究極の選択を迫られた彼なりのアベルへの最期の忠誠愛だったのだろうと考えると、事前に張られていた伏線に気付くとなんとも愛に満ち溢れたセリフの数々、、と思ってしまって泣けてきてしまいました。


ちなみに、カバー下の裏は読了後に読んで、気持ちの補完をしてほしいです涙



裏社会系で生き抜く不憫強め受けがお好きな方や、メリバっぽいハピエンがお好きな方にオススメの一冊です!




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