電子限定カラー
遺作撮ってよ 俺の
さすが先生
唯一無二の世界観をお持ちで…
まず印象に残ったセリフが
「俺の形を変えてくれ」
これ、攻めに言わせるのズルくないですか……
しかもエッッの最中に言うんですよ…???
セリフだけみたら受けに言わせてると思うのが普通の(???)腐女子だと思うんですけど、これは自分自身を見失った攻めの心の叫びなんですよ…
ここがあまりにも良くて、もうこの時点で先生最高ってなりました
世間の評価と裏腹に空っぽになってしまった攻めと、過去に置いてきた映像の世界にまた引きずり込まれた受け
互いの過去の精算の行方は…
春から冬、季節の移りと共にワンシーンごと切り取ってひとつの映画を作っていく。
今作は超人気俳優でありながら映画の撮影から逃げてきたSHU(柊平)と、大学の映画研究で一緒だった藍のお話。
1冊丸ごと使って、まるで映画の撮影シーンを傍で見せてもらっているような感覚になりました。
俳優という仕事で外側だけを見られる事に疲れて逃げてきた柊平は、藍の前に現れ自分の『遺作』を作って欲しいと頼みます。
誰も知らない東北で老夫婦が営む宿で住み込みで働くようになった2人。
時には身体を重ねるその様子は、穏やかなようでいて限られた時間の中での逃避行のように見え、切なさも感じます。
ラストシーンだけが2人の意見が合わないまま、マネージャーにも居場所が見つかり、最後のラストチャンスでの撮影。
舞台が東北、という事もあり藍が話す言葉の重さを感じます。
冒頭、振り返らない柊平に胸が苦しくなり、果たして2人がとる映画、そして2人の結末はどうなってしまうのか…とハラハラしましたが「ここからがスタート」と思わせてくれる明るい読後感で読んでいてほっとしました。いやぁ、こういうじんわりするお話好きだなぁ!!
緒川先生の描くエロシーン、接合部が見えるわけではないのですが表情ですごくえちえちに感じます!!
ほとんど見えませんが白塗り
大学時代同じ映画部だった藍と柳。
柳は華やかで目立つ存在で、ポートフォリオを作って業界に売り込みたいので映画を撮ってくれないかと藍に頼む。
その映画は小さな賞を獲り柳はスカウトされ、大学を辞めて芸能界へ。
その後10年音信不通。
華々しく羽ばたいた柳は人気を得て活躍したのだが、消費され尽くして疲れ果て、空っぽになって藍の元に帰ってきた。
目に光はなく、あの頃の拙いながらの輝きも失ってしまった柳は、俺をまた撮ってくれと言う───。
帯に「遺作撮ってよ俺の」「終わりのための逃避行」とあったので、余命が近いのかな?と思っていたんですが、なるほどそういうことかと思いました。
『青葉杜の幽霊』の撮影の合間のワンシーンで柳と藍の顔が近くてキスしそうな距離だったコマはありましたが、したわけではなかったし、そういう関係だった描写はなくて、同じサークルのカメラマンと演者としての関係性しか見せられていないのに、再会後流れるように寝ていたことに取り残されてしまいました。
ゲイとかバイとかそれらしい情報も特にないので、余計に男同士で流れるように寝るということに違和感を感じてしまって。
逃避としてのセックス…男女ならそういうこともあるかもと思うんですが、男同士となるとノーマルではそんな逃避の仕方は選ばないし浮かばない気がする。
柳は『青葉杜の幽霊』の時の顔の距離の詰め方があったのと傷心で慰めがほしいのかもしれないという点でまだ分かる…のだけど、藍は?
『青葉杜の幽霊』は人物(柳)を魅力的に撮れていたけど、その後は人間に興味がないのが伝わってくる映像しか撮れなくなっているらしいことから、藍が柳に興味があったというのは分かる。
でもそれで=好きとは私は汲み取れなかったです。
柳いわく、周りと協調せず一匹狼的な藍が柳を見る時は瞳が揺らぐらしく、それを見て「俺は行ける」と確信していたみたいなんですが、もう少し説明以外の部分でそれらを感じ取りたかったなぁと思います。
あと、この場合の「俺は行ける」って、押せば藍のことを落とせるという意味か、自分に魅力があると思わせてもらえて役者として行けると思えたという意味かどちらで取ればいいんだろう?
最後の方までこんな感想でもやもやしていたんですが、最後の最後に柳が撮った藍の映像が出てきて、そこにいる藍の表情からは藍の気持ちが伝わってきました。
そして、柳もその顔に唆られるのだとあります。
ということは学生時代から互いに密かに気があったということかと、ピースが繋がっていきはしたのですが…。
あの映像にインパクトを残すために気持ちの描写はあえてラストまで触れない構成にされたのかもしれないんですが(もしくは「カメラの前では嘘はつけない」というあの台詞を生かしたかったのかもしれない…)、読みながら状況に取り残されてしまい気持ちよく読めなかったもやもやは残ってしまい。
前半中盤は情報足らずだったというのが私の感想です。
あと気になってしまったのは映像といいながら写真用カメラに見える物を構えているところ。
最初は写真を撮っているのかと勘違いしてしまいました。
私が無知なだけだったら申し訳ないんですが、こんなカメラにしか見えないビデオカメラがあるの???ともやもや…。
動画撮影できるデジカメもありますが、コンクールに出したり遺作として残すような作品を撮るには簡易的すぎる気がするし。
余談ですが、緒川先生は長年大好きな先生だったのですが前作『vs.LOVE』が全く合わず、次回作で考えようと不安に思う気持ちがありましたが、ひとまず前作より好きでした。
でも萌えたかというと…中立に近いかも。
前作より上の評価にしたかったので萌としました。
また緒川先生との点と線が合致する日がくるといいな…。
アニメイト特典リーフレット→蚊の話
紙修正→局部の線は片側だけや下方だけなど部分的に描写してある感じ。
透明感のある表紙に惹かれ、
そして笑顔の藍の涙の美しさに一目惚れしての購入でした。
不穏な空気あふれる帯の言葉にぎょっとして
遺作って…もしかして…??と、身構えてしまったけれどそれはなんとも切ない比喩表現で。
かつての思い出をなぞり、輝きを取り戻したいと願いながら終わりへ向かう。
そんな柳の役者としての最後の炎を撮りながら
藍自身に再び情熱が戻っていくその姿に胸を打たれました。
時間をかけながら妥協無しで"遺作"を撮影していく様子に引き込まれつつ。
でも『すっかり燃え尽きてしまうため』だった
柳の気持ちは少しずつ変化していって、やがてふたりの日々には終わりが訪れるわけです。
藍はそうなるとはじめからわかっていた上で
柳のことを撮り続けていたのがなんとも切なかったけれど
でもそれ以上に強い想いが伝わってきたので、
どんな結末を迎えてもしっかり受け止めようと思わせてくれる展開だったなと思います。
そして。
ふたりで作り上げた作品が柳の背中を押して
藍とも役者としての自分とも向き合えるようになり、最終的には幸せなところに着地してくれたことにものすごく救われたのでした。
世間では「失踪中」となっていた柳だけれど、
ふたりを迎えてくれた人たちがそこには触れずにいてくれた温かさもめちゃくちゃ沁みました。
そういうところ含めて、映像として観てみたい作品だったなと思いました。
長年の片想い拗らせ系です。
片想いと才能に対してのコンプレックスとかいろいろ混ぜこぜになったやつ。
大学の同級生、映画研究会の仲間 柳柊平はしたたかな男。主人公 望月藍の撮ったショートムービーを足掛かりに芸能界に。今や売れっ子俳優SHUとして活躍してたのに突然の失踪。
芸能ニュースで騒がれてるなと思ったら仙台の街角で偶然見つけて…。
都会と芸能界に疲弊して車で知らないうちに仙台まで来てたんだって。なんでここにいんの?あれ?なんで藍がいんの?って言ってるくらい訳わからなくて危険な精神状態みたい。
メンタルボロボロな柳を癒す場所となる藍。
片想いしてたから受け入れちゃうよね、ただの都合のいい相手になっちゃうとしても。
「俺の遺作撮ってよ」って言われて撮り始めるんだけど、塾講師の仕事まで辞めちゃうんだよ、藍ってば。機材全部揃ってる訳じゃないからレンタルしたりして。
でね、私は映像撮ってるんだとばかり思ってたんだけど結局写真なの?何撮ってたの?よくわからなかった。映像撮るカメラじゃなくて写真のカメラに見えたし。あそこまで時間とお金掛けて撮った作品は何処にも出さないの?2人だけのもの?それともあのトラブルで全部パーになったの?
でも、パソコンで編集してなかった?残ってる分もあるんじゃないの?
私が読み飛ばしてるのかよくわからんとこあったけど、結局のところは表舞台に戻っていった柳と仙台で以前のような日常に戻る藍。
変わったところは週末に柳が仙台まで会いに来てくれること。もういっそ藍上京したらいいのに。
もうちょっと会いやすくなるよ?
それでも2人の立場は対等じゃないから私が藍の立場だと1人でいっぱいいっぱいになっちゃってしんどくなるな。相手は売れっ子芸能人で自分はしがない塾講師。忙しい相手が自分の元にやってくる時を待つような相手に合わせて生きていく感じになるやんね。長く続けられるかな…
それとね、人気俳優さんなんだから外でキスしたらダメだよ。いつ誰に撮られるかわからんよ?
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