電子限定おまけ付き&イラスト収録
慈英×臣シリーズの最新刊。帰国編でした。
帰国編と聞いて思い描いていたのと、実際の本とでは、厚さがだいぶ異なっており、また、目次を見て1冊まるまる表題作ではないことにも驚きました。
波乱含みにスタートしたものの事件は起こらず、穏やかな短編でした。爆破予告と熊、という不穏ワードがでてきましたが、回収されたのは熊だけでした。
この二人のシリーズ、特に長編は、当然のように事件が起こり、そのかわりに短編は日常で甘くて、というイメージができあがっていたので、本の厚さだけ考えればその通りですが、「帰国編」でそうなのか、と意外に思った次第です。
もっとも日常で甘いお話も、これだけシリーズが長くなってくると、キャラクターや過去のエピソードも一を聞いて十を知るような有様なので、様々なつかしく感慨深いものもありました。
それだけに2本目「彼らの周辺で起きていたさまざまな事柄」、各CP等のSS集が楽しいです。
そして、何年たってもいくつになってもこの二人の本質は変わらないなあと胸熱になったところで濃厚Hが来て、やっぱり変わらないや、と思うなどしました(笑)
あとがきを読んで、私が感じていた上記の戸惑いも咀嚼できました。てっきり爆破予告がその後関わってくると思い込んでいまして、そうではなかったことに納得できました。
彼らも年月を経て、性格だけでなく組織におけるポジション、社会における役割も変容していっている。でもまたかつてのような、事件含みの長編も読めたらなあと願っています。
本シリーズは天才画家と美貌の警部補のお話です。
攻様が米国から日本に拠点を変えた事で
10年ぶりに帰国して受様と同居を再開する本編と
攻様の帰国を知った関係者の短編を収録。
天才的カリスマ画家である攻様を
世界に売り込むプロジェクトの第一歩として
米国を拠点として活動していた攻様ですが
攻様の専属エードェントは
巨大マーケットである米国で一応の地盤作りを終え
欧州アートシーンへの足篝として
英国をターゲットに仕掛けていこうとした矢先に
世界的な感染症によるパンデミックが起こります。
この時点で攻様は帰国を望みましたが
渡航制限で身動きが取れずにいたところに
受様から自分にできる事をやれと促され
攻様は乗り気でなかった社交にも力を入れ
どんな形でも結果を残そうと邁進していると
米国内の政治事情の変化により
日本他人である攻様はもちろん
多様なルーツをもつエージェントが
米国内で仕事をするのには厳しい情勢となります。
機を見たエージェントは
今後え羽州を中心に売り込みをかけるなら
日本を拠点にするのも問題なく
彼女自身は世界中を飛び回っているけれど
攻様は日本に戻る事が決定します。
攻様の帰国を知った受様は
サプライズで攻様を出迎えに航空に行こうと
攻様の従兄弟のパートナーで
東京の出版社勤めの編集者に相談しますが
羽田空港の広さと国際便の遅延や荒天による
到着時間の変更となった場合
飛行中野相手とは連絡が取れないので
予め決めておくのが定石だと苦言を呈されます。
その為しっかりと攻様と連絡を取って
休暇のためにみっしり仕事を詰め込んた受様が
羽田空港に降り立ったのは到着3時間前でしたが
到着予定時間を1時間も過ぎた頃に
攻様の乗った飛行機の到着時間変更の
アナウンスが待合ロビーに響き渡ります。
更に4時間経っても件の航空機の到着時間は
「調整中」から変化がありません。
果たして攻様は無事に帰国出るのか?!
『しなやかな熱情』から始まる
慈英×臣シリーズの最新刊は単話としては
実に13年ぶりの新作長編になります。
あとがきによると
第2部完となった「あでやかな愁情」にて
完結予定だったそうですが
読者からの帰国の要望と
コロナによる世界パンデミックと
攻様が拠点とする米国情勢の激変が
攻様の帰国を促す変化をもたらしたそうで
現実世界を反映しつつ広げられていく
物語の進展に大いに期待したいと思います。
今回はそんな第3部の序章的な巻なためか
いつものように事件が起きて
2人が巻き込まれていくのではなく
10年ぶりの再会によって
受様が自覚できていなかった変化に
大いに戸惑う現状を描いたお話でした。
本作までに書かれてきた短編で
ふわっと描かれきた幕間短編よりも
受様の心情や日常が丁寧に描かれていて
今後の彼らが楽しみになりました。
更に彼ら2人に関わるキャラ達が
攻様の帰国をどう受け止めたのかが
描かれた番外編がとても良かったです。
昔から、大好きな作家さんのシリーズ作品なので、よみました。
『しなやかな熱情』シリーズの最新刊にあたる作品で、発売日を心待ちにしていました。
世界的に有名な天才肌の画家、秀島慈英と、長野県警警部補の小山臣とのお話です。
活動拠点をアメリカに移していた慈英が十年ぶりに帰国するところから、物語がはじまるのですが、ふたりはすれ違いが続いてしまいます。どうなることかとおもいつつ、たのしくよむことができました。
ふたりが、日本で再会することができたというのは、感無量でした。
「あとがき」も読みごたえがあり、たのしくよめました。
『しなやかな熱情』シリーズ、最新刊です。
もう、最高に良かった……!目頭熱くなりました。
天才年下画家×長野県形の警部補、
遠距離恋愛を10年続けた二人の再会物語です。
アメリカを拠点に活動を続けていた慈英が10年ぶりに本格帰国することになり、
臣は羽田まで”サプライズ出迎え”しようと計画するがー
という場面からスタートするのですが、
まずこの”サプライズ”を慈英の従兄弟で
照映の恋人である早坂(未紘)に
たしなめられる場面に笑った〜!(*´艸`)
羽田の広さを知らない慈英に、早坂がストップをかけてくれて良かった。
でも、帰国を知って居ても立っても居られず、
慈英を喜ばせたいという臣の想いが
ダイレクトに伝わってきて、
健気さにグッと胸が熱くなります。
「しなやかで〜」の二人の始まりの物語の中では、完全に「誘い受け」だった臣。
(それには彼の背景・トラウマが大きく関わっていたのですが)
そこから考えると、今作で「キスもない…」と思い悩んだり、
仕事が多忙すぎて家の中が荒れてしまい、慈英にみっともないところを見られて
涙ぐんだり…
と度々見せる”健気なかわいらしさ”のギャップの大きさよ!!
もう、そのいじらしさにキュンとときめかずにはいられません。
濡れ場自体は多くはありませんが、
欲情した目で見つめられて喜ぶ臣、
そんな臣の体を丁寧に開いていく慈英の描写は
一気に場の温度が上がる様な感覚があり、
甘さに蕩ける嬉しい場面でした・:*+
表紙で二人ベッドに寝転び、
臣を優しく腕枕する慈英の目線と
その薬指に光る指輪が、本当に美しいなあ…
また今回もう一つグッときたのが、
今までゲイであることを隠し続けてきた臣が
今回初めて、引っ越し作業を手伝ってくれた
警察仲間たちに慈英を正式に紹介したこと。
これ、慈英も言っていたけれど本当に大きな変化だし、
紹介された慈英も本当に嬉しかったんだろうなあ、と。
恋人です、とか、付き合ってるんだ、とか、そんな分かりやすい言葉ではなくとも。
聡い太田と、紹介されて目を瞠り驚く慈英の描写に
じんわり心が暖かくなりました。
そんな二人の再会ドラマの他、とても魅力的に映ったのが
この物語の中で反映され描かれている”現実世界のリアル(世界情勢)”です。
フィクションでありながら、まるで現実の世界で登場人物たちが動く様を見ているよう。
爆発的流行を見せた感染症、全国的に大きな問題となっている熊被害、
スマート農業実証プロジェクト…等々。
慈英が今回本格的な帰国に至る理由も、
アメリカで外国人が活動しづらい情勢になったことが
関係しています。
そんなリアルを感じさせてくれる背景があるからだこそ、
より深く物語世界に没入できるのだと感じます。
シリーズのキャラクター達、
今回は友情出演するのは
主に早坂一人なのかな?と思いきや。
後半、ちゃーんと勢揃いして出演してくれているのが嬉しい!(*´◒`*)
(一部、出てこないキャラもいますが)
特に個人的に大好きな陰キャラノベ作家・セイさん(灰汁島)×イサくん(瓜生)カプのお話に和みました。
まさか、まさかの「憧れの画家」慈英とのお仕事コラボ。
やるなあ、早坂!❤︎
びっくりし過ぎてイサくんに緊急メッセージを送っちゃうセイさん、可愛かったです(ˊ˘ˋ* )
離れ離れの10年を経ての、慈英×臣の再びのスタートと、
二人を囲み見守る人々の近況と。
タイトルの「ゆるやかな夜」という言葉にも現れた
穏やかな甘さを噛み締め、じんわり浸る一冊でした。
今作を書くにあたり、年単位で悩んだー
との言葉が先生のあとがきにありました。
崎谷先生、二人の日本での再スタートの物語を届けて下さり、
本当にありがとうございます✨
