サガン。
これ、スゴイ好きです。
超切なかった。
もうとにかく永倉と真生が!
メインの2人もいろいろあるのですが、今回はこっちの方がグッときました。
真生は永倉から横暴な扱いしか受けてないんだけど。
それでも、そんな男だけどいつしか好きになっていて。
自分なんてエスとしての価値しかないとわかってるけど、永倉の役に立てるならと。
「好き」という気持ちがある故に不安定に動いてしまう部分もあったのだけれど。
永倉は永倉で態度は横暴で少しも優しくなかったけれども。
その中に想う気持ちが確かにあって。
想いすぎて手が出せないほどに想っていて。
2人の結末はとにかくとても切ない。
そして、そんな永倉を見ていてどんどん不安定になっていく椎葉。
エスと刑事。
その関係は「仕事」でなくてはならなくて。
その方法に身体を使ってしまったことでただの「仕事」相手というところから逸脱しつつある情があって。
その感情を見極めるのに椎葉はぐるぐるぐるぐる。
最後の最後で自分の感情を認めた上で。
それでも今は「エス」として宗近を使うことを選択する椎葉。
椎葉と宗近の最後のシーンのやりとりはこれまた切なかった。
確かに2人の間に「情」はあるのに、それに敢えてフタをして「仕事」と割り切る。
割り切れないものがあるのに抑えつける。
それがなんだか痛々しくもあってせつなかったです。
今回はズバリ永倉役の黒田さんにやられました。
私の中の黒田さんのイメージは「エロくて特徴的な声」だったのですが、今回の黒田さんはやさぐれ刑事というかかなり渋みがあって。
抑えた感じだったのがよかったのかな。
まぁ、これはもう永倉の生き様がなんかかっこよくさえ映るからよく見えるかもしれないが。
今まで聞いた黒田さんのキャラ(というか声?)の中ではこれが一番好きです。
警視庁組織犯罪対策第五課、通称「組対五課」に所属する刑事は
裏社会にスパイを持ち“エス”という名で飼いならしている。
若頭補佐という裏社会に生きる男 宗近奎吾(小西)を
エスに持つ椎葉昌紀(小西)は、自分の身体を宗近(小西)に与えている。
それでも二人の関係は、対等。
ずっとそうやっていけると思っていたのに
ここにきて椎葉(小西)の気持ちが揺らぐ。
同僚の刑事 永倉(黒田)とそのエス小鳥遊(武内)の関係を軸に
椎葉(小西)がエスとの関係に悩み宗近(小西)への想いに気づくお話。
刑事とエス。
張りつめた緊張感の中の男同士の感情のぶつかり合いがすげぇ。
宗近(小西)の荒々しくも中に、きちんとある椎葉(小西)の想い・・・
プライドでがんじがらめの椎葉(小西)が永倉(黒田)に向かって
本音を吐露する場面にグっと引き込まれた。
巧いっ!
「エス」シリーズ2作目は、黒田さんの渋い演技が光って、とてもハードボイルドに仕上がっている秀作です!
同じエス工作をしているいけすかない同僚の永倉@黒田とそのエス真生@武内と、宗近×椎葉の2組の在り方を通して、椎葉が揺れ動く巻なのですが、この黒田さんがとっても、とってもよくて、主役を喰ってしまった感じさえします。
以前エスである女性が死に追いやられ殺ったヤクザも、助けてくれなかった警察も憎みながらエス工作をしている永倉。
今度もエスの真生を愛してしまった為に真逆の態度で接する永倉と、それでも永倉の為と思い自分なりの態度で接する真生。
この二人の関係を通して自分の宗近への想いについて苦しむ椎葉。
宗近に乱暴されて帰ったアパートで永倉に、胸の内を独白するシーンが切羽つまっていて迫真でした。
原作ではもう少し登場シーンのあった宗近@小西ですが、このCDは永倉×真生に重点を置いて、人間ドラマを全面に出している為、割と削られてしまっています。
削ったことでの弊害はなく、多分原作未読の人でも納得してもらえるストーリー構成にはなっていると思います。
椎葉@神谷さんのエチシーンについては余り色気はないほうだと思うので、エチでも宗近と対等でいようと突っ張っている椎葉の雰囲気が充分に出ていて、いいのだと思います。
そんなに甘い関係ではないですもんね。
篠塚@三木さんは相変わらずいい味だしてますが、今回鹿目@中村さんが前作一言だけだったのが、セリフが増えてて嬉しかったりします。
何度聴いても、いい1枚だ~♪
ゾクゾクが止まらないです。
最高!
私、このエスシリーズの中では、この二作目が一番好きです。原作もCDも。
その大きな理由が永倉という男の存在です。
永倉の声を担当された黒田さんもおっしゃっておられましたが、実に魅力的です。
けして「いい男」ではないのだ。
虚無的で破滅的な生き方しかできず、結局なに一つ報われることがないまま、最後はあまりにもあっけなく死ぬのだ。
死ぬ間際にありがちなお涙頂戴のシーンも用意されていない。何一つ言い残せない。
原作の英田サキさんは計算されてるんだと思うんだけど、この「演出しないという演出」による余韻の破壊力はすさまじいです。尊敬します。
永倉は、愛する相手と口づけの一つもできなかったんだよね。
あんなに愛していた相手である真生(武内さん)に最期に遺したものは、「真生のせいで死んだ」という最悪の事実だけだったという…。
たぶんこの先の真生は、何度も何度も自分の過ちを反芻しては、後悔と慚愧の念に苦しむのだろう。
死してなお、愛していた男を苦しませる永倉。
最低な男なんだけど、だからこそいいのだ。
だからこそいい。
凄まじいとしか言い様のない生きざま。
原作者の英田サキさんの手腕ですね。
もちろん主役カップルも戦ってます。
椎葉(神谷さん)の葛藤が苦しい。
神谷さんの悲痛な声に胸がえぐられましたよ。
そんな椎葉を殴りつけて犯す宗近(小西さん)。苦しんでる人間をさらに殴って犯すんかい!サドやな!と思いましたが、いいよいいよ、分かりやすい甘さを宗近の性格に組み込まなかったこのBLらしくなさ(らしいのかな)が、またタマランです。
原作既読。エスシリーズの中で一番好きな回です。
永倉さんが泣かせます。
人間臭い男の中の男という感じです。本当に素敵すぎます。
黒田さんの野性味のある声もぴったりで、本当に胸が苦しかった。
胸を掻き毟られるような切なさがあります。
永倉さんも真央もお互い本気で好き合っているのに複雑な感情が絡み合い結ばれなかった。
永倉さんはその気持ちを椎葉にぶつけます。でも、本当に伝えたい、愛したい相手は別にいる。
でもその思いは永遠に伝える気は無かったし、それも叶わない状態になってしまう。
永倉さんが撃たれた後、真央が拳銃の隠し場所を告白したシーンで、その理由とその結果が本当にやりきれなかった。辛い、本当に辛かった。
椎葉の首筋に付けられた噛み跡が残ってるのも消えてしまうのも寂しい・・そんな風に感じてしまいました。