muueba![]()
約20年前に発表になった作品で、神谷さんの声を求めて聴取したのですが、登場人物、ストーリー、すべてが魅力的で大好きな作品です。
原作未読ですが、問題なく楽しめます。
神谷浩史さん演じる椎葉昌紀は警察官であり、エス(スパイ)を利用しており、かつ、自身のエスである実業家でやくざの小西克幸さん演じる宗近奎吾の情人でもある、というすごく複雑かつ深みがある人間です。
同じくエス工作に従事売る同僚の刑事、永倉の援護をし、エスとの連絡役を担当することになり、より複雑な人間関係、裏社会にはまっていきます。
刑事のときは、理性的でつんつんしているのに、宗近と接するときは感情的になり、振り回される様子、そのギャップがたまりません。
永倉とエスの小鳥遊真生との関係、小鳥遊真生の置かれた環境を知り、事件に巻き込まれた椎葉が、自身のこと、宗近とのことと重ねてみるようになってしまい、悩み、苦しむさまがとても心に響きました。
物語自体も、警察とスパイとやくざ、殺人事件と不法の銃刀など、題材とエピソードが豊富です。さらにいろんなタイプの愛情がドロドロと渦巻いているかのような気配を感じさせられます。
BLもの、というより、BL要素もある人情に重き置いた刑事もの、といえると思います。複数の事件と関係者が入り乱れ、犯人がなかなかわからない展開にもわくわく、ぞくぞくしました。
小西さん演じる宗近奎吾、黒田崇矢さん演じる永倉康介の、それぞれ、迫力のある漢の魅力、話し方も素晴らしいです。
2人だけでなく、男同士が交わす言葉が、平成の物語ですが、昭和の刑事ものの雰囲気もありかっこよくて素敵です。
特にタバコに関する会話、ライターでつけたタバコはまずい、と、相手の吸っているタバコからもらい火をするエピソードは、音声だけなのに、その情景や空気さえも感じられるような素晴らしいシーンとなっていました。
個人的には椎葉と宗近気持ちを吐露して涙するところで終わって良かったと思いました。2人が色っぽく絡まり合うシーンはBLとしては必要なのだろうけれど、ないほうが、全体の重たい雰囲気を残したままの終わりになってよかったと思いました。
(ここはあくまで個人の好みだと思います)
エス 咬痕 2
今作は、人間の泥臭い部分がにじみ出ていて、刑事と”エス”強固な関係性であるがゆえの闇の部分が赤裸々に綴られています。とにかく悲しくて苦しくて切なかった。そして、改めて、英田先生の表現力に感銘、感動した次第です。
刑事永倉(CV黒田さん)と”エス”真生(CV武内健くん)とのお話が中心に回っていきます。この二人の登場により、椎葉(CV神谷さん)と宗近(CV小西さん)の関係性にいいようにも悪いいようにも微妙に変化が現れます。
フリトで永倉のCVの黒田さんご自身もお話しされていましたが、永倉の生き様がかっこいいと。哀愁漂う豪傑な永倉を黒田さんが見事に熱演されています。古傷を抱える永倉が、あえて、愛するエスのために憎まれ役、悪役に徹する。愛する人を守り抜くために。
ある事件から椎葉は、永倉と真生、自身と宗近との関係性をダブらせ、いつしかがんじがらめになっていく。自身の中途半端な言動、覚悟と決意…“破滅へのカウントダウン”
必死に感情をコントロール(自身に言い聞かせるように)し、宗近と距離を置き、彼を遠ざけるようになる。
対峙して、宗近がすごいと感じたのは、椎葉の”エス”になると決意した時点で彼と共にあるという覚悟にブレや迷いがないこと。”心ごとよこせ”と言ってのけた宗近らしいなと。
椎葉の態度に痺れを切らした宗近は彼を心身共に打ちのめすのですが、これがまた切ないのです。“セックスは手っ取り早く色々なものを確認できる"こんなことを言ってのけてしまう宗近がすごいし、これ名言!先生の表現、語彙力、センスは圧巻です!
永倉と宗近の愛し方って、根本的な所が似ているように感じました。突き放すのなら、生ぬるい方法ではなく、あえて、悪人になりきり、冷酷に振る舞う。愛の形は人それぞれだとは思いますが、永倉はそういう愛し方しかできないまま…。一方で真生も…薄幸な真生には幸せになってほしいと心から願うのでした。
永倉が椎葉に向ける感情もなんとなく理解できるような・・・同様の立場でありながら、自分とは違った愛し方、生き方のできる椎葉が羨ましいと思っていたのかもしれないと。永倉は、不器用で不思議な色気のあるかっこいい男、そして哀れな男だったように思いました。
“共にあるための誓いと覚悟”
終盤、椎葉も宗近がどうしてあのような仕打ちに及んだのかを理解して受容していた。二人は互いの気持ちを再確認し、関係性がまた一歩、前進したように感じました。
他の方のレビューを参考にし、一番気になっておりました。
原作未読ですが、前回一作めがよかったので続けて聞いております。
うーん、渋い!黒田さんの、演技がもう
なんか、たちの悪さと影と陰湿な感じとでも
どこか渋くてちょいワル(古いw)な
感じがにじみ出てて存在感すごかったです。タバコの吸う音とか、マッチで吸ってるって。ジッポとかじゃないんですね。
ライターだとタバコがまずくなるらしいです。
そんな妙なこだわりもキャラをひきたてているというか、こだわりやらねちっこそうなキャラが浮かび上がり完璧でした。
かなり切ないシリアスなストーリーですけど、すごくまとまっており、素晴らしい作品でした。
原作既読。エスシリーズの中で一番好きな回です。
永倉さんが泣かせます。
人間臭い男の中の男という感じです。本当に素敵すぎます。
黒田さんの野性味のある声もぴったりで、本当に胸が苦しかった。
胸を掻き毟られるような切なさがあります。
永倉さんも真央もお互い本気で好き合っているのに複雑な感情が絡み合い結ばれなかった。
永倉さんはその気持ちを椎葉にぶつけます。でも、本当に伝えたい、愛したい相手は別にいる。
でもその思いは永遠に伝える気は無かったし、それも叶わない状態になってしまう。
永倉さんが撃たれた後、真央が拳銃の隠し場所を告白したシーンで、その理由とその結果が本当にやりきれなかった。辛い、本当に辛かった。
椎葉の首筋に付けられた噛み跡が残ってるのも消えてしまうのも寂しい・・そんな風に感じてしまいました。
これ、スゴイ好きです。
超切なかった。
もうとにかく永倉と真生が!
メインの2人もいろいろあるのですが、今回はこっちの方がグッときました。
真生は永倉から横暴な扱いしか受けてないんだけど。
それでも、そんな男だけどいつしか好きになっていて。
自分なんてエスとしての価値しかないとわかってるけど、永倉の役に立てるならと。
「好き」という気持ちがある故に不安定に動いてしまう部分もあったのだけれど。
永倉は永倉で態度は横暴で少しも優しくなかったけれども。
その中に想う気持ちが確かにあって。
想いすぎて手が出せないほどに想っていて。
2人の結末はとにかくとても切ない。
そして、そんな永倉を見ていてどんどん不安定になっていく椎葉。
エスと刑事。
その関係は「仕事」でなくてはならなくて。
その方法に身体を使ってしまったことでただの「仕事」相手というところから逸脱しつつある情があって。
その感情を見極めるのに椎葉はぐるぐるぐるぐる。
最後の最後で自分の感情を認めた上で。
それでも今は「エス」として宗近を使うことを選択する椎葉。
椎葉と宗近の最後のシーンのやりとりはこれまた切なかった。
確かに2人の間に「情」はあるのに、それに敢えてフタをして「仕事」と割り切る。
割り切れないものがあるのに抑えつける。
それがなんだか痛々しくもあってせつなかったです。
今回はズバリ永倉役の黒田さんにやられました。
私の中の黒田さんのイメージは「エロくて特徴的な声」だったのですが、今回の黒田さんはやさぐれ刑事というかかなり渋みがあって。
抑えた感じだったのがよかったのかな。
まぁ、これはもう永倉の生き様がなんかかっこよくさえ映るからよく見えるかもしれないが。
今まで聞いた黒田さんのキャラ(というか声?)の中ではこれが一番好きです。
