ボタンを押すと即立ち読みできます!
ヤクザとお友達の土木作業員と警視、この二人がどうやって恋人として付き合っていくのか、興味深く読んだ。やっぱりというか、普通に(?)すれ違って揉めていた。
最終的には佐伯が緒方を好きなんだから仕方ないと思わされ、強引に見守らされているような、不思議な感覚。もしかしたら、読者も緒方に睨まれているのかもしれない。
始まりは付き合いたてのカップルらしいラブラブな雰囲気から。そこから徐々に緒方、というか佐伯から見る緒方の空気が変わり、不穏な流れに。読み手には緒方に事情があることは分かるけど、佐伯にそんなことは伝わらず、事態は悪い方へ悪い方へと転がっていく。
正直、あまりに説明しない緒方になんて縋りついていないで、佐伯は次に行っちゃえ、とか思ってしまった。仕事的にどうしようもない事情があるにしても、緒方の態度はちょっと酷い。佐伯にはもっと良い人がいると思う、高橋とか。
まあでも佐伯は、独占欲強くて嫉妬深くて、ヤバい裏の顔を隠し持ってる緒方が大好きなようなので、上手く納まって一安心。同棲も始まりそう?で、なんだかんだで、ただのお騒がせカップルだったみたいで。
降格とかいろいろ言われてはいたけど、緒方ならどうにでもやってくれそうな空気を纏ってるのが良かった。佐伯のピンチにはすかさず現れるし、ケンカが強くて権力も持っている。最強であり最凶の彼氏。ほんのり懐かしさを感じる良きBLだった。
もうね、これにつきます。受けがめっちゃ可愛いんです。
がたいが良くて、元攻めで色んなやつと体の関係だけを重ねてきて、顔も鋭い感じなのに、もう本当にいじらしくってかわいくって!
初めての恋に戸惑い、攻めにちらつく女の影に嫉妬し、嫉妬されて手荒く抱かれたら悲しくて泣いてしまって…
特に胸キュンポイントだったのが、せっかく宿題をしたのに…と呟くシーンと冷蔵庫の件を攻めに謝るシーンですね。思わずスマホを抱き締めるぐらい私の可愛いツボにハマりました笑
攻めも良いですねぇ。こう云うクールなタイプが受けにだけ見せる執着と嫉妬、大好物です。
いやーー大満足な一冊でした!
「その男、取扱注意!」の続編です。
取扱注意!は大好きで何回も読み直してるんです。
でもこちらはね、続編らしくすれ違い誤解思い込みのオンパレードで。
主人公カップルがほとんどなかなか会えない一冊じゃないかな?会えなさすぎでしょ?
お付き合い3ヶ月な二人。緒方の仕事の都合でなかなか会えずに今だに緊張してしまう佐伯。
う〜ん、緒方もなあ。いくつの設定か忘れたけど嫉妬が激しすぎ!ずっと年上なのに高橋に簡単に煽られて。正直なぜそこまで?お仕置きも激しすぎて。
佐伯に逃げられたらどうするの?
連絡する時間もないし仕事内容も言えないのもわかるんだけど…。
佐伯がひたすら待つ乙女というか忍ぶ女なようで。色々事件があったのに事件内容もなんだったっけ?というくらい佐伯がとにかく辛かったです。
前作「その男、取り扱い注意!」が、かなりツボに入ったので、こちらも読まねば、と。
前は、敬介が助けた過去の事件が発端で、瑞稀と出来上がるわけですが、敬介のはじめての恋で思い入れちゃった辛さというか、瑞稀を忘れられない想いとか、キュンキュン来てたのですが、今回はそれに加えて瑞稀の余裕を持って構えたふうに見えて、実は嫉妬心、独占欲でかわいがりたい!という気持ちがすれ違うところが読み応えありました。
まぁ事件は起こるんですが、どちらかと言うと、そこに絡んで二人の関係が進展どころか後退してしまう状況になりつつ、お互いに嫉妬によるすれ違いや諦め、でも緒形は緒形で色々大変な状況で。敬介が本心じゃないのに、思わず「嫌い!」と言ってしまう子供のような初心な気持ちがこれまたかわいい訳で。
無理矢理に抱いてしまうシーンはちょっと辛いですが、最後にはちゃんとまとまると信じてたんで、敬介、耐えろ、もっと甘えろ、ちゃんと気持ちを話してー!と応援しちゃいました。
最後には一緒に住むことになって、きっと敬介は瑞樹に離してもらえないんだろうな。良かったね。
瑞稀は敬介のことを「あなた」って呼ぶんですよね。これがまた大人の男っぽくて物語の瑞稀に合っているので、良いなぁって思いました。書き方によっては、他人行儀に思えるんですが、文章にするとなぜか色気を感じるというか。
成宮さんの他の作品も読もうと思いました。
一巻のようなハラハラするようなスリリングさはなく、二巻は恋人同士になった二人のすれ違いが描かれていて焦れ焦れしました。
敬介の元バリタチゆえの戸惑いがすごくいいです。
ほんの数ヶ月前には男に抱かれるようになるとは思ってもいなかった敬介。
それまで知らなかったネコの快感を覚えていく自分の身体に戸惑いつつも、緒方に抱かれたいと思うようになってしまうとか、女みたいに喘ぎたくないと思っているのに、弄られて自分も聞いたことがないような声が出てしまうとか、萌えます。
背も高くて肉体労働をしているからガッチリとした男の身体で、顔も強面(だけどイケメン)な事を自覚している敬介は、緒方から「かわいい」と言われる事にとても抵抗があって素直に受け止められなかった。
だけどこんな自分ですら緒方が「かわいい」と言ってくれるうちは、隣にいることを許されているような気がするからと、自分から「かわいい」と言って欲しいと思うように変化するところがいいです。
そういうところがかわいい。
だけど、恋人同士になった彼らのすれ違いに関してはイマイチしっくりこず、共感ができませんでした。
敬介は、緒方の仕事がただのお遊びなんかではなく、命懸けの潜入捜査をする事があるというのを当事者としてよーーーーーく知ってると思うんです。
「今夜は仕事」と言われていたのに、女連れの緒方を見て不安に揺れる気持ちもわからなくはないけど、仕事の一貫として女といるんだな位は、思えないのかなぁと。
そして、緒方も詳細は明かせないのはわかるけど「今度の仕事は女絡みだけど、絶対に心配するな。」位は、明かしておいても支障はないと思うんですよね。
不必要なすれ違いを盛大にしてるなぁ……というのを思ってしまうのは、神の視点を持つ読者だからかしら。
一巻がとても面白かっただけに、こちらの二巻は残念ながら、正直蛇足ぎみだと思ってしまいました。