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俺はおまえと離れたくない おまえを一人にしたくない――――
タイトル通り、まさにラブストーリーだった!
これだから西田作品を読まずにはいられないのです。
胸にグッと迫るストーリーと登場人物の心の変化や表情、どれをとっても素晴らしいの一言。
巡礼者・ダニエルと騎士のレオとの偶然の出会いから始まるラブストーリーです。
ラブストーリーといっても、「愛してる」や「好き」なんて言葉は一言も発せられない。
でも分かる。間違いなく愛がある。
レオの「月がきれいだな」というセリフ……あれはもしかして、
〝I love you〟の意だったりするのだろうか?
だとしたら、なんてシャレオツでさりげない……
自分のことしか考えられなかったレオが、ダニエルと関わる事で人の幸せを願える男に変わっていく。
そして、ダニエルもレオのために全てを投げ打つことができる。
男同士の友情にも似た愛情を、じっくり堪能させて頂きました。
ラストの余韻も心地良かったです。
同時収録作は、無人島に遭難した上司と部下の話。
上司である次長がカッコ良すぎる!と思ったら、実は弱い一面もあって、そのギャップにやられました。
柚木もきっとそう。
楽園での一夜の夢ーーそのはずだったのに……
やっぱり西田先生といえばおじさんでしょ!
おじさん攻めの若いイケメン受けもいいですね♡
こちらも素敵なラブストーリーでした。
西田さんには珍しく、中世ヨーロッパ風の設定。たまに短編でもそれっぽいのがあるけど、長編では今の所これだけじゃないだろうか。腐女子好みのドラ◯エみたいな感じもする。竜は出てこないけど愛の冒険はあります。
でも登場するのは西田ファンにとってはお馴染みの素敵なキャラクター達。ツンデレのイケメン巡礼者、荒っぽいけど心優しい大型犬みたいな農民出身の騎士。めっちゃ渋くて仕事のできる部長…じゃなくて司教様。過去に騎士が惚れてた芯の強いカッコいい女性。ブレないんですよね。ファンの大好きなあの人達が時代や国籍も超えて出てきてくれる感じ。西田劇団とおっしゃってるレビューを見たけどまさにそんな感じです。
あと西田さんってタイトルつけるのが本当にお上手。何度読み返してもこれ以外ないなってのをつけてらっしゃる。色々切なさも詰め込んでるけどハッピーエンドのロマンチック・ラブストーリーです。2人が結ばれるとこまでは描かれてないけど、西田さんの法則だとダニエルが攻めでレオが受け。優男っぽいけど力強い美形が純朴なガタイのいい男を攻めるパターンが多いもの。リバもあるかも。
同時収録の「パラダイス・パラダイス」もタイトル通り、外国の無人島で冴えない上司と2人きりになったら、上司はサバイバルな状況で力を発揮するワイルドで素敵な男でした…っていう話。でも結局2人のパラダイスは日本に帰ってからも続くのでした、というこれもハッピーエンドです。ハッピーエンド大好き。
西田作品どれも神評価になっちゃうから、皆さんの参考にならないかな?とも思うけど指が勝手に…やはりそれ以外は押せないのです。好きすぎて。
一枚めくったらもう本の中にいました。
そしてなにがこんなにも心を揺さぶるのか。
すごいセリフとか説得力じゃない気がするのです。もちろん素敵なセリフもモノローグもしっかり目に入れていますが、絵だけで伝わるものがまずある、目と目の会話だけで伝わってくるものが、もっとベースにある...たぶんセリフがなくても涙が出てしまうだろうなぁと思います。ホント、何度無言で見つめ合ったらいいの。
やはり西田東作品(改名されましたので西田ヒガシ作品ですね)はストーリーが深く、また人間臭く男臭い主人公が魅力だと思います。ほぼ読んでいるつもりだったのですが、まだまだ未読作品があることに気づけてまた楽しみが増えました。改名された今後の作品、待ち遠しいですね!
中世が舞台の長編と、南国にやってきたリーマン短編、2作品が収録されています。
「ラブストーリー」
貧乏騎士×修道士を目指す農奴。ダニエルはサンディエゴへの巡礼の道中に、武芸試合に出場するレオナルドに出会い…。
レオナルドもダニエルもそれぞれ男として魅力的であり、惹かれる過程が自然でした。道中で互いに惹かれるも、行うべきことがあるがゆえに別れます。ダニエルはレオナルドを想って別れるも、彼の窮地に自分を犠牲にしてもと願うのにじんと来ました。身体を重ねることはないのですが、心がつながっているのが感じられて良かったです。
「パラダイス・パラダイス」
南国に出張で来た柚木(受け)と野沢次長(攻め)。船が壊れてしまい、二人は小さな島に辿り着いて暮らすことになりますが…。
次長が男前な行動をとるので、柚木が惹かれるのが分かります。次長は妻子持ちなので、会社に戻ったら…と思っていたら、ちゃんとハッピーエンドでほっとしました。
表題作「ラブストーリー」と同時収録「パラダイス・パラダイス」の大きく分けて2作品収録です。
表題作「ラブストーリー」は、巡礼者ダニエルと騎士レオナルドの二人の、違う世界に生きる二人が出会って、そして一緒に旅をするうちに離れがたくなっていく、そんなさまを描いた作品でした。
作中で二人は一度も抱き合うことがありません。性的な描写はないのですが、二人の間には濃厚な空気感が感じられます。
それにしても中世っぽい雰囲気なのになぜタイトルが今っぽい「ラブストーリー」なのか。激しくバブル期のトレンディドラマを彷彿とさせるタイトルです。日本にバブルよ再び!
「パラダイス・パラダイス」は海外出張中に無人島で始まる上司と部下の禁断の恋物語でした。
うわー。展開がゲイものっぽい。だが好きだ。
またこの上司がとってもいい人でした。遭難した時こそ、その人の人格が現れますよね。
私も冷静でいられるだろうか。な~んてちょっぴり考えてしまいました。
