一目惚れの相手は大嫌いなクライアント!? 天敵同士の勘違いラブ!!

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表題作お前になんか惚れてない!

佐藤孝士
不具合の多いシステム修正を担当するSE
鈴木潤
文系なのにシステム担当として他社に出向中

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

クライアントからの厳しいクレーム電話で腐っていたSEの佐藤は、気晴らしに行った店で超好みの強気美人♂と出逢う。意気投合してベッドを共にするが、なんとお互いがさっきのSEとクライアントだとわかって…!?
(出版社より)

作品情報

作品名
お前になんか惚れてない!
著者
成宮ゆり 
イラスト
海老原由里 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784044520106
3.5

(63)

(15)

萌々

(17)

(23)

中立

(4)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
21
得点
216
評価数
63
平均
3.5 / 5
神率
23.8%

レビュー投稿数21

見栄っ張りと意地っ張り

メインカプのBL的あれこれはとても好き。ただ仕事面でのストレス要素が結構多く、腐った会社はそのままで終わるので、すっきりしない。現実的といえばそうだけど、せっかくフィクションなんだし、一発かまして欲しかったかな。

ゲイとノンケの酔って体から始まるお話。佐藤視点オンリーでも、佐藤だけでなく鈴木も素直じゃないのがよく分かる。佐藤は見栄っ張りで鈴木は意地っ張り。なのでややこしい拗れ方でなかなか上手くいかない。

お互い仕事で関わらないといけない相手で、鈴木の方が大人げないことしてる印象で、相対的に佐藤に包容力があるように見えてくる。加えて佐藤は自社での理不尽な扱いに耐え続けており、幸せになって欲しいと思わずにいられない。

最終的なオチは一番良い形に落ち着いたけど、些細な誤解でここまで回り道してやっとくっついた二人が、共同経営者としてやっていけるのか、と余計な心配をしてしまう。まあ揉めに揉めながら起業するのも一種のプレイとかって感じになると良いな。

ラストの甘々シーンは、鈴木のあまりの変わりっぷりに驚いた。ここまで素直になってツンデレの見本みたいなセリフを聞けるとは。この初々しい雰囲気がいつまで続くのか、今後の彼らも見てみたいと思った。そのうち理想のケンカップルになってくれそう。

0

リーマンもの

互いの素性を知らずに寝た相手が実は仕事先の人だった話。
ツッコミを入れたくなるシーンも結構多かったのですが、全体的には面白かったです。

攻めの佐藤視点で話が進みます。
佐藤が鈴木(受け)と初めて対面した時のドキドキを、仕事のストレスによる条件反射だと思い込む流れが良かったです。
やっぱ恋じゃん! と気付くシーンがあるともっと萌えたかも。この時この瞬間と言ったシーンはなく、その辺はサラッとしていました。

ひたすらモダモダではあるのですが、中盤で付き合い始めます。
付き合い始めてからも、初対面時のイメージの押し付け合いが原因でモダモダ。
モダモダはどっちもどっち……かな?
二度目のセックスが受けから攻めへのイメージを固めてしまった気がします。ヤリモク男っぽかった(笑)
とにかく話し合いをしろと言いたくなる二人でした。

誤解が解けた後の鈴木のプロポーズが良かったです。
予想の出来る展開ではあるのですが、萌える。
それまでずっと佐藤から動く事が多かったので、鈴木からのアプローチが一段と刺さりました。

付き合っては居たけどお互いに遠慮しまくり勘違いしまくりだったので今後上手くいくかは普通に心配。
とりあえず佐藤の職場が労基に罰則を科されますように!

1

社畜同士の良きリーマンもの

酒場で出会って意気投合。
「あんたなら男でも抱ける」と言うノンケの攻め。
「(バリタチなので)抱かれた経験はないが、俺もお前が相手なら抱かれてもいいと思える。」と返すゲイの受け。

酒の上での戯言とは言え、初対面でこんなに盛り上がってしまった二人。
なに、こいつら♡♡♡

「元攻め」の受けっていいですよね。
バリタチだけど、あいつにならお尻を許してもいいというところに特別感を感じて萌えます。
おまけに初対面同士なのにこんな会話をしあってて、どんだけビビッと来まくりなの?あんたら……♡

そして盛り上がってそのままベッドインするも、お互いの正体を知り天国から地獄へ……。
そんな微妙な空気の中でも連日のように電話のやり取りを、さらには顔を合わせて仕事しなくてはいけないという心理的なキツさ。
そしてパワハラ上司&トラブル頻発のシステムのせいで、社畜化&過労死レベルのお仕事っぷり。

このお仕事描写がかなりリアルなので、リーマンもの読んだー!って気分になれます。

やがて受けのことが好きだと自覚した攻めが告白するんだけど、困惑してなかなか返事をしない受け。
おまけに付き合ってからも何かと攻めを避けるんですね。
ツンデレレベルではなく、別れの予感が漂うほど避けまくる。

ちょっとここは読んでてトーンダウンしちゃいます。
攻め視点なので、受けの気持ちが見えてこない。
おまけにこのすれ違いが結構長い。

コミカルならこのもだもだっぷりも楽しめるのだけど、仕事面でも攻めが追い詰められてるわ、受けともうまくいかないわ……で読んでてしんどいこともあり糖分不足に。

それなのに、誤解が解けたあとのイチャコラパートは短いので、えっ!ようやくいい感じになったのに、もう終わりなんですか?と。
受けの本音はめっっちゃ可愛くてギュインと萌えるものがあったけど、なんせ短い。
後日談があるなら読んでみたい二人だと思います。

1

メリハリの利いた物語

 勢いで体をつなげた相手は、実は厄介な取引先相手だった。

 というお話。

 欠陥だらけのシステムの修正を一人で押し付けられたプログラマーの佐藤には天敵がいた。
 それは、そのシステムを使用している会社の鈴木。
 彼は、システムにエラーが出るたびに昼夜問わず電話をしてきて、佐藤はその対応に追われる日々。
 そんな中、居酒屋で出会った美人と関係を持ったところ、その相手が天敵の鈴木であることがわかって……

 とまあそんな感じの犬猿の仲が公私ともにパートナーになる話です。
 佐藤の勤めている会社はちょっとひどすぎるんじゃないかって感じもしますが、リーマンラブとしては、メリハリが聞いててとても面白かったです。

1

がんばれ

『理想の男の作り方』に大感動してしまって『成宮さん祭』が始まってしまったためこちらも読了。
打って変わってこちらはとても楽しいお話でした。

残業続きでくたくたに疲れて、居酒屋で隣り合った同業の美貌の男性。
話しているうちに盛り上がり酔った勢いで同衾したら、実は電話でしか対応したことのない仕事相手(それも「感じ悪い」と思っている奴)だったという悲惨。
……これ、自分の身に置き換えたらとても怖ーい!

ただ、2人とも互いに仕事に対して誠実であることが解って、好意を持っていくんですけれど、ノンケとゲイということもあって、誤解が誤解を産み『モダモダ』が繰り広げられます。
この『モダモダ』をニヤニヤしながら楽しむお話。

「好きになった相手に良いところを見せたい」と思うのはあたりまえなんですけれど、この2人の意地の張り合いは「相手に弱みを見せたくない」という部分も感じられるんですよね。
それが嫌味ではなくて可愛らしい。
「ああ、男ってこういう感じで見栄張る奴、結構多いよねぇ……馬鹿だなぁ」っていう可愛らしさ。
この2人は、見目が良く仕事も出来るので余計にそう感じます。

しかし、SEの仕事ってみんなこんな感じなんですかね?
かなりブラックなんですねぇ。
あとね、上司とか、会社の無責任さとか……ホント、理不尽よねっ!

まぁ、私の仕事も人の事を言えないことを考えると「自分なりにここまでの水準で仕事をしたい」って思えば、五十歩百歩なのかもしれません。
そういう意味でも、LOVE的な意味でも、側に寄って「がんばれ」と肩を叩いてやりたくなる2人でした。
がんばれ。

2

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