俺のこと、見てたでしょ?

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表題作その手を取れば

笠原,32歳,早大卒のエリートリーマン
林陽向,高校2年生

同時収録作品夏に途惑う/夏に途惑う

上月(リーマン、課長)
坂下(リーマン、部下)

同時収録作品君しか見えない

芳也(大学生)
明里(大学生)

同時収録作品真夜中を過ぎた頃

宗二郎(大学生、弟)
利一(リーマン、兄)

その他の収録作品

  • この手の中に 前後編
  • この手をつないで(描き下ろし)
  • 坂下と課長のかきおろし
  • あとがき
  • カバー下「ムリヤリコラボ」この3人が大学で同じサークルだったり。

あらすじ

セクシュアリティに悩む高校生とゲイのサラリーマンを描いた表題作ほか
上司×部下のオフィスラブ、禁断の兄弟愛なども収録した最新刊コミックス☆

友達も進路も恋愛も、高校生の陽向にとって全てが先の見えない不確かなものだった。そんな陽向の前に現れたサラリーマンの笠原。
寄せてくる好意に戸惑いつつも、拒みきれない本当の自分。
そして突きつけられるセクシュアリティ。
認めるのが怖い。でも、それを認めたらどうなるんだろう…。
思春期から青年へ、恋を通して成長していくセンシティブラブストーリー。

作品情報

作品名
その手を取れば
著者
千葉リョウコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
東京漫画社
レーベル
MARBLE COMICS
発売日
ISBN
9784904101698
3.1

(40)

(4)

萌々

(8)

(22)

中立

(3)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
13
得点
121
評価数
40
平均
3.1 / 5
神率
10%

レビュー投稿数13

曖昧な学生時代

千葉リョウコさんの短編集。表題作のみ中篇です。
一度読んだ時はサラっと流しちゃったんですが、改めて読むと結構奥が深い…ような。

社会人×高校生という、歳の差設定。
主人公の陽向は、進路も不確かで自分の性癖についても受け入れられずふわふわと曖昧な毎日を送っている。笠原は自分のセクシャリティを既に認めた立派な大人ですが、そんな笠原の手を陽向はなかなか取れない…。
ずっと優しい態度の笠原が「自分だけがこんな性癖で悩んでると思ったら大間違いだ、馬鹿にすんな」と怒るシーンが印象的でした。

結局、会えなくなってやっと自分の気持ちに素直になった陽向が笠原に告白する…という結末ですが、陽向がもうちょっと芯がしっかりしたキャラクターだったら良かったかな、と思います。

それでも評価を高くしたいのは、最後の「真夜中を過ぎた頃」という短編が非常ーに好みだったから。兄弟モノで設定・展開的にありえない話なんですが、その訳分からなさを省いても何故か萌えた。ここで終わらないで続きが見たいです!

4

怖い、ばっかじゃ動けない

「オレが歩くこの先には道なんかないんじゃないかって思う」

高校2年生の陽向(ひなた)。特技もなくて、特に秀才でもない。やりたい事も見つからない。他の友達と違って、女の子に興味がない……
自分が友達と違う事を怖いと思っている。自分が魅せられている世界、そこに行きたくない。「それを認めたらオレは これからどうなってしまうんだろう」
その恐怖感、孤独感をしつこく自分に言い寄ってくる笠原を拒み続ける描写で、外側から表現していると思う。「その手を取れば」世界が変わってしまう…
まだはっきりと誰かに恋してる訳でもなくて、でもみんなとは違っていて。将来・進路の不安と自分は一体誰なのか、という不安。
怖くて怖くて、逃げて。一度離れてみて笠原に惹かれている自分を思い知る。一度認めると今度はとことん一途な可愛い陽向です。

「逡巡する春」「夏に途惑う」
部下から告白されて、迷ったり逃げたりしながらも向き合っていく課長さんの話。この若い男はどうしてこんなに直球なんだ?

「君しか見えない」
大学生?カップルの痴話喧嘩。二人ともちゃんと言いたいことを口に出して言えて、甘く仲直りH。

「真夜中を過ぎた頃」
こういうガチ兄弟ものは初めて読みました。近親地雷の人も、兄弟モノ大好き派も「これは面白い」って思うんじゃないかな。美人お兄さんの襲い受けで、ガタイのいい弟はギリギリの理性で最後の一線を踏みとどまってる?深刻じゃなくて萌えますよ。

4

恋と向き合うのは誰だって怖い

自分の性癖に悩む高校生や部下から好意を寄せられて戸惑う上司など4つのお話が収録された作品集です。
千葉さんはネーム買いの作家様ですが今回も充分楽しませてもらいました^^

□その手を取ればシリーズ
マイノリティな恋愛に葛藤する高校生とその頑な心をこじ開けようと頑張るリーマンのお話です。割とあっさりカップルになりがちな昨今、今回のお話は久々にBLの原点をつく新鮮なテーマでした。
薄々気付いてる自分の性癖から目を背けたいのに笠原の好意も強くは拒めない陽向。しかし中途半端な気持ちのまま押し倒された陽向は覚悟してなかった男同士という罪悪感に直面させられ笠原の気持ちを踏みにじる形で逃げ出してしまう。
笠原には気の毒だけど、でもまぁこれは陽向にとって自分の気持ちと向き合う為の必要なプロセスだったんじゃないかなって気がします。流されるように曖昧な関係を続けたところでいずれ破綻しちゃうのは目に見えてますから。
なのでそんな苦難を乗り越えた2人の恋人タイムは君ら中学生?!て言いたくなる位の初々しさでした。特に笠原が(笑
描き下ろしに至ってはもはやバカップル丸出し^^必見ですよ

□逡巡する春・夏に途惑う
会社の上司×部下
一回り以上も若い部下から告白され振り回されるオッサンのお話。
これはホント個人的な感想なんですが、このカプ攻受逆なら更に萌えたかも。ぶっちゃけ課長って私的にはモロ受タイプなんですよ。いつか逆転されるのを密かに希望…

□君しか見えない
眼鏡がテーマの同級生カプのお話です。
こちらに出てくる攻の原田はなんてゆうか…天然?いや無神経なのか?…とにかく笑っちゃうほどマイペースな男です。Hの後に疲れたと言って明里(受)を怒らせたり、壊された眼鏡で普通に登校してきたりと本人無自覚で周りを振り回しちゃうタイプ。でもその分、自分に正直だから「疲れるけど(悦い事=H)したい」のストレートな一言はエラい殺し文句でした(笑
そして何よりHの時にも眼鏡を外さないってのがもう激萌え!!眼鏡好きにはGJ!

□真夜中を過ぎた頃
弟×兄の兄弟モノ
有り得ないほど強引なストーリー展開に思わず笑っちゃいます^^弟のベッドにもぐり込む言い訳を夢遊病だと言う兄も、それを信じこんで色々イタズラしちゃう弟も。似た者同士の天然アホ兄弟です(笑

因みに下二組のカプはカバー下でリンクしてる話も載ってるんで是非カバーも捲ってチェックチェック!!ですよ^^

7

恋をして人は臆病になる。

なんというかどの作品も恋愛にぐるぐるしててもどかしかったです!(笑)

「その手を取れば」シリーズ。
なんだかとってもピュアだ!
忘れかけてた何かを感じさせるというか。
簡単に恋愛に発展せずにその前の段階で思い悩んで。
悩んで悩んで自分の感情も受け入れきれずに拒絶して。
けれど、最後に残るのはやっぱり本当の気持ちで。
自分が手離したはずのものに最後には手を伸ばす。
最初は周りの目とかいろいろなものを気にするし気になる。
けれど、やっぱりもっと大切な気持ちがあって。
あと、サブCP?の子たちが気になりました。
この子たちの話はないのか!?

「逡巡する春」シリーズ。
最後の最後に至るまで、一体どっちが受なんだろう?とちょっとドキドキしながら読んでしまいました。
いや、だって、ほらああいうオヤジ受もあるかと…。
ずっとわりと受の方が押せ押せな感じだったので。
そんなにかわいいかわいい感じでもなかったし全然攻めれそうだったし。
でも、オヤジが攻めるくだりの話ではもうかなり受はかわいかったりもしたのですが。
久々の恋愛にタイトルどおりに逡巡するオヤジが情けなくもありステキだ。
最後にはちゃんと自分の気持ちと向き合って踏み出すオヤジ。
その踏み出す力をくれるのもまた、それだけ想いが募っている証拠なんだろうな。

「真夜中を過ぎた頃」
兄弟モノですね。
弟×兄。
この後の展開がすごく気になるのですが…。
兄のやりようがなんか好きかも。
素直に気持ちを伝えられない結果、こんな展開に。
ある意味、襲い受ですよね?
でも、この先へ進むには兄が踏み出すしかないのですね。
頑張れ、兄!!

どの作品も年齢とか関係なく恋愛にぐるぐると想い悩み臆病になってる姿が描かれていてなんだかキュンとしました。

5

最後の短編がヤバいです!!

けっこう真面目な人たちの恋愛です。実はそんなに期待してなかったですが、想像以上に楽しめました!どのキャラもちゃんと悩んで恋愛してるな~~って感じが出ててよかったです。安易に付き合うこともなければ、どうして好き合ってるのか謎なカップルもいないです。
ちなみに、最後の短編だけは『神』評価したくなるほどヒットでした!笑
これだけでも読む価値ある。ってか、読んでほしい…!めっちゃ萌ました*(´艸`*)♪

■その手を取れば
表題作。自分がゲイだということを受け入れられない高校生の苦悩を描いてる話。題材もいいし、落とし所も無難。クールで無愛想な高校生がいい大人をあしらう姿などよかったです。ただ、なぜかそんなにキュンとはしなかった…。描き方が淡白なのかそこんとこ謎ですが…なんかちょっと惜しかった記憶があります。

■この手の中に
『その手を取れば』の続き。はれて両思いになってから、初エッチまでの話。いざ付き合ってみると高校生になかなか手を出せない攻めがいい感じ。でも、クールだった高校生がすっかり雰囲気柔らかくなっちゃって、飼猫みたいに大人しくなってしまったのが残念でした。個人的には付き合ってからもクールに、かつ、怖気付いてる大人を誘い受けるくらいの男らしさを見せて欲しかったかも。

■この手をつないで
その後の描きおろし。

■逡巡する春
ノンケ上司×ガンガン攻める(コクる)部下。無愛想で恋愛に保守的な上司が部下に告白されて、彼を意識し、それでも「ないな…」と思いつつ、勢いに負けるように恋愛の対象として認識していく話。ノンケのオッサン攻めが好きな私ですが、この上司はなんかちょっとツボと違いました…。大人しすぎるというか…部下に惹かれる動機が薄いというか…なんだろう…?笑

■夏に途惑う
『逡巡する春』の続き。恋愛対象に入った部下との距離を縮め、付き合うまでの話。健気で押し付けがましくない部下のアプローチの仕方がかわいい。

■坂下と課長のかきおろし
『逡巡する春』の二人の描きおろし。付き合ってから初めての旅行が出張だったんだけど、それでも喜ぶ部下がかわいい。この描きおろしを読んでからこのカップルが「イイ!!」と思ったという…描きおろしの最後のコマが一番キュンとした…笑

■君しか見えない
付き合って1年のカップルが倦怠期(?)を乗り越える話。やってる間に「疲れた…」と言われた受けがマジギレします。そりゃそーだわな…(=ω=) 短いけど嫌いじゃない二人。喧嘩しながら末永く付き合っていけばいいよ♪

■真夜中を過ぎた頃
これ、いっちゃん好きだった!!大学生の弟と社会人の兄のガチ兄弟モノでっせ!!笑
両親の転勤で同居することになった兄弟の話。元から弟を狙っていて、夢遊病といつわって毎晩弟のベッドへ夜這いしにいく兄と、そんな兄が割とキレイ目なのでなんだか無駄に欲情してしまった弟が、もんもんとしながら夜を過ごすのがめっちゃツボでした!でも、必ず弟が最後の理性でもって自分を抑制してトイレに駆けこむので、ラストまではできないでいる二人…。も~~え~~~!!!(´ε`●)*。.・
イイ!!この寸止め感…!!かなりツボでした…!この短編だけでいえば『神』です!!この話で1冊出してもらえたら幸せ…(=ω=*)♪

《個人的 好感度》
★★★★・ :ストーリー
★★★・・ :エロス
★★★★・ :キャラ
★★★★・ :設定/シチュ
★★★・・ :構成

5

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