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凪良さんご自身、あとがきでも書かれているように
まさに王道のお話でありました。
安全運転で走っていく心地よさ、
勿論、お話自体は紆余曲折あり、せつなさもありで読んでてハラハラドキドキと楽しいんですけど、
すーっと楽に心地よく、じーんと心に感じながら読める楽しさがありました。
初めて読んだ時はガツンと来るものが読みたい時期で、
手元に置いておいて何回も読み直す本じゃないかなーと思ったんですが、
ちょっと疲れちゃって、なんか悲しくなってきて、気分転換したくって、
ちょっとBLでも読もうかなと思った時に、
あー、この作品が読みたいなーと思ったんですよね。
そして、読んでみてちょっと優しい気持ちになれた気がします。
手元に置いておいて良かったと思いました。
主人公如月は両親がいなくて、家に帰っても誰もいない。
でも耐えるしかないし、明るくてする方がいいってのは解るんだけど…きついよなー。
他に好きな人がいるって解ってるのに、
必要とされてると、相手の期待に応えたいと
全〜然自分は平気!お前頑張れよ〜なんて言っちゃう自分。
あー本当なにやってんだ、バカだよなーなる自分
解るわー。
もう読んでて本当痛い。
だから読んでて「あー!」と言いたくなるんですけど、せつないんですけど、
如月に対して応援の気持ちが大きくなって、身近に感じて、ちょっと自分のあの頃を思い出して、読んでて楽しかったです。
また、相手の里見が少しづつこちらに向いてくる過程も、
自分がそうであった時に相手に求めてた理想の展開なんですよね。
だから余計に楽しかったです。
如月が唯一甘えられるキンピラと榎本、
このキンピラと榎本が良かった!
「ハルチャン、オカエリ。ハルチャン、オカエリ」って…
せつないけど、癒されるよーキンピラー。
途中キンピラが壊れてしまった時、こっちも泣きそうになりました。
直って良かった(^_^)
最後の書き下ろしの榎本の話、良かったですね。
早く榎本にも誰か大切にしたいって想う人がいる現れるといいな。
嫌な事忘れて、
ただゆったりとこの世界を楽しみたいって時にうってつけの1冊だなーと、
今回読み直してみて改めて思いました。
確かに王道。完成されたBLというフォーマットに則った上で、凪良さんらしい一工夫や繊細な描写が胸に迫る素敵な作品ですね。
寂しさを内に秘めてサバサバと大人らしく振舞うことに慣れた20代後半のサラリーマン・如月と想い人である部下・里見、そして幼馴染を取りまく物語です。
色恋沙汰には慣れているそぶりで露悪的にふるまう癖に隠れて泣く主人公とか、酒の勢いでうっかり身体を繋げてしまうけどセフレのようにふるまうとか…BL的なテンプレでありながら、やっぱり焦れるし胸がぎゅっとなりますね。
表紙にも登場するワンコ(おもちゃ)は物語の重要な小道具なのですが、それもなんとも魅力的。意表を突かれる展開があるような話ではないのに、時折読み返したくなるような話に仕上がっているのがさすがですよね。
そしてラストの方に、ずっと主人公たちを見守っていた幼馴染(榎本)視点のショートエピソードがあるのですが、これもいいんですよね。こっちをメインにして独立したBLに仕立てることも出来るじゃん!?って感じで。……でもそれをやらないのも肝なのかな?
ちょっとずれますけど、人間、完全なヘテロも完全なゲイも居るけど、揺れてる人も多いと思うんですよね。この話での榎本のようにふわりとした何かを感じても、多くの人はふっと振り払っちゃう…みたいな。そんな微妙な想いが柔らかく描かれていて印象的でした。実は本編に並ぶくらいこのエピソードが好きだったりします。
さすが凪良ゆうさん。
ごく普通の王道作品なんだけど、文句なく面白かったです。
ほんと上手い。
どんな作風の作品を書かれても、ちゃんと自分のものにしてる。王道なのに個性もあって、隅から隅までうまい。
最初のエッチ、萌えたー。
お互いラブラブのエッチより、やっぱ私はこういうエッチのほうが好きみたいです。
身体からはじまる恋って確かによくあるんだけど、それで一足飛びに攻めが受けにハマらなかったのが逆に好きでした。
じわじわと攻めが受けを好きになっていくの、受けは気づかなかったけど、私を含めた読者の腐女子はみんな気づいてたよ!気づいてキュンキュンしてたよ!w
受けが壊れたキンピラを抱いて泣くシーンでは、私も一緒に泣きました。キンピラが壊れたからこそ、攻めの前でも思いっきり泣くことができたんだよね。そう考えるとキンピラは色んな意味で救世主だ。もしキンピラが壊れてなかったら、たぶんこの受けはまた痩せ我慢して強がってみせて、攻めの前で泣くこともできなかっただろうから。
キンピラが涙腺のスイッチを押してくれたんだよ。
最後に一言
榎本は攻めであって欲しいよ!
そして、できればパラレルワールドで如月と結ばれて欲しい。
ヒゲのオッサンに榎本が食われるなんてヤダ~!!
でも凪良ゆうさんがもしヒゲのオッサンと榎本のスピンオフ小説とか書かれたとして、それを読んだ私は間違いなく「榎本の相手がヒゲのオッサンで良かったー♪」とかコロッと手のひらを返すんだろうな。
だって凪良ゆうさんだもの。実際に読んで萌えないはずがない。
片想いの相手には、他に好きな人がいて・・・
自分の幸せよりも相手の幸せを願い、協力者になってしまう受。
受の生い立ちや孤独感から、臆病でいい人になってしまうのは、無理もないかな~って、共感はできる。
でも、ちょっと女々しすぎて、何かモヤモヤvv
たくさんのオモチャ達に囲まれて過ごすのも、孤独感が募って涙を誘うけど、いい大人の男がそれはちょっとどうよ?と、どっか冷静な自分がいて。
まぁ、それくらいなら許容できる範囲内。
だけど、受・攻 両方の告白アイテムが、あの録音できるオモチャっていうのが、何だかな~
受はキャラ的に、アリ。
でも、攻もか~~~っ?!
男ならズバっと直に告白せんかい!
中学生みたいなやりとりが、何かモゾモゾして気持ち悪かったw
大学生くらいまでなら、すんなり引き込まれた気がするけど、20代後半の男がそれはないんじゃないかな・・・
切なくてイイ話だけに、そのへんが納得できなくて のめり込めなかった。
リアルだからこそ、受け付けられなくてxxx
酔ってHもツボ♪ セフレな関係で片想いなのも萌え♪
受が幸せになって、本当に良かった~!って心底思った分、ピュアになりそこねた自分が残念で・・・敗北感が残ったvv
中立にしようか迷ったけど、たぶん自分のせいなので^^;
時間をおいて再読してみます。。。
題名からして人を喰ったような、、一体この題名の意味はと読み終わって、なるほどな~!語呂合わせもありますが。
評価としては、神に近い萌え。
主人公のすれ違う思いに、その優しさと淋しさに、思わず同化してしまい涙も誘われてしまいました(ウルウル、、)
早くに母親を失くし父子家庭で育った如月は、大学生の時に唯一の肉親の父親をなくして一人暮らし。
目下の家族は淋しいだろうと父親が買ってくれたロボット犬のキンピラ。
同じ部の年下社員・里見に想いを寄せているのですが里見には好きな人がいて、少なからずショックをうけるのですが、酔った勢いで里見と如月は寝てしまい、それから始まるどっちつかずの関係。
ストーリーとしては片思い同士が相手を思いやるばかりに思い込みのすれ違いをし、中々本音が伝えられずにいるという王道の恋愛ものですが、何故かこんなお話が新鮮で、心の琴線に触れました。
如月が、最初に寝てしまった時に里見が覚えていないのをいいことに、罪悪感を軽くしようと、俺から誘ったとウソをつくところから、なんて後ろむきなんだろうと、悲しくなりました。
里見を思いやる風を装いながら、自分が傷つくのを極力避けようとする。
一見、明るくて優しくて思いやりのある態度をするけれど、その底は全て失くすことの怖さから傷つかないため、相手を傷つけない為のはずなのに。
関係が段々良好になるにつれ、その遠慮は相手を傷つけていくのですよね。
里見は如月に恋の相談もしながら、セフレのような関係を続けていく、その無神経がちょっと気になりもしましたが、年下だし、如月は上司だし、甘えていたのかもなとも思えます。
だから言葉にして直接伝えることができなくて、最後の大きなすれ違いを生んでしまう。
言いたいことを素直にいう、欲しいものは欲しいと言う、ギリギリの切羽詰まった時でなければ出なかった二人の本音でしたが、エピローグに綴られたその後で、二人の良い関係が幸せそうで嬉しくなる、そんなお話でした。
本編には如月の隣人で幼馴染の榎本が随分と如月を助ける役目で活躍したり、お邪魔虫になったり、いい存在感を見せていましたが、『秘密の箱の中』にて、やっぱりな~という部分が見られてニヤケてしまいます。
惜しかったよ、、榎本!!