ひとカケラでもいい。俺がまだ君の中に存在しますように…。

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表題作花の破片

目の不自由なクオーター ジェイク・25歳
新宿東署刑事課長 田崎怜・33歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

「自分の運命は変わった…。誰よりも大切だったはずの親友を裏切ったあの夜から……」。
新宿東署・刑事課長の田崎礼は、ただひとりの親友だった、麻薬取締官の竜野真紀を裏切ってしまった。結果、真紀は香港マフィアに拉致され、1年経った今でも行方不明のままである。
深い後悔の念から田崎は、たったひとりで真紀を救うため、香港に乗り込むことを決意するが、突然現れた盲目の、元軍人だという妖しい男に妨害され……。
嘘・疑惑・嫉妬・愛。懸命に隠してきた男の想いが、今明かされる…。
(出版社より)

作品情報

作品名
花の破片
著者
愁堂れな 
イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
シリーズ
新宿退屈男―欲望の法則
発売日
ISBN
9784812442579
3.3

(12)

(2)

萌々

(1)

(8)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
39
評価数
12
平均
3.3 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数7

田崎のお話

新宿退屈男シリーズ、スピンオフ。シリーズ合わせて5冊目。
本編で、裏切者といわれていた田崎さんのお話です。

ただ一人の親友を裏切る結果になってしまった。
田崎はその原因である、麻薬取引をしている副島、北原に凌辱されていて・・・。
それでも、真紀を助ける機会をうかがっていて。
そんなある日、目の手術の為、日本に来たという外人、ジェイクと出会います。
そして、犬の散歩を手伝ってくれとジェイクに頼まれて・・・。


時間軸は北京の後のあたりから話が進んでいき、最後は香港の後あたりまで。
突っ込み所は、もう置いといて・・・ジェイクの正体とか、都合よすぎるなぁ~とか。
想像していたよりは、面白かったです。
何故、田崎は真紀を裏切るような事になってしまったのか。
このワケが解り、すっきりしました。
田崎の真紀に対する想いが、なんとも切ない感じで・・・最後の所での余韻が良かったです。

それと、田崎さん・・・総受けでしたね。ちょっとびっくりでした。
シリーズ1冊目ではそんな感じはしなかったのに。

田崎もいつか、真紀と再会出来ればいいな、と思えるラストでした。

1

設定の荒さが…

ラノベですし、BLはファンタジーですし、古い作品ですから当時はこういう適当さがあっても気にならない風潮だったのかもしれませんが、色々と荒が目立ってしまった気がします。

FBIの交換留学が実際にあるのか知りませんし、まったくの素人の考えで書きますけど、アメリカと日本の警察は制度も組織も全く違うと思うのですが、交換留学というものがはたして成り立つのでしょうか?
しかも、それなりに力のある政治家や警察幹部の捜査と逮捕を外国人に任せる??
日本にとっての重要機密もあるだろうに、外国人の交換留学生が受け持つ??
流石にあり得ないんじゃないかなと…

ずいぶん前から警察は北原達の悪事を掴んでたとありますが、それなら国内で死んだことになって香港に連れ去られた真紀のことは??その時点で動かないのもおかしい気がするし…

他にも、田崎は拳銃をホルスターで身につけたまま警察署からタクシーで帰宅とか、田崎を拉致した際にいつもの料亭に連れ去るとかセキュリティガバガバで危機感無さすぎだし、肋骨が確実に折れたかヒビが入ってるはずの田崎がジェイクに抱かれても平気だし、エピローグの田崎の回想での高校時代のシーン、真紀と友紀の両親が亡くなったのは1巻では真紀が大学生のときのはずなのに、弟が帰ってくるから真紀がご飯を作るって、すでに両親がいない前提のように書かれてるし。
(「隷属の闇」でも真紀が高校生のときにすでに両親が亡くなっていることになってて疑問でしたが)


他にも細かい部分で突っ込みどころ色々ありますが…
(副島と北原が取り調べられたら、田崎を脅してたビデオが公にされて、ジェイクの指示で北原に近づいたという言い訳が苦しくなるような…)

あと、何かにつけセックスで相手の動きを封じるジェイクと早乙女が被ります。(そこでする!?みたいな…)

それはともかく、設定の雑さというか適当さが気になりすぎました。
評価は中立にするか迷いましたが、ジェイクと田崎が犬の散歩するシーンが好きだったので萌にしました。

1

裏切り者は?

新宿退屈男のシリーズから読んでいたら、人間関係がわかるけど、これだけだと、初めのあたりでは内容を掴むのに時間がかかりそう。
主人公、田崎が裏切り者かどうか、読み手側の判断になるのと、キティ・ミミィの飼い主ジェイクの正体がさらに作品を面白くしてくれる。

0

田崎、だから結局お前はどうしたいんだ?!(笑)

「新宿退屈男」に出てきた田崎刑事のお話~
「新宿~」に出てきてた時には、なんだか煮え切らなくてイライラする男でしたが…
この本を読んで煮え切らない訳が解り納得(笑)

内容としては、上司(近藤)がヤクザと癒着して私腹を肥やしてたわけです。
それを知った真紀は田崎へ、田崎は別の上司(北原)へ…
その結果が真紀の拉致事件、田崎自身の脅迫になるんですね。

はいっ?!田崎犯られちゃってるわけーっ!!(もちろんビデオ撮られてます)

なるほど~なので自由の利かない田崎は真紀を助けたくても
表立って動けないのか。
真紀を裏切ったことに苦しんでる田崎の前に盲目の元軍人(ジェイク)が現れてきます。
その時はジェイクの存在がどんな風になるのかハッキリしませんでしたが…

後に本当の彼はFBI(交換留学に来ている)の人間で、
警視庁幹部の内偵をしてたようです。
最初、田崎に近づいたのも北原たちの仲間だと情報を得ていた為。

だけど田崎に近づくにつれ事情も把握し、
ジェイクなりに田崎を守ろうとしてくれてたんでしょう。
まぁ守ってくれたのか?!

プロローグとエピローグで田崎と真紀の学生時代が少し書かれてました。
田崎の真紀に対する想いがなんとなくわかるのですが
ジェイクが出てきたことによってなんていうのかな~?
真紀の事はもういいのかなぁ??

最後の最後でスッキリしないな~(笑)

0

スピンオフ作品

新宿退屈男スピンオフ作品。
でも単体でも読めるかな…?

中盤までは新宿退屈男シリーズのこれまでを
本編では出番の少ない脇役・田崎目線で振り返り、
裏事実がわかる内容です。

本編では敵か・味方か、グレーな立ち位置にいた田崎。
裏切り者のレッテルを貼られても淡々としてて。
不憫になるほど不器用な男で可哀想だなと感じるものの
想像してたほどキレ者ではなくて拍子抜けな部分もありw

真紀が語る田崎の印象では出来る男だと思ってました。
蓋を開けてみれば、そもそもの原点は田崎の迂闊さが悪かったんじゃないか…?

この本自体は楽しく読めたのですが、
本編の事件の裏事実はちょっと残念な内容でした。

この本で1番萌えたのはプロローグとエピローグ。
田崎と真紀の学生時代の一幕です。
真紀に対して淡い恋心を抱いていた田崎の心情。
震える指先、見送る背中、片想い。
もぉぉぉキュンキュンする!!!(∩´///`∩)

「隷属の国」で真紀が語った学生時代と対比すると全く違います。
純粋な友情を持つ真紀と、淡い恋心を持つ田崎。
この差がキューっとなります。すごく良い。
2人の学生時代、もっと掘り下げて読みたかったな〜…。


大人になった現在の田崎は八方塞がりでした。
上司からの陵辱、
大切な親友兼想いを寄せる相手の危機、
元部下から裏切り者のレッテル、
署内での冷たい目線。

誰にも頼ること出来ず張り詰めた日々の田崎が
攻め・ジェイクと出会って、心を緩め、涙を零した瞬間が良かったです。
田崎は淡々と現状を受け止めてたけど精神的にギリギリの状態だったのが伝わります。

詰めが甘いというか迂闊というか、
そんな事態を招いたのは田崎自身でもあるのですが…(苦笑)
これからはジェイクが管理するから安心ですねw

田崎の危機を助けにきたジェイクはすごくカッコよかった!
黒髪長髪ハーフアップ+スーツ姿!!!(∩´///`∩)
奈良さんありがとうございます!!!
個人的にハーフアップ胸熱中なので滾るイラストでした♡

反して、田崎受けイラストは最初違和感しかなかったです…。
奈良さんの描く「黒髪・スーツ・メガネ・クール」が揃った男は攻めのイメージが強い( ;´Д`)

0

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