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これが二冊目かと思うほどに、独自の世界を確立している作家さんだな~と、ちょっとしんみり、だけどあったかい、そんな空気感が溢れた作品でした。
小説の挿絵を描いていること、それがストーリーの充実に役立ってもいるのかな?そんな活躍を感じさせる作家さんですよね。
ゲイの出会い系サイトで都市伝説化している書き込みで、待ち合わせの場所にやってきた剛毅と大学生の悠介の出会い。
辛い別れを経験して、もう本気な恋はしたくないという悠介と、
父親とのトラウマを抱え、絶縁されて自分を取りつくろって生きてきた剛毅。
悠介の子供のわがままのようにさえ思える一途さに、今までのタイプとは違う新鮮さを感じ変わって行こうとする剛毅。
生活・仕事の違いによりすれ違いもありながらも、2人がしっかりと結びついていく様は時にじれったく、時に胸が痛く、時にほっとし、主人公達と一緒になって時間を共有している感覚を持たせてくれます。
本気にならない、って決めていたけれど本気になっていくのが怖くて臆病になる悠介に手を差し伸べる剛毅。
悠介の素直さに、「一緒にいる時の自分が好きなんだ」と剛毅に言わせ、新しい道を進ませる悠介。
そしてすれ違いを超えて、悠介が少し大人になって剛毅を認める。
少しずつ、2人が付き合うことによって人間としても成長していく様がうまく3本にまとまっていて、じわじわっとあったかいものが広がる。
また、エロ表現もかなり真剣な姿で、淫猥とか卑猥とか言うのでなくて、魂の交信のような雰囲気がでているのです。
最初の話で、エチとデートのシーンがコマごとに交錯して描かれるシーン、視覚的にも映像的だな、とものすごく斬新でした!
そして、ラストの2人が誤解を解いて本当に結ばれる時の玄関から部屋に繋がるシーン・・・衝撃的ショットでした!
そういう表現もあったか!!
たった1コマのショットでしたが、それが物語っていました。
うなるほどのうまさ!すごいな。。。
『僕らの言い分』
割と軽めのお話。
好きといえない2人なんですが、麻生さんが表現するとなんとも味があってただの軽さで終わらない。
この作家さんの泣き顔の描き方が魅力的なんだと改めて認識した作品です。
『crossing』
スランプで売れずにもう俳優をやめようとする役者と彼のストーカー。
ストーカーが実に気味悪いのですが、かわいいストーカーだったww
読み終えた感想としましては、純粋に良い作品だったなぁと思います^^
そうですね、一言で言うなら正統派BL…って感じでしょうか。久々にBLらしいBLを読んだ気がしましたww数ある派手な設定や度肝を抜くようなシチュのお話もそれはそれで味わいがあると思うのですが、私はこうゆう日常で普通に繰り広げられてそうなリアリティあるお話をじっくり丁寧に描き込まれた作品が大好きです!!
タイトルにも挙げましたが↑BLを読んで泣かされたのなんてホント久しぶりですよ~
他のレビュアー様も仰ってますが麻生さんは独特の世界感を持ってる作家様ですね^^絵柄は今時のスタイリッシュな作風とはちょっと言い難いんですけどw逆にそれがお話と見事にマッチしていて読み始めるとどんどんストーリーの世界に引き込まれる感じです。
前作でも思いましたが好きな方には超ハマれる作家様ではないでしょうか^^事実私も今作品で作家買いが確定いたしましたww
内容は恋に破れ真剣な恋愛に臆病になっている大学生悠介と父親との確執にトラウマを抱えた会計士神山が出合い系の書き込みで知り合いお互いに成長していく姿を描いた恋のお話です。
受けの悠介は素直と言えば聞こえはいいんですが逆に言い換えれば割と自分勝手でわがまま。そうゆうタイプと付き合った事のない神山にはそれが新鮮に思えるのかもしれないけど、端から見てると結構イラッとしちゃう場面もよくあるんですね。そこで我らの気持ちを代弁してくれたのが神山の従兄の瑛仁郎。神山を想うがゆえ悠介に度々キツい進言をしてくる訳ですが彼なくして悠介の成長はなかったと思うんです。
少ない登場人物の中でかなり重要な役割を担った人物ではないかと。
そして今回私の涙を誘ったのが過去の経緯で自分の感情を押し殺す術を身に付けてしまった故に悠介の気持ちを理解出来ない神山の苦悩~悠介が成長した姿を見せる終盤のくだりにかけてです。この展開にはちょっと意表をつかれちゃいましたw
お互いに大事に思いながらも、ほんの些細な事ですれ違い傷付け合う2人は見ててホント切なかったけれど、でもだからこそ彼らが結ばれるシーンには胸がキュンキュンさせられました!描写は結構エロめなんですがムラムラではなくキュンキュンなんですよ!!ww
他に友達同士とストーカーのお話が2話収録されてまして、タイプは違えどもそれぞれ楽しく読ませて頂きました^^
でも、やぱ今回は表題作に神評価ですね!
前作の「スイートビターキャンディ」が大好きだったので今作も購入。設定としては前作の方が自分は萌え度が高いんですが、いやいやこの作品、完成度が半端じゃないです。まるでよく出来た映画のように湿度とか温度とかが五感を刺激して物語の中に自分がいるみたいな錯覚に陥ります。登場人物の呼吸が耳をすますと聞こえてきそうな感じ。ホントすごいリアルなんです。自分は基本ベタよりの嗜好なので本格派の読ませる作家さんは苦手なのですがいや~参りました。エロも生々しくきっちり描かれていてそうゆう正直なところも自分は好きですね。次回作も期待したいと思います。
帯を読んで、頑なでおとなしい感じの受を想像していた。
帯にある台詞の抜粋や煽り文のイメージは結構、中味の印象と違うと思うことが多々あるのですが。笑
この作家さんはホントどのお話も繊細で必要以上に文字で説明しない。
雰囲気やキャラの表情など、まさに絵で読ませる漫画家さんだなぁと思います。絵はホント緻密で奇麗ですしね~
そしてほんとエロがえろいよね、いいよね(*′Д`)
以下それぞれ端的に感想です。
【ティアドロップス】
はじめは受のキャラが(帯のイメージと違って)コレはちょっと好きになれないかな…とか思ってたんだけれども。
神山に出会って成長していく悠介に、そんな悠介と居て変わっていく神山。2人の感覚の変化がわかりやすく描かれていて、
初めは激情を露わにした悠介が、2度目に峰井と鉢合わせたとき折り目正しく態度を改めたシーンは、読んでて胸がキューってなりました。
【僕らの言い分】
こっちの受キャラはパッとすきだなって思いましたw
ちょっと臆病で人の反応に敏くて笑顔でかわそうとする。健気などとはまた違う感じの愛おしさがあります。
【crossing】
ストーカー受。いかにもな感じのストーカー。いいと思う。笑
私はどうしてもストーカーに萌えを覚える方の人間のようです( ′`)
帯『近づきすぎないって、約束したから-。』
表題作は、出会い系サイトの募集書き込みから関係が始まる話。
募集条件が結構細かいので魔性の美少年風かな?と思ったんですが募集主の悠介[受]はゲイである事以外はやんちゃな現代っ子少年でした。
性的経験もそれ程無く、本番は剛毅[攻]が初めてでってとことか青年ってよりは青年になりかけてる少年って感じです。
剛毅の過去も含めて2人の関係を丁寧に描いてます。
マスターで剛毅の友人がオカマ言葉も含めていい味出し役。
同時収録の2作の短編もどちらも味があっていいです。
「crossing」は健気なストーカーもどき受と今は売れていない俳優なお話。これは可愛くて読後感が爽やかな話でした、ラストの缶のメッセージがにくい。
麻生さんは基本的に絵は上手いのですが不安定な部分があり、漫画部分に関してもまだまだ荒削りさを感じるのですが今作はそこが魅力の一つでもあると思うんですよ。
これからの伸びしろをひしひしと感じさせる作家さんです。