Renta!オリジナル特典付き
初めて読んだ作家さんでしたが、ガチで泣いてしまう程感動しました。
この本は大きく2つのお話が収録されているのですが、本当にどちらも好きです。
私は主人公至上主義なところがあるので、主人公さえ幸せになれればいいやと思っていたのですが、この本を読んで根本から覆された感があります。
1つ目の『ほんとのところ・ほんとのほんと』
誰にでも公平に接するフラットな性格の一太が、四国からの転校生土屋に構い倒しては冷たくあしらわれ、というような場面から始まります。
最初からいきなりの展開で意味が分からなかったのですが、このお話は後半に進むにつれ2人の過去の話や交流が見えてきたりするんです。
その見せ方がなんかもう秀逸で、出会いから始まるよりもこういう見せ方で読んだほうがこのお話は良かったんだ、と後からじわじわ込み上げるものがありました。
2つ目の『彼が眼鏡を外すとき』
表題作が2話目で、それも1話目のスピンオフ的な感じで収録されていると分かったときはびっくりしました。
もう、なんていうか、一太の弟の賢次の健気で素直で可愛いところに涙を誘われ、巴の一途さに泣きに泣き、色々あって2人が結ばれた時は嬉しすぎてボロ泣きでした。
こんなに感情移入した本は初めてで自分でもびっくりしてます。
最後の最後に、タイトルの意味が紐解かれるのですが、それが分かった時にはまた泣いてしまうほど、本当に悲しくて綺麗で素敵なお話でした。
ただ、まさかの賢次が攻めさんであそこまで成長するなんて本当にびっくりでしたが笑。
その後に上2組の番外編描き下ろしがあるのですが。
賢次と巴のカミングアウトを受けて、自分も本当は話したいと土屋に告げる一太のお話や、賢次がもう1つ隠していたことがバレてしまうのですが、2カップルが間接的に繋がったこの描き下ろし、ページは少ないのに中身が濃くて、買ったよかった!と、読後に思える満足できる終わり方でした。
あとは、カバー下に書いてあった一太の兄弟設定がすごく面白く、もっと兄弟皆が出てきた番外編などが読めたらいいな、と思いました(^ω^)
久し振りにこんなに泣ける綺麗なお話な出会えて本当に良かったです。
他の作品も読みたいと思えるくらい素敵な作品で、この先も大事にしたい1冊になりました。
「彼が眼鏡を外すとき」このタイトルの意味が後半で明らかになって、
そのいじらしさ、純粋さにグッとくる読者はきっと少なくないでしょう。
瑞々しさで心を浄化してくれる、とても素敵なお話でした。
麻生さんの絵柄が苦手でなければ是非に!とお薦めしたい1冊です。
ひとつの物語の中で、2組のCPが描かれる本はままありますが、
これほど相乗的にそれぞれの想いを描いてグッと引き込んでくれる、
巧みな作品はなかなか見られない気がします。
最初に描かれるのは、
5人兄弟の長男で面倒見のいい高校生の一太(攻め)と、
強気でツンデレの四国から来た転校生の土屋(受け)とのお話です。
人を寄せ付けない強気な言葉と態度の裏には、
真面目で優しいところがある受け。
その本質を知って、次第に惹かれていく攻め。
修学旅行を機にふたりの距離は近づき、想いをぶつけて、
無事に付き合うことに。
けれど、直接会って接すると受けはつれない態度しかとれなくて…
受けが極度のツンデレで、ちょっと攻めが可哀想なくらいでしたが、
方言を使うその話し方とか、照れてすぐ真っ赤になるところとか、
ふと見せる幼げな表情とか、とても可愛く感じられる受けでした。
このお話だけでも十分素敵なのですが、
このふたりが付き合うようなったせいで…という次のお話が秀逸です。
先の攻めの一太は、誰にでも優しく公平で友達も多いのですが、
中でもより仲の良い親友の巴が、2つ目のCPの受けです(表紙右)。
巴は、一太が土屋を特別に気に掛けて仲良くなっていく様子を見て、
ひどく心が騒ぎます。
ここは巴に感情移入しやすい描き方で、
先程まで一太と土屋を応援していたはずなのに、とても切なかったです。
ふたりが密かに親密な関係になっているのを感じ取り、
嫉妬心で衝動的に受けの土屋を傷つけようとまでしてしまう、巴。
そんな自分自身を許せない…、その姿がとても痛々しいです。
その巴に、一太の中3の弟の賢次(攻め)が、
受験の事で相談にのってもらったことをきっかけに、
心を寄せているのだけれど……
攻めの賢次は表紙の左の子ですが、
最初は中学生なので背ももっと小さくて可愛らしい感じです。
その幼さが残る姿で、
巴自身が受け入れられずにいる兄の一太への気持ちを、
ぼろぼろと涙を流しながら真剣に肯定する、賢次。
その真っ直ぐな想いが本当に胸を打ち、涙を誘われます。
そして、
その賢次が巴に見せたかったもの、告白の言葉、
眼鏡を外す意味を知って、さらに……
多くの方が、同じようにこの純粋な想いで心洗われますように……。
二つのカップルの短編集。それぞれが親友同士だったり、兄弟だったりするオムニバス構成になっているので、丸ごと一冊でひとつの物語として楽しむことが出来ました。
実は麻生ミツ晃先生の作品はつい最近『SEASON』を読んだのが初めてで、それがあまりに好み過ぎてそのまま既刊のコミックスと、この新刊を大人買いしてしまったのでした。『SEASON』はストーリーや時代背景、そして敬語攻めという私の大好きなものが詰まった作品だったので、もしかしたら他の作品はそれほど好きではないかも?神にはならないだろうな~と思っていたのに、これも神でした!神以外ありませんでした!!
表題作の二人にとにかく萌えました。親友の一太の事を誰よりも見てきた巴の、本人すら気づかない恋心。この気持ちは何なのかとイライラしたり悲しくなったり。そして巴が一太を見てきたように、賢次も巴のことを見ていて、巴の事が大好きで…。一方通行な思いがどちらも健気で、チクチクと涙腺を刺激します。一太が転校生の土屋とカップルになる話の裏側で、こんなことがあったんだと思うと更に泣けちゃって、ティッシュを何枚使ったことか!
恋心と友情と、自分でも気づかなかった思いに気づかされて、親友の弟だった相手が、いつの間にか大切な人に変わっていく。麻生先生は季節の移ろいを描くのがとてもお上手だなぁと思っていたのですが、季節と共にうつろう心を描くのも本当にお上手で素晴らしいなと思いました。
賢次が巴を追いかけて告白するシーンでは、萌えとかきゅんとかじゃなくて、本当に心から感動しました。泣きじゃくりながら一生懸命に気持ちを伝える賢次に、心の中で「頑張れ!」ってエールを送りながら、私の胸も詰まってしまい号泣していました。モノローグも台詞もとてもいいのだけれど、何といっても表情がいい!巴を想う賢次の気持ちが痛いほどに伝わるんです。恋する気持ちって尊いんだなぁ。こういうの好きだなぁ。
2年後の彼らも描かれているのですが、身長も伸びて大人びた賢次の、変わらない健気さがまた涙を誘います。もう一つのカップル、一太と土屋の信頼関係にも、あたたかな気持ちになりました。
なんだか久しぶりに心を奪われる作家様に出会えた気がします。大人買いした既刊作品を読むのがとても楽しみです。
胸がいっぱいというより、腹筋の奥のほうから力が入って苦しくなってしまうような。ちょっと言葉では表しにくいのですが、苦しいといっても残るのは悲しいものではなく、ほのかに甘くて温かなものでした。
ぜひ、たくさんの人に読んでほしい一冊!
個人的な感想、思いもあるのですが...
あえてここまでにしておきたいと思います。
親友二人と、その弟、四国からやってきた転校生、この四人が絡み合って、なんとも不器用で真摯なやり取り、気持ちが少しずつ変化する様子が実に丁寧に描かれています。
この心情の丁寧な表し方が麻生先生の真骨頂って感じなので、読み手も、どーしてこうなった??みたいな置いてきぼり感を味わうことなく最後まで作品の世界にどっぷり浸かることができるんです。
とにかくあらすじを読むよりも、ぜひ、作品を読んでいただきたい!!!
麻生先生の「season 」や「only you,only」「ティアドロップ」がお好きな方でしたら文句なく満足できると思います。
クールでとっつきにくいと思っていた転校生(受け)の不器用で必死な姿の落差がなんとも可愛らしい「ほんとのところ」「ほんとのほんと」。
四国からの転校生なので方言なのが、可愛いんです。可愛さ二割増。
その二人と、さらに攻めの弟と攻めの親友が登場する「彼が眼鏡を外すとき」
これは弟(攻め)が健気の塊みたいな子なので、健気で一途な攻めが好きな人にはたまらないはずです。
告白の仕方も健気だし、二年後の恋人同士になってもいまだに健気で・・・描き下ろしでも健気で・・・ええ子や・・・・ぐす。。
健気のマトリョーシカと呼びたい。開けても開けても健気が出てくる、という。