飢えている。愛に飢えている――。

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表題作ミ・ディアブロ

ミゲル・バラガン/ギャングのリーダー
ジェイク・シルズ/警官・白人とメヒカーナのハーフ

その他の収録作品

  • ミ・ディアブロ
  • My Funny Valentine
  • 夜に、
  • アディオス・ミゲル
  • mi diablo
  • あとがき

あらすじ

「私は、悪魔に飼われている」
アメリカ人の父と、メキシコ人の母から生まれたジェイク。厳格な警察官の父と、娼婦で麻薬の売人だった母。いびつな家族生活は、いとも容易く崩れ落ちた。やがて警察官になったジェイクは、ギャングのリーダー・ミゲルと出逢う。おおらかで深いミゲルの愛情は、孤独なジェイクに甘く沁みる。運命の歯車はかくも廻りはじめた。交錯する嘘と欺瞞。愛を求め彷徨う魂が、最後に掴むものは――。

作品情報

作品名
ミ・ディアブロ
著者
梶本レイカ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS Baby comic
発売日
ISBN
9784893936530
4

(35)

(20)

萌々

(4)

(5)

中立

(3)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
10
得点
134
評価数
35
平均
4 / 5
神率
57.1%

レビュー投稿数10

リアルとフィクションが織り成す芸術的なカッコ良さ

ずーーーーっと気になっていた梶本レイカ先生
とにかく表紙のインパクトが強い作品も多く基本頭ぽやぽや系の私に読める日は来るのだろうか…と積んだままにしておりました。。。

表紙のインパクトで買っておいたはいいがなぜか怖くて読めなかったんですよね
そして記憶もそれこそ物理的にも埋もれてしまっていた時に久々にレビューが上がり、その存在を思い起こし久々に対面いたしました!

積み本の宝探しってやっぱりするもんですね
読んで良かった、、、

『すごくカッコ良い1冊でした』

勝手に悲しい話だと思っていた事も手伝って読後にこんな気持ちになるとは思わなかったので余計心が動く様な想いになります

お話しは「血=ルーツ」へのコンプレックスから自我を見出せず鬱屈と孤独を抱えた2人の依存愛だと思います
孤独で、自身の帰る場所が不明瞭な2つの魂が救済される…すごくドラマティックです

その演出が騙し、騙されな少しサスペンス展開も挟みながらなので、不穏さやドキハラもありとても惹き込まれます
「映画のよう」とのレビュー、納得です
そしてそれに加えてモノローグ部分で紡がれる、流れるようなセリフはまるで「歌詞」のように聞こえてきます
私はめちゃくちゃココの表現に痺れました

渇望の発端になる「コンプレックス」
人生を狂わす「ドラッグ」
この辺の切り込んだ【リアル】

2人の出会い・交わりを映す「ドラマ」
彼らの想いを浮き彫りにする「言葉」
緻密な組み立てと丁寧な【フィクション】

この【リアル】と【フィクション】が先生の手によって溶け合い、ひとつの【芸術】を成している様な作品でした

多少お話しの時系列が前後する事、スペイン語が多様される事などでの読み込み難さと絵柄への不慣れはありました

また、直接的な描き込みがある訳ではないのに人が道を踏み外す様の表現が生々しかったり、若干スッキリしない部分(サスペンス部分や父親の事など)もあり読んだ全ての人が同じように痺れる!って思うかは自信はないです

でも、この作品を読んでおかずに時を過ごさなくて良かった…と心底思える「カッコイイ作品」でした

アナタは自分にとって「悪魔か天使か」
本のタイトルの「ディアブロ」作中使用される偽名の「ミゲル」
スペイン語でそれぞれ、ディアブロは悪魔、ミゲルは天使
こんなメタファーもあったかな?って思います
違うかな?

梶本先生作品は私はこちらしか読んでいませんがデビュー作でこれってスゴイ!
なぜか勝手に怖いとか難解な作風イメージでしたがそんな事はなかったので、気になる方が居たら読んで見て触れて欲しい世界でした

0

映画のよう

個性的な絵柄で、外国を舞台にしたお話にピッタリ。
犯罪の全てを詰め込んだようなお話。本当のマフィアがどんなモノか知らないけど、リアルに生々しく感じました。
受け攻めで視点が変わると見え方がガラッと変わって、受け主観の話では攻めが可愛く描かれていて、攻め主観の話では受けが可愛く描かれていて愛を感じました。
主人公があんな風になってしまうBL他に見たことありません。ラブ以外の設定も凝っていて引き込まれました。
ちるちるさんのジェイクのタグがゲイだけ笑

1

依存

誰が誰を騙しているのか、どれが本心でどれが嘘なのか、読んでいて胸が詰まる作品です。

薬物中毒の描写が、半端なヤクザものBLでは絶対に描かれないであろう生々しさ。目の落ち窪み、歯の欠け方、立ったら砕けそうな骨格、ページを直視することすら辛くなります。

何かに依存して生きることは、恐ろしく、美しく、強く、弱い。自分で決めた依存先ならまだしも、依存するしかなかったのならば、彼も母のように早く逃げるべきだったのかもしれない。

ミ・ディアブロを読み終わってしんどさにえづきそうになり、マイファニーヴァレンタインにハッピーエンドの救いを見出す。そしてエンディングへ…最初から最後まで梶本先生に翻弄される作品でした。

1

どんどん印象が変わっていくのはやはり梶本作品の魅力

 舞台は海外でギャングと警官という組み合わせ、かつ薬も絡んでくる殺伐とした雰囲気の作品ではありますが、『コオリオニ』ほどの身体的に痛々しい描写はありませんでした。もちろん精神的な痛ましさはあるのですが。子供の頃の両親との関係が、大人になった今でも色濃く影響していて、極度のファザコンと評されるジェイク。何度捨てられても父に認められたいと思う理由は、意地なのか、母がいなくなったことで自分との繋がりがあるのは父だけだという焦燥感なのか。父親の方がジェイクを完全にネグレクトするわけでも虐待するわけでもなく、表面的には好意的に接しているために余計彼がいつまでも父に依存するのかもしれないですね。

 その孤独を埋めてくれる、ギャングのリーダー・ミゲル。秘密を抱えていたのはジェイクだけではなく、ミゲルもだったという展開には驚き、さらに物語へと引き込まれました。彼は相当な役者ですね。最初はジェイクに騙された哀れなおつむの弱い奴という印象だったのが、徐々にジェイクにとって失ってはならない、最も良き理解者であり愛すべき人という存在になっていく。ジェイクのファザコンも引っくるめて愛せるのは、ミゲルだけ。また、ジェイクをファザコンから脱させられるのも彼だけでしょう。それでも何かに依存しがちなジェイクの性格はなかなか治せないと思うけれど、ミゲルなら隣で寄り添って辛抱強く彼を見守ってくれるんだろうなぁと思いました。

1

すいません、ネタバレ注意です!

痛くてグロい物語だろうなぁと読むのを躊躇していたのですが、
思い切って読んで本当によかったです!!

ちなみに金髪碧眼(攻)×肌が褐色(受)です。
物語はざっくり自分なりに説明しますと、

①二人はお互いに正体を隠して出会う。
②本当は好きになってはいけない立場なのに、二人はいつしか惹かれ合ってしまう。
③様々な障害を乗り越え最後は二人ハッピーエンド

結末までの課程が素晴らしい!実写映画にしてほしい!いやぁ、まさかこんな傑作に出会えるとは、本当に幸せです(*゚▽゚*)
特に幸せな時の二人のエチシーンは萌えすぎて、どうしようかと思ったものです(笑)

愛、残酷さ、悲しさ、甘い幸福、エロス、歪んだ性癖が描かれた作品で普通のBLとは違い、痛くてグロいですが感動するシーンが多くありました。
ハイクオリティなものを読みたい方は絶対読んだほうがいいと思います!!すごくおすすめです!!

5

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