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表題作若と馬鹿犬

腕っ節の良さと受様の好みの美貌を持つ護衛・長峰朗
組長である父の跡目を継ぐ予定の頭脳派若頭・乾御門

その他の収録作品

  • 負け犬エレジー

あらすじ

二十代の若さで鬼哭会の若頭を務める乾 御門には、無口な美貌の護衛・長峰 朗が常に付き従っている。だが忠実なはずの朗が聞き分けのない犬のように御門を欲しがり、力ずくで抱いていることは誰も知らない。高校時代、同級生だった御門と朗――ある夏の出来事以外二人に接点はなかったが、御門の部下がたまたま朗を拾ってきたのがこの関係の始まりだった。朗はなぜ自分を抱くのか。掴みどころのない朗に御門は苛立つが……。
(出版社より)

作品情報

作品名
若と馬鹿犬
著者
成瀬かの 
イラスト
海老原由里 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
ISBN
9784778110819
3.7

(42)

(10)

萌々

(16)

(13)

中立

(0)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
9
得点
153
評価数
42
平均
3.7 / 5
神率
23.8%

レビュー投稿数9

絶対的忠犬ぶりが可愛い攻め

ハード過ぎないヤクザ物。
攻めがとにかく受けのこと好き過ぎて忠犬ぶりが凄かったです。
受けに必要とされない自分なんていらないという勢いで、どうしてそこまで?!と思う気持ちもありました。
一方の受けは受けで言葉足らずで、義弟を一緒に住まわせる時も攻めに関係性の相談もせず、そりゃ勘違いもされるのではと少し呆れました。
勘違いして誤解してすれ違うのは大好きなんですが、トキメキがあまり感じられない自業自得なすれ違いで萌えきれず。。

1

恐ろしく甘くないふたり

『僕の悪魔-ディアブロ-』つながりで。同人誌「end-all」にこちらのCPがゲストらしいので読みたくなりました。
僕の悪魔~は超あまあまでしたが、こちらのふたりはかなり辛口。
ぜんぜん甘くないです!

もともとはカタギだったが、父親の組が傾きかけたのを見捨ててはおけず、結局ヤクザの世界に足を踏み入れてしまった、今は若頭の御門。
頑として誰も寄せ付けなかったが、やっと御門の条件に見合うボディーガードが付けられた。
なんと、それは高校時代の同級生の朗だった。
その当時朗は虐待を受けているようだった。気になってほんの一週間ほど御門は気まぐれで面倒をみたがそれ以上はなにも出来ずに音信不通となった。
そして、若頭とそのボディーガードとして再会したふたり。
だが、なぜか立場が下の朗に御門は組み敷かれてしまい、その関係が続いていた…

朗はあまりにも寡黙で、そして忠実。御門に絶対的に尽くすという想いが強い。でも御門を強引に抱いちゃうw
そんな朗をどうしたらいいのか自分もどうしたいのかわからず、なんとなく流されて御門は快楽に溺れてしまう。
いつしか御門は朗に情を求めていることに気づくけれど、お互いに言葉をかわすことが少ないのでなかなか気持ちは通じあわなくて、かなりもどかしいです!

御門の命を守るために命を張ったり、義弟(朗は最初知らない)を一緒に住まわせてかわいがることに嫉妬して体重まで落としてしまう朗。
少しずつ距離が出来てしまって御門もやや焦る。
そんな時、やっと!と言う感じでお互いの気持ちを確かめ合います。遅っ!

わかってからも、お互いの性格的なものがあるのでぜんぜん甘くない!
なので、どうしてももうちょっとふたりの様子が知りたい!ってことで、僕の悪魔~の時同様にまたまた同人誌に手を出してしまったのでした(笑)
早く読みたい!

4

馬鹿犬というより馬鹿主人。

成瀬さん、初読みです。
読み終わってビックリでした。
いや~、世の中良作出回ってますね。思わず引き込まれてしまいました。
あとがきでイラストが両方攻めっぽいビジュアルとあり、私も手に取った当初、どっちが攻めでどっちが受け?と迷いましたが、蓋を開けてみると両方受けっぽくてヤクザモノにしてはいい感じに裏切ってくれて、すごく楽しめました。

表題作の受けの御門視点のお話を読んでいた時はまさかこんな良作だと思わず、受けのヤクザ一人称の新しい着眼点の読み物だと思っただけでした。

しかし同時収録作の『負け犬エレジー』が何とも言えず、ものすごく良かったのです。
攻めの長峰朗視点のお話で、朗は何を考えているのか、表題作では読みきれなかった朗の奥深い気持ちや考え、過去に至るまでよく語ってくれて、あの無表情の下にはこんな切ない思いややり切れなさ、そしてちゃんと見るところは見てるのだな、よくある無表情なスーパー攻め様にありがちなスーパー頭脳を駆使した第六感が働いたというそんなことではなくて、彼の今まで築いた経験に基づき、一生懸命に考えた結果で御門のためになる最善の道を考えて選んで助言する姿にはとても心打たれました。

特に、御門が気に入っている自分の取り柄の顔を殴り傷つけショックを受ける朗、御門の気持ちが自分より離れていくことに気づきながらも自分の主は御門だとそれでも健気に思う姿や、御門の心が離れていき自分は御門に果たして必要なのか、そうではないなら離れようと普通のワンコモノには見られないワンコ自ら離れる決断をし、一柳の誘いに頷く姿にはもう!言葉になりません!
あえて言うなら馬鹿主人!そう叫びたくなります。

最後は収まるところに収まってくれて良かったですよ~。

でも結構後半まで私は磯谷も坂上も怪しいと思ってて、黒幕は実はこの人達じゃないのと思っていたのですが実はみんないい人で、少し安心しました。
自分の目の節穴具合を実感しました。

5

馬鹿犬だが

ワンコじゃない。

ヤクザの世界を舞台にした下克上物ではあるけれど、
このお話の肝は、
誰かに愛されるってことを知らず、自分の感情を総て押し殺して、ちゃんとした感情を持たないまま生きていた朗が、
ただ一度、ほんの数日世話をしてくれた御門に再会して、
最初は、ごちそうを前にした犬が、欲望のままにただ貪り付いていたのが、
徐々に「待て」を覚えて、
そうしながら、さまざまな感情を、だんだんに獲得していく。
獣が人間に成長するお話だ。

そして、飼い主たる御門の方は、自分が飼っているのは犬だっていう自覚がなく、
ちゃんと言葉を尽くして、躾る事をしていない。
そのせいで、犬は不安になって、離れていきそうになってしまう。
飼い主にも、飼い主としての覚悟と成長が必要って事かな。

2

良かったです。何度読み返したことか

無表情執着ワンコです。

表題作は、一見ワンコとわかりづらい、無表情でちょっと不器用なワンコ攻めに、受けが振り回されるという構図がとても良かったです。
しかも、実は○年ぶりの再会で、攻めは前々から…という執着攻めは大好物なので、ニヤニヤしながら大変楽しく読めました。

ワンコ=攻めの朗は、タイトルそのままにおバカなのかと思いきや、むしろ聡いというか鋭いところも十分にあって、たしかに飼い主の言うことを聞かないという意味では馬鹿犬なのでしょうけれども、「野球バカ」のような使い方での「御門バカ」という意味でもあるんじゃないかと思いました。
社交性があって周囲の人たちとも上手く付き合っているワンコは、世間に比較的多いように思うのですが、このワンコは、本当に、受けの御門以外は気にも留めない一途さなので…。

逆に朗が御門に振り回される形になる2話目の「負け犬エレジー」は、放置され続ける朗の孤独感が、切なくて切なくて胃が痛くなりそうで、それはそれでクセになりましたw
御門は男前なさっぱりした性格で頭も良いけど、朗への説明が足りなさ過ぎで。
いや朗の方も、元々表現力が育ってなくて、気持ちを上手く表せてないので、お互い様な部分もあるんですが…。
ラストで朗がちゃんと納得のできるかたちになって、本当にほっとしました。

この2話目だけでなく、表題作の方も、ラブコメっぽさの中にも、朗の野良犬っぷり(「茶鬼」さんの表現があまりにぴったりなのでお借りします。すみません)は、当初ほんのり痛々しく、それもまた私のツボでした。

3

これはツボ!

とんだワンコでしたよ!
もう朗のワンコっぷりに惚れ惚れだ!
ワンコ、おまけに無口で、あんまり表情の出ない綺麗な顔。こういうのがなかなかないと思う。
最初は強引に始まった関係に、時々御門は戸惑った。どうして自分を抱いたのだって。
同級生の時、数日の間には御門に介護された朗は、その時点ですでに恋に落ちてしまったのだろう。
前半は御門視点。
朗に庇われて、告げられて、御門はやっと自分の気持ちを認めた。
後半は朗視点。
恋人になったはずの二人の生活に、突然美貌を持つ少年が現れた。
名は美嗣の美少年は御門のマンションに住み込んだ。
まさか綺麗な物の好きな御門は、この少年が気に入ったのかと、朗は不安を覚えた。
御門は美嗣のことばっかり構って、朗との交流がますます減った。
御門に怒られ、殴られ、もう御門には自分はいらないだと思い込んだ捨て犬の朗。
もういっそう一柳の下に働いたらと思った。
まさか自分をまた御門の元に置かれるという条件で、御門は一柳の勢力となった。
美嗣はただの腹違いの弟だ、姉さんに知られたくないから、公開してないって、御門は朗に打ち明けた。
誤解を解けた二人は、やっとハッピーエンディングを迎えてきた。
めでたしめでたし!

後半の御門は本当に冷たいな~
たまには犬に餌を与えないと(笑

3

うーん[iLPj

攻め→朗(ろう)、若頭のボディーガード
受け→御門(みかど)、若頭

本のタイトルが「若と馬鹿犬」。犬という言葉がタイトルに付けられていたので、ワンコ攻め好きな私はどんなワンチャンが出てくるのかと惹かれこの本を手にとりました。
しかし私がこのむワンコとは、ずれていたためにうーんという気持ちです。
攻めワンコ朗は、感情をあまり表にださず、容姿は美しいという感じでした。
私的には様々な感情を見せ、そしてカッコイいワンコが希望でした。
お話は小説雑誌に掲載されたもの、書き下ろしの二本が載っていましたよ。

2

一味違う犬具合が実によかった!

色んな犬ものがありますが、このお話に出てくる犬は、今まで読んだ犬モノとはちょっと違っていて、本当に愛情を知らない野良犬がそのまんま人間になったみたいな、、、
本能でかぎ分け、認知し、時に怯え、時に威嚇し、もちろん飼い主への忠誠もあるんだけど、その飼い主も自覚のない飼い主だけに一筋縄でいかないという、実に実に面白い話になっておりました。
犬が大変に興味深かった為に、表題本編より、書き下ろしの犬目線『負け犬エレジー』のほうがとってもとっても面白くて、犬にキュウウウ~ンとしましたよ♪♪♪

ミカジメ料を取ろうとどんなにヤクザが脅しを掛けてきても撃退していた有名な「金井ビルの色男」こと朗がその犬です。
組の経営が上手くない阿保オヤジに代わり、組の若頭として実質組を取り仕切っている御門のボディガードとして連れて来られるのですが、実は高校時代の同級生だった!?
御門は綺麗なモノ好きで、見た目も朗はその趣味にドンピシャなんですが、何と朗に押し倒されて抱かれてしまうようになる。

と、書くと犬が発情して押し倒す・・・ま、そうなんですが、この朗の過去、そして高校時代のほんの一つのエピソードがそれを裏付けるわけです。
この朗、まるで”狼に育てられた少女カマラ”みたいなwww
人に愛されて育たなかった、憎しみを与えられて育った為に感情を知らないで育った人間、人間を本能で判別するというところが実に野良犬臭いのです。
だから御門を押し倒してしまう理由も、その感情が何なのか自分でわからない。
そこが今までの”犬”とは違う点なんですよね。
だって、過去犬といえば、嬉しくてご主人様に尻尾を振りまくるバカワンコとか、ご主人様を慕って慕ってご主人様命の番犬とか、それなりに犬にも自分の感情というのがわかって行動している面子ばかりでしたからw

また、このご主人様である御門が実に青い!
ツンデレというかツンツン?
朗が愛おしくてたまらなくなる本編終了後ですが、その後も全然甘くならない。
自分から誘うことはせずに、朗まかせなんで、朗がどう思っているのかとか彼をおもいやることをしなくて、彼が押し倒してきて当然と思ってしまっている。
書き下ろしは、御門好みの美しい青年が登場し、御門達と同居することから始まる二人のすれ違いの話が朗目線で語られる展開になるのですが・・・
御門、「飴と鞭」という言葉を知っているのか~~!?
朗の信頼にあぐらかいた罰ですよ=3333
そういうくらい、朗がかわいそうでかわいそうで切なさを誘うんですね。
御門、お前飼い主失格だぞ!と何度叫びそうになったことか。。。

そんな、ちょっと変わった犬もの、すごく良かったです!
この成瀬さん、昨年イタリアマフィアと少年の話2作ががかなりよかったのですが、これもはずしてない!
注目作家さんですよーー!!

5

893ラブ、キレイわんこ×ツンデレ若頭

元クラス委員長で、今兄貴分で、頭が上がらない恋人。

高校時代、孤高で美男の長峰朗(ろう)の数日の欠席に、委員長の乾御門(みかど)は仕方なく朗の家に行く。
ボロイ家のそこに、咳をし高熱で動けない朗を見つけるが、その体にはいくつもの傷痕があった。
介抱された朗には、その数日の御門の優しさが記憶に留まっている。
数年後、その忘れられない御門が強面のお伴を従え、バイト先の飲み屋に現れた。
同級生から始まる主従、ヤクザLOVE話でした^^♪

【若と馬鹿犬】
そのバイト先のみかじめ料の取り立てをことごとく蹴散らしていた、ちょっとした伝説になっている朗のその腕は祖父仕込み。
 ここで、みかじめ料って必要悪でしょ?なもんを、ことごとく蹴散らしてって所、物知らずで一本気な朗くんが分かります^^
そこで、若(御門)の護衛役に良いと、鬼哭組に。
でも、この番犬は高校のあの時から御門を慕っていたから、もう、すぐにガッツイてしまいっ!
 ここでも、犬っぷりが微笑ましい朗くん。
そんな御門も美しいものが好きだし、ダメだと反発しつつ新たな快感を受け入れて、ここに主従下剋上カップル誕生です!
 ここら辺で「待て」を覚えます^^
組を再生した若い新参者の御門の周りには、妬みやっかみの不穏な空気が漂っている。
組の立場もあってツンな御門の素振りに不安が募る朗。
そんな中、御門への襲撃に身を呈した朗に銃弾がっ!
 この後、御門デレで、朗くん爆発できます♪朗くん、良かったね♪

【負け犬エレジー】
朗側からの視点です。
朗は、御門は自分の事を「無口でガサツで気が利かないと思っている」と考えます。
 御門が思っている程じゃないぞ、とも思っている←苦笑^^;
そして、朗は自分の顔がキレイなのは知っています。
御門が美しいもの好きなので、この顔で良かったと思っています♪
ちょっとしたイザコザで自分の顔に傷が付いた時「ギョッ」となり、これじゃ御門に嫌われちゃう・・なんて考えちゃったりもします。
 でも、朗は本当にキレイなのは御門だと思っています。
最近の不満は、御門に付きまとう新たな男達の存在、
“男らしい体つきで何でも出来る男”の上役・一柳
“笑顔が可愛いくて家事が出来て友達がいる”年下・美嗣
朗が自分に無いものを持っていると羨むキャラの登場で、御門は自分をどう考えているのか?と暗くなるばかり。
 ここら辺、朗の家庭環境と落ち込みぶりの説明にしんみりします。
そんな中、一柳に自分の下に来ないか?と誘われた朗は、心ならずも頷いてしまい?!
 
初読成瀬先生、読み易く全体的に明るめ、難しい漢字は1個だけでした。
読んでいる時はそれ程でもないのに(朗、カッコ良いし)、入力していくうちに「馬鹿犬」部分が際立ってくるのが分かりました^^;
気軽に読めるヤクザもの枠って感じです。
面白かったです♪

3

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