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カキネさんのデビューコミックス。
教師の恋愛ものでBLだと、
リアリティを求めるのはなかなか難しいですね。
その点ご都合主義とファンタジーが
ちょっと多めな気もしますが、
キャラクターの心情には素直に乗っかれました。
というか、こういうのもいいじゃない!と。
主人公の江里先生の心情が、
展開と反比例でリアル。
本尾先生のわんこっぷりも可愛いv
そして泉先生、グッジョブ!
後半は泉先生のお話で、
こっちもよかったですv
泉先生、しっかり者なんだか抜けてるんだか……
あの隙のある感じが
パーフェクトじゃ無くて魅力なんでしょうねv
人はなかなか素直に生きるのは難しいですが、
ごめんなさいとありがとうが
ちゃんと言えるようでありたいなと思いました。
私的には充分BL萌えしちゃったので、
評価は「萌×2」で!
人間、誰もが人生のなかで必ず接する機会がある学校の先生。
いろいろなイメージがあると思います。
自分が生徒だった頃に持っていたイメージ、大人になってからのイメージ。
教育自習をした経験がある方も子供の頃とは違う面が見えたり、ましてや教員経験があるといろいろあったりするものです。
この作品の主人公は高校教師の江里。
自分が大学生だった頃、教育実習で行った中学でいじめを目撃してしまった経験がある先生です。
そのときのいじめの対象だった生徒が、教育実習生として目の前に現れて…、という話。
深かったです、思った以上に。
日本の先生は学校時代は優等生という人が圧倒的に多い。
優等生だった人が大人ばかりの社会で揉まれることなく教員採用に受かったら、優等生のまま、教室では子供の中に大人である自分がひとり。
職員室には「子供たちが何も問題を起こさず卒業してくれること」を願う元優等生たち。
私事で恐縮ですが、非常勤、常勤、教諭、大学講師といろいろ経験して、たくさんの「先生」と働いてきました。
先生の中には自分が良い先生に恵まれなかったから、変えてやろうと意気込んでくる人もいる。
就職活動がうまくいかなくて、教員採用しかなかったという人もいる。
こういう先生たちは学校以外の経験値も積んでいるから、考え方も柔軟。
だけど教師を目指してなったという元優等生の先生方は…、みんながそうとは言わないけれど、結構同僚としては厄介で、ふつうに先生同士でいじめはするし、自分の価値観を押し付けようとしてくるし、保守的で事なかれ主義で、生徒は大学合格率を上げる駒みたいな。
一緒に働いた先生に、FtMの先生とMtFの先生がいました。
FtMの先生は周囲に自分をいじらせないオーラをまとって、いつも肩肘張っていてつらそうだった。
父兄が絡むイベントでは、その先生をあからさまに指差して何か言い合う父兄がたくさんいたし、「担任にしないで」と言ってくる親もいた。
MtFの先生は、ホルモン注射の効果が少しずつ出始めた頃、やんわりと退職を促された。
仲が良かったわたしも「あの先生とは関わらない方が先生のためですよ」と言われた。
関わるのをやめなかったら、わたしも自分がやっていないことでいきなり主任教授に呼び出されて…ということが何度もありました。
「人間は平等」と生徒たちに教えるはずの先生がそれですよ。
結局わたしはそんな考え方に嫌気がさして辞めましたが、彼/彼女は今も頑張っています。
長くなりましたが、異質なもの、理解できないもの、自分たちとは違うものを省こうとするのは、もしかしたら動物的本能なのかもしれません。
でも人間は理性があって、意志を伝え合う言葉も持っている。
だからこそ、分かり合えるし、分かり合えないとしても「存在する」ことを否定しないでほしい。
この作品の江里が、中学生だった本尾にしたことは「存在していい」と認めてもらえる行為。
自分も同じだったからこそ分かる、綺麗事ではない行為に胸を打たれました。
ただそのために、今の学校の別の生徒にもキスをしてしまうのはどうかと思いますが…。
自分に居場所を作ってくれた先生が、仮面を被って「ふつう」を装って生きている姿を目にしたらどう思うか。
仮面を取って過ごせるようにしてあげたいというのは理想で浅慮。
転送されて生徒が知れ渡った本尾と江里の動画の件がどうなったか、この作品では描かれていません。
ただその後、同じ学校に2人が勤めることになったというところから、何らかの理解を得たのか、誤魔化せたのか、どちらかを想像するしかありません。
認められていたらいいな、と心から思います。
フィクションの世界だからこそ描ける理想。
これが早く現実になって、「ふつう」という認識の中に彼らが入れたらいいのに、と思う作品でした。
長い。
長いけど、父兄兼塾講師と先生(本尾と一緒に来ていた教生)の同時収録も良かったんだなあ…。
他人は信用しないというよりできない牧野と、生徒一人ひとりをしっかり見て、手を差し伸べる泉の話で、牧野が敵対視していた泉を少しずつ認めて、自分よりも他人のことを先に考える彼に惹かれていく様子が素敵でした。
カキネさんの作品を読むのはこれが2冊目です。
絵柄はスッキリと綺麗で見やすかったです。
収録されているのは2組のカップルのお話で、いずれも教師の仕事に就いている若手の4人が主人公です。
雰囲気は2組とも割とシリアスなんですが、シリアスすぎることはないと思います。
表題作では年下攻め様の一途さが、同時収録作品では受け様の明るくて人を思いやれる優しさが印象的でした。
ストーリー展開が一部楽観的過ぎるかな~と思う所もあるのですが、前向きなところが元気をくれるかなと思いました。
2作品とも描き下ろし作品が収録されているのですが、可笑しかったり、ラブラブだったりと、思わず頬が緩んでしまう小品で良かったと思います。
【教育実習生×国語教師/塾講師×国語教師】
表題作は結構シリアスな感じかなー?
でも「ありえない」と思わざるおえない展開。
■まなざしの早鐘/After lesoon~本尾×江里編~■
本尾 裕志(教育実習生)×江里(国語教師)
本当の自分を隠し、良い先生を演じる国語教師・江里の前に、かつての教え子・本尾が教育実習生として現れる。
7年前と変わらない真っ直ぐなまなざしに江里は…?
子どもの頃に同学年の男の子に告白したことでイジメを受けた江里先生。
教育実習先の生徒(本尾)で同様にゲイであることを同級生にばれて悩んでいる子を放っておけなかった。
でも再会した今、自分はあの頃とは違う。
ある事件がきっかけで色々なものが怖くなって「良い先生」を演じることで自分を守ってきた江里にとって、本尾の変わらぬまなざしはまぶしすぎるわけです。
自分は本尾が追いかけてきた昔のような存在なんかじゃないんだって…そう思っているから。
それで目と口を閉ざさせたいと衝動的にキスをするわけですが…見られちゃうんですよねー生徒(峰くん)+本尾の親友に。
しばらく峰からの嫌がらせが続くのだけど、実は江里先生への好意の裏返しと判明。
この辺りまでは本当に良かったんです。
胸がギュワーってなりました。
自分が本尾を守らないと!って…そう思う江里先生が何だか追い詰められているようで痛々しくて…でも本尾はしっかりと成長していて「あなたのおかげで居場所が出来たから俺はもう辛くなんかない」って、そう伝える姿がとても格好良かったのです。
ここで終わってくれたら私的には非情に良い作品だと思えたんですが…その後で峰が写メ(本尾と江里先生のキスシーン)を誤って流出させる事件が発生したんですよね。
それが微妙でした。
一応ハッピーエンドだけど…あの告白シーンを見ただけで全生徒が納得するとは思えないのです。
やっぱり色々なこがいるわけだし、「先生」という存在の恋愛話って何か…生々しいですよね…あの年頃なんて潔癖な面もありますし、色々と敏感でしょうて…受け入れられない子もいると思うのです。
そして保護者が黙っているとは思えない。
同僚達にしてもそう…居心地悪くならないのかな?
そういうのがどうしても気になってしまってモヤモヤ。
書き下ろしは峰の妄想が炸裂www
「3番の3Pで!!」って…ないからΣヾ(>ω<=)
■ごいっしょに/After lesoon~牧野×泉編~■
牧野(塾講師)×泉(国語教師)
自分が担当しているクラスの女の子が強面の男に腕を捕まれて怒鳴られているのを止めに入った泉。
だが実は相手は彼女の親戚で、悪い男に引っかかっているのでは?と心配していただけだった。
その後、体調が悪いところを助けられるのだが、突然キスされて?!
泉ちゃんみたいな先生いいなー。
こんな先生に担当されたら、とても幸せだと思うのです。
生徒1人1人をしっかり見ていて、それでいて嫌なべたつき方はしてこず。
ぷいぷい怒る泉ちゃんの顔はタコ焼きのようで可愛い(*´艸`*)ァハ♪
描き下ろしではマッキーの余裕のなさっぷりがwww
恋しちゃわるいか!
先生だって人間だしね、
色々あってもしょうがない。
芋づる式ホモカミングアウトストーリー。
BLなので、学園内はホモばかり。
はじけたファンタジーより、こんな風なシリアスの方がありえない感が強いような、、、。
まあ、単に、本尾のキャラがタイプじゃないのかも、、、。
そこまで開き直られちゃって、尚かつ一途って、、、ちょっと、重っ。
私としては、牧野×泉編の、戸惑いつつも、腹をくくったら潔く迫る、みたいな、
こっちのお話の方が好みでした。
絵はとてもお上手。
エチシーンの見せ方も、ボカシを必要とせずに十分エロくていいと思います。