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旧版を購入し、まだ読んでもいなかったのにその数ヶ月後に新装版が出ちゃいました。
(゚∀゚;)
新装版にはもう一作品収録されているし…と迷いに迷いこちらも購入。
買って正解でした!
ヽ(*´∀`)ノ
時は明治。
千冬(受け)は北の雪深い貧しい村の中でも更に貧しく母親と二人で暮らしをしていました。
しかし母親が死んでしまい、千冬は借金のカタに花街の見世に売られてしまいます。
幼い千冬にはこれから何が起こるのか恐ろしくてたまりませんが、見世で緋い襦袢を着せられ、客の前に出された千冬。
そこは花街でもタチの悪い所で十何人もの男を相手にする様な所です。
そういったのが苦手というか嫌いな私にはその描写が嫌でなりませんでした。
まさかこのまま…と焦っていましたが、千冬は男に体当たりしてその場を逃げ出します。
めちゃめちゃホッとしました(^ー^;)
でも死ぬことを覚悟して極寒の海へと身を投げます。
そして千冬を救ったのは華族の玲人(攻め)です。
犬との散歩で海辺を歩いている時に千冬を見つけ、助けます。
しかし目覚めた千冬はショックで声が出なくなっていました。
玲人はクウォーターなので千冬にはキラキラした素敵な人だと思いましたが、玲人が「華族」だと知った瞬間、彼に憎しみの感情を持ちます。
母親が苦労したのも、村がなくなってしまったのも全て「華族」のせいだと千冬は華族に憎しみを抱いています。
千冬の態度で華族が嫌いだと分かった玲人は、自分が助けた事は黙っておく事にし、静かに千冬の回復を待つ事にします。
どれだけ切ないお話なんでしょう。
(´;ω;`)
千冬は玲人と出会うまで、本当に辛く淋しい思いをしてきましたが、それを辛いなんて思いもせず、ただ一所懸命働いて暮らしていました。
なんて魂の綺麗な子なんだろうと思いました。
一方、玲人も両親と一緒に暮らした幼い時までは幸せでしたが、父は死に、母親から引き離され、周囲からは異国の者だと言われ続け辛い日々を送っていました。
そんな二人、序盤で分かりますが幼い頃出会った事があるのです。
再会の約束をし、少年から預かった物をお守りとして千冬は大事に大事にしていました。
途中、またも花街に連れ戻されてしまった千冬に焦った私ですが、そこはもちろん、玲人が助けにきてくれ一安心。
淋しく辛い思いをしてきた二人が結ばれた時、思わず涙が溢れそうになりました。
(;>_<;)
まさに色んな童話が一つになったお話でした。
そして同時収録『雪とカナリヤ』では、恋人になって暖かく静かな時を過ごす二人がいます。
東京へ二人で帰ったのかと思いましたが、まだ別荘にいます。
そこで目隠し鬼をする二人。
可愛くって私も微笑んでました。
普段は優しい玲人ですが、エッチでは千冬に意地悪しちゃってます。
旧版を読んでいないのでそちらの方は分かりませんが、新装版では広乃香子先生が挿し絵を描かれてますが、もう素晴らしい!
やわらかく優しい雰囲気の絵で驚くほどこの話にはピッタリなんですよ!
こんなにも幸せな二人が見れたので、新装版を買って良かったです。
(*´∀`*)
おとぎ話がモチーフになってます。メインは『人魚姫』ですね。
ストーリー自体は捻ったものではありません。もう『王道』『定番』『お約束』としか。それでも好きなんです。こんなにありがちなのになんで!?と思うくらいだけど好きなんですよ。ただ、私はありがちだけど安易だとは思いませんでした。先がすべて読めるってわけでもないですし。
全体としてはかなり好きな作品なんですが、何かひとつでもズレたらダメだったかもと思いますね。『王道』そのものは別に嫌じゃないけど、あまりにもパターン通りで独自性がないのは読んでてツライですから。これは、キャラクターもストーリーやエピソードも雪代さんらしさが出てましたし、(結構ギリギリの部分もあったけど)私の好みの範疇におさまった感じです。
なにせ時代もの(明治)ですから、『貧乏育ち』で『薄幸』な千冬(受)と『伯爵』の玲人(攻)の『身分違い』っぷりも、現代ものにはありえないくらい大げさです。
千冬は花街に売られ、そこでひどい目に合って命からがら逃げ出したところを、玲人に助けられるんですが、千冬はショックで声を失ってしまっていたんですね。で、お屋敷で世話になって、まるで別世界のような上流階級の生活を味わうんです。現代ものだったらアホらしくて投げ出してますよ。身分違いっていうのは、現代ではやっぱり限度がありますから(リアリティ無視すれば関係ないですけどね)。
でもこれが、時代ものなら読めるんですよね。いわば特殊な世界・ファンタジーとして受け入れられますから。
幼い頃に出会っていたという伏線(?)も、当人達は気づきませんが、読み手にはもう初っ端からわかってます。でも謎を追うようなストーリーじゃないので、それはそれでいいんです。『いつ気づくのか』も楽しめますから。
玲人がひたすらに『完璧で優しい王子様』じゃないところもよかったと思いますよ。誤解と嫉妬で千冬に乱暴してしまうのも、そのあと我に返って自分の行為に落ち込んでるのも。
ただ、一番気になったのはラスト近く、声を取り戻した千冬と花街で再会した時の玲人の行動。『なぜそこでそうなる?』と混乱してしまいました。玲人のキャラクターが一貫してないんじゃないの?と感じてしまって。
同じような行動だとしても、↑の『乱暴』に至った背景はよくわかるんですよ。でもこっちはホントに唐突としか思えなかったし、決着のつけ方もなんか納得行かなかったです。このシーンって必要だったんでしょうか。ここだけ無理矢理突っ込んだみたいで、ストーリーの流れに乗ってないように思えるんですが。私は正直、余計だと感じましたね。
『王道』すぎるからこそ、これは結構好みが分かれるんじゃないかと感じました。もともと雪代さんが好きなら、まあ大丈夫かも。
旧版も持ってるんですが、書き下ろし目当てで新装版も買ってしまいました。イラストが変わっていて、私は旧版のイラストが結構好きだったのでちょっと残念でしたが、これは故意なのか、意外なくらい旧版とイラストの雰囲気が近く感じました(絵柄そのものは違うんですが)。だから、違和感も少なかったです。
北の寒村の掘立小屋で育った受たん その描写がすさまじい
ストーブの前にいるのに凍えそうなくらい寒いのっ!!
冷え症の人は冬に読まないようにっw
「華族大っ嫌い」な頑な心が少しずつほぐれていくお話なので
えっちはずいぶん後までお預けなのですが
その分というか まぁ濃厚っ(*・ω・*)
日常生活では受たんを甘やかしまくりな攻君ですが
ベッドの中ではキャラがかわります
続編 雪とカナリヤは いちゃいちゃな後日談
目隠し鬼から目隠しぷれい
イラストは「もうすこしかんばりましょう」かな
だけど引き込まれる、そんな物語でした!
明治という特殊な時代が舞台だからでしょうか。
千冬を拾った玲人の甘やかしっぷりたらもう・・
甘々ですねw
でも、甘えることに慣れていない千冬の戸惑い、
可愛かったです!
結構、すれ違いが多くてヒヤヒヤしました・・。
両想いになった後の二人の幸せそうな表情の最後の挿絵はとても良かったです。
想いが伝わるのに時間がかかったけど、だからこそあの表情なのかなと思いました。
二人には、ずっと幸せでいてほしいですね。
諸外国に追い付け追い越せと西洋の文化を積極的に取り込む華やかな時代。
ドレスに夜会に華族にカフェー。…作中に登場する明治らしい言葉を集めただけで、ただ私のテンションが上がるという他には、特に意味の無い羅列なのですが。笑
お話について。(玲人×千冬)
個人的に明治期とペシミストの組み合わせって、萌えます。
ですので、もっと拗らせていて欲しかったというのが本音なのですが…今作の攻めさまはツライ生い立ちから、人に興味を示さないネガティブ思考の持ち主。
実際は、たまに友人に悲観的な言葉を吐くだけで、しっかりした大人の男性です。
受けさまは雪代先生お得意の、稚いカオリ漂う可愛いらしい健気な少年。
そういう受けさまは、現代をモチーフにした作品ではちょっと戸惑いもあるのですが、今作の時代は明治。そういう少年だったからこそ、危ういエロさが伴い萌えました。
ストーリーは色んな童話をモチーフにされたとの事で、正直、目新しい物は感じませんでした。その代わり、起承転結をしっかり感じられる読みやすいお話でした。
童話は、人魚姫に荊姫にシンデレラ、白雪姫と色々ミックスされていました。人魚姫が一番色濃いです。
本編、「真珠とカナリヤ」
ショートで「雪とカナリヤ」
過保護攻めが良い感じに発揮されており、可愛いお話でしたよー。
芽生
薔君さん、はじめまして。
コメントありがとうございました。
(´∀`)
玲人の千冬への『愛』が「見守る愛」から「激愛」に変わり、そしてまた「静かで穏やかな愛」になっていく様がよく表現されてあります。
そして千冬の心、魂がすごく綺麗なんです。
素晴らしい作品だと思いますので、是非読まれてみて下さい。
(*´∀`*)
薔君
芽生さんの文章を読んでるだけで情景が浮かんできます。
売ってたら買いたいと思います\(^o^)/