苦しんでる自分が好きなんだろ?

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表題作禁縛

安念龍地,33歳,二代目緊縛師
松波草矢(尾形吉矢),25歳,梨園の花形女形

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

緊縛師の龍地のもとを歌舞伎役者の草矢が訪れる。梨園の御曹司である草矢は、縛られることへの欲望を秘めていたのだ。女形として美しくあることを求められる自分を縛り上げ、追い詰めて崩してくれる龍地を草矢は欲さずにはいられなかった。だが、肉体だけでなく、魂までも縛り包み込む絶対的な支配に恍惚となった草矢は、名門の柵からの解放と同時に龍地に縛りつけられ……。
(出版社より)

作品情報

作品名
禁縛
著者
剛しいら 
イラスト
嵩梨尚 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
シリーズ
教授の密かな愉しみ
発売日
ISBN
9784829625019
4.1

(30)

(15)

萌々

(7)

(5)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
6
得点
120
評価数
30
平均
4.1 / 5
神率
50%

レビュー投稿数6

SM的にはあっさり。受け様が甘くてかわいいです。

緊縛師ものを探してたどり着いた本です。シリーズ本編未読でしたが、特に問題はなかったです。が、シリーズ先に読んだ方がもっと楽しめたのかもしれません。

割と甘めでSM色は強くなかったので、読みやすいと思いますが、もっと本格的なものが好きな方には物足りないかもしれません。
攻め様が緊縛師とはいえ、緊縛も恋愛も経験が少なくて初々しい。教授にもSではないと言われていて、それでも受け様のためにマスターであろうとするのがいじらしかったです。

受け様はあらすじにある通りなんですが、これもまた恋愛経験がないのとプライドの高さとで、非常にぎこちない。
緊縛といった設定と二人の初心さにギャップがあって面白い構造だなと思いました。

また、受け様の付き人が普段の女王様な受け様に思いを寄せるM気質だったのですが、彼についてももう少し掘り下げてほしかったなぁ。
ページの都合なのかわからないのですが、全体的にもう少しボリュームが欲しかったです。
盛り上がる?と期待しながら読んでいたら、盛り上がる前に終わってしまった、という感じ。
二人の普通へのチャレンジはどうなったんだろう?とか、今後の二人が気になりました。

0

表紙に引かれました。

嵩梨尚先生のイラストが、淫靡な匂いを漂わせています。
プライド高い草矢、草矢の縛られたい欲望、緊縛師の龍地、
龍地に縛られた事によってどんどん堕ちていく。
堕ちるのは地獄でも、奈落の底でもなくて、甘い愛の世界でした。
呪いとして、龍地が草矢の左手薬指に三味線の糸を巻き付けるシーンがありますが、私は、このシーンが一番好きです。
甘える事を許されなかった草矢が龍地にだけ甘える…龍地はそんな草矢を支配していく。
SMですが、かなり甘いお話だと思います。

1

怖くないSM

タイトル、カバーイラストやあらすじだけ見ると、おどろおどろしげなSM物みたいですが、そこは、剛先生、ただエロいだけ痛いだけのSMじゃあありません。

梨園の御曹司として、まわりからのプレッシャーや、自分自身としての芸へのプライドなどに雁字搦めに縛りつけられている草矢が、緊縛師龍地のもとに求めにきた物は、ただ単に、自分の身体を直に縛るだけの縄ではなくて、
龍地もまた、草矢との関係をどう進めていくのかを決断することで、
それぞれに絡みついていた縄を断ち切ります。

剛先生の作品のいいところって、主人公達が自らの道を、自らの決断で踏み出す潔さでしょうか。
この作品も、緊縛がモチーフですが、痛めつけるためだけの怖いSMではありません。
むしろ、日本の伝統芸能としての緊縛の知識が広がる楽しみの方が大きいので、おすすめです。

2

薄暗い

緊縛師ものなのですが、
雰囲気が薄暗く、より雰囲気を作り上げているように感じました。
何とも表紙のイラストもドキドキしてしまいますね。

歌舞伎役者の草矢は、縛られたいという欲求が抑えられず、
緊縛師、龍地に縛ってもらうべく訪れる。
徐々に草矢は、龍地に執着していくのでした。
そして、龍地も草矢を自分のものにしたいと思うようになります。

何よりも、たまらないのは、
幼いころから歌舞伎役者として育ち、プライドが高い草矢が、
縛られることで、その時だけ隷属するようになる様子です。

読んでいて面白いのは、
縛られることに興奮を覚えてしまい、
龍地にひれ伏すのですが、
それは、人としてのプライドを折ってしまうことではない。
という点です。オン/オフのような感じでしょうか。
だからこそ、最後も爽快感があってよかったです。

3

痛いの嫌いなんだけどなぁ

エロ・グロ・バイオレンスが好き。淫靡で耽美なJUNE小説も好き。

縛り、拷問、折檻、お仕置き、若しくはご褒美など、密かにツボる言葉がある。

障子、または襖の陰から、そっと覗う、ある意味真っ当な人間にとって、エスエムはこのくらいの温度が丁度いい。


好奇心を満たされ、登場人物に好感度をもち、いろいろ考えさせられ、面白かったと本を閉じられる。

痛いのは嫌い。嫌いだけれど、気になって仕様が無い。だからつい、ふらふらと腐海の中から、面白そうなお宝を探してしまう。

そんな貴女にお勧めです。

勅使河原教授に怒られてしまうかもしれないけれど、痛いのは嫌いな隠れM様に一言。
「一緒に覗き見しませんか?」

3

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