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律也と櫂、お互い相手を思う気持ちが強くて、読んだら、幸せな気持ちになります。本編だけではなく、二人の新婚生活も読みたいです!あと、レイのこともちょっと気になって、スピンオフが有ればいいなって思いました。何度でも読み返したい一冊です。
ヴァンパイヤのお話に詳しくないので、夜の種族や浄化者・契約者など色々出てきてこれ以上でてきたら説明を流し読みしようと決めたところで、ちょうどそれ以上増えなかったので理解できる範囲でよかったです。読んで字のごとくなのも多いので分かりやすい方かもしれません。
攻の櫂が王子様みたいでとても素敵でした。攻が薔薇の体臭って普通なら大笑いしちゃってとてもステキ!とは思えないんだけど、ヴァンパイヤというのもあるし杉原さんのステキな文章でつづられた世界観があるので違和感なくステキ!キラキラ王子!と思いました。
受の律も一途でブレがないです。
杉原さんでよくある優しくどんなことも包み込んで我慢強い攻と自分の中でグルグルしちゃう受とは今回はちょっと違いました。杉原さんファンなのでそういうお話も大好きなのですが、このお話はその違ったところがすごくよかったです。
櫂も押しの強い場面がちょこちょこあったし、律もグルグルはほとんどしてないし迷ってもしかたがない迷いや戸惑いがあってそれがすごく好きでした。
イラストもお話にばっちり合っています。
ただ、主役の二人より東條や始祖がイラストでは目立ってるような・・・。
ラストでやっとちゃんと結ばれた二人なのでもっとラブラブしてるとこが見たい!乙女な律をもっとみたい!ドS美少年レイのスピンオフも読んでみたい!ので、ぜひ続編がでて欲しいです。
キラキラ夢の世界を楽しみたいときにいいお話だと思います。
杉原さんは好きな作家さんですが、実はこの作品、なかなか最初入り込めず数ページ読んだだけで置いておいたものでした。
でも、最近また読み出したら面白かった!
といいますが、攻めがカッコ良かった!
最初の数ページには出てこないのですがその後すぐ登場しましたので、もしもわたしと同じ現象になった方はもう少し頑張って!と言いたいです。
受けの律也は、祖母方の血で亜麻色の髪に端麗な容姿という王子様。
吸血鬼物のホラー小説でデビューしている大学生。
現在は叔父と二人暮らし。
攻めの櫂は、律也が12歳まで一緒に暮らしていた20代半ばくらいの美しい青年。
実は吸血鬼の生まれやすい出自で、自らが変化することを恐れ、律也の父親が育てる薔薇の蜜にすがり生きていました。
ざっくり言うならばこれは吸血鬼ものですが、「血がー」とか「太陽危ねー」とかいうものでなく、吸血鬼と人間の『契約』のお話ですね。
しかしそこはBLで、杉原さんの作品ですから「そばにいて」とか「どこにも行かないで」とか、切ないワードてんこ盛りです。
しかも、契約で櫂は律也に20歳の誕生日までは最後まで手が出せない縛りが!
ま、『最後まで』ですけどね(苦笑
律也の父親は病で寿命が実はもう切れているはずなのですが、ある吸血鬼と契約しており、そのために命を永らえることが出来ているわけです。
しかし、櫂と律也の関係が好まないものに変化していたことを察し、ちょうどその頃起きた事象で櫂が姿を消したことを境に、吸血鬼との契約を破棄し死を受け入れる覚悟をした父親。
それは間接的に、律也へもう吸血鬼(櫂)とは関わりを持たずに生きろというメッセージとなり、律也を苦しめました。
ただそれも櫂と再会してしまうまでのことで、とにかく、子供の頃のなつきっぷりから描かれ、ふたりの絆がひじょうに深いと感じられます。
そしてなにがすごいって、律也に迷いがない!
これには櫂自身も驚いてます。
櫂は去り際に律也の記憶を消して行ったのに、律也は櫂を忘れて行くことを恐れ文章に残すというやり方で守っていました。
櫂がどんな存在でも側にいてくれれば良いというのが、律也の揺るぎない信念であり行動の指針。
流されてーグルグル悩んでー、という受けさんでないのがひじょうに好感度高いです。
反対に櫂は最後まで、自分と共にあることが律也の本当の幸せなのか?と悩み苦しむ、この作品の中の大人キャラとしての役割を果たしておりまして貧乏くじ引かされた感が満々でした。
吸血鬼として覚醒する苦悩を背負った櫂と、大人になるにつれて浄化者としての力がはっきりしてくる律也を巡って、吸血鬼・狼男・狩人と美しい異形の者達が夜の世界で跋扈するファンタジー。
周りを魅了する美しさを持って成長した受けを大切に愛しく想う人外攻めっていうのは年の差モノ好きとしては大いに萌える設定なので、読んでいくにつれ期待通りの展開に嬉しくなってきた。
訳ありで花木家に居候していた櫂が幼い頃より律也を大切にし続ける一方で、心の中では夜の世界に引きずりこんではいけないという気持ちと、自分の物にしたいという独占欲がせめぎ合っている様子が堪らない。
更に律也の20歳の誕生日をタイムリミットとした『契りの契約』上の理由もあって、吸血鬼として血をすすりたい欲望を抑える代わりに櫂は律也を守る為にと常に薔薇の香りを纏わせる描写が際立つ。
<薔薇の香り>というと他作品でも吸血鬼の象徴としてよく出てくるが、この話の中でもフェロモン的な色合いが濃く、恋愛経験の無い律也が櫂の香り=フェロモンの強さに酔う様子が初々しく見える。
そんな1巻では、浄化者の律也を我が伴侶にしようという夜の世界の住人達が複数現れる不穏な空気の中で、無事に櫂と律也との間で契の契約が結ばれるのか、が見どころになってくる。
律也自身も、幼い頃から抱き続けていた櫂への愛情を変わらずに育む事が出来ると希望を持っていて前向きだから、たとえ周りが彼のその後の人生の苦悩を心配していてもほの暗さや息苦しさってのは感じない。
最後までキラキラしていて続きを読むのが楽しみなシリーズとなった。
そりゃあもう、吸血鬼でしょう。
ジリジリ切ないお話の杉原理生さんが、吸血鬼を始めとする異種族の登場するファンタジーを書いたら、何だか予想外にスペクタクル。
でも、この手のファンタジーは元々好きだし、更にそこに、吸血鬼ならではのエロティックさが加わって、結構厚めの本だけど、止められなくって一気読み。
高星さんのイラストも、繊細な美貌のキャラクターと、背景に飛び交ういっぱいの薔薇とで、すごく雰囲気を盛り上げています。
特に翼が素敵。
せっかくだから、このお話、シリーズで読みたいな。