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依田沙江美さんが大好きです。
かなり前に読んだ記憶があって、男子校の箱庭生活が見たかったのですが、それは依田沙江美先生の「チョコレート・キス」でした。
こちらも表題は男子高校生の先輩と後輩の関係性があってこその、敬愛と恋愛が混ざった可愛いお話です。依田沙江美の男子校作品は、その時期にしかない煌めきを切り取っていて大好き。
長い恋愛関係になるんだろうなというCPと、男子校という特異な環境での期間限定の恋だろうなというCPがいて、眩しさと寂しさがあるのです!!
表題作、「へんなことするし…」ってほろほろ泣くさくらが可愛すぎる。ついこの間まで中学生だった美少年に手を出すとは、穂積め
「スイートソウルレビュー」浅水×衛もちょっと強引で優しいけど先輩感のある年上攻めと、可愛い受けが表題の雰囲気と似ていて大好き。
短編集です。表紙は可愛い系の男の子と桜の花で、BLというより少女マンガ的。
「さくらのくちびる」
ザ・腐女子の妄想ワールド。
男子校で、長身・秀才・クールな生徒会長3年生xショタっぽい新入生のCP。
こんな学校にこんなCPがいて、こんな隠れた恋があって、こんなコトしてたらいいなぁっていう腐女子の妄想そのまんま。
新入生の佐倉が、反発したりひっついたり。どっちよ!って思わないこともないけど、逆に面白く感じました。
「スイートソウルレビュー」
登場人物の造形はみんなかわいいんだけど、底に流れているのは、弟への執着がこじれて劣情に移りそうになっている兄の苦しみ。薄暗いです。
それに気付いてる兄の友達が弟くんと付き合う。お兄さんは救われたんだよね、きっと。
「白い魚の夢」
「スイート〜」のお兄さん再登場。
教師に好き勝手されて犯されてる上級生苑田を助ける展開。でも、魔が差して?自分も彼に迫っちゃう。ヤられ体質ってあるんですかね。
ついに教師に反撃する苑田ですが、狂気すら感じさせるブチ切れ具合で、でもスッキリする感じじゃなくてこれも薄暗い。
お兄さんの涙はどうしてかな……
「眠れば来る朝」
留年して一つ年上の同級生との淡々な関係。
告白されて驚いてギクシャクして。自分が避けてるのに、でも会いたい話をしたい。あゝ高校生ものの王道です。短いのに設定一杯詰まってます。
「墓守りの憂鬱」
わわわ!ザ・キュアーのロバート・スミス(細い時の)か、スージー・スーか。(昔のイギリスのバンドの人です。)
毛色の違うお話ですよ。
街の占いの部屋。ヒトに変身する黒猫と占い師(悪魔)。
「契約」しに来る女子高生。その内容は一見普通?でもその裏には…
半分ホラーじみていてかなり面白かったです!(でもこれBLかなぁ?)
「蛍の骸」
浪人生で20才のいとこの行彦の監視&話聞き出し係として、二人で夏休みを過ごす事になった中3の基(はじめ)。
怖い話ばかりするので、基は行彦のベッドで一緒に寝てます。ちょ、ちょっと!中3よ!ダメじゃないですかあ。
ところで、幽霊がいるんですよね……やっぱり薄暗い。
やっぱり面白いです。
好きですこの昔なつかしいBL。
さくらのくちびる
生徒会長×一年生
どこか硬派なようで軟派な生徒会長に気に入られグイグイとおされ初キスを奪われる。
やんちゃだけど色恋に関してはとっても乙女な一年生と年上だけどまだまだ子供な生徒会長。
キスされて嫌じゃない自分が怖くなり双子の弟にお願いして彼女とのデート現場を生徒会長に目撃させ身をひこうとする。
ん~。そのあとの二人はなんか可愛い。これぞ少女漫画BLだなぁって展開で今ではみれない雰囲気で好きです。
そのあと3つほどお話がありますがさくらのくちびるよりちょっぴりヤンチャなお話です。
あの時代のほうが性に関しても遊びに関してももっと際どいんだなぁと思いました。
なんだろ・・・絵の雰囲気とそこに隠された性的なところが際どい雰囲気で好きです。
今のようにモロ!ではなく想像させるあたりがたまらない!!
兄×弟×兄の友人
弟に冷たいお兄ちゃんとなぜか優しくしてくれるお兄ちゃんのお友達
いやーん。めっちゃいやらしくないお話なのにいやらしく感じるのはなぜ?
先生の書く攻めは強引~。思春期っというかんじでドキドキしてしまいます。
そして攻めが可愛い~。
先にでてきた兄×先輩×先生
ある日先生と知らない生徒がHをしてる現場を目撃してしまう。
おせっかいと知りつつも先輩にあーだこーだと言ってしまう自分。
先輩はほかの子と付き合っているけど脅迫され先生との関係をもってしまう。
それを知り手助けをしようとするが・・・。
好きとは違うなにか・・・で体の関係をもってしまうお兄ちゃんと先輩
したあとの先輩のセリフがお兄ちゃんの心に突き刺さります。ん~たしかにヤル側の勝手な言い分ってあるよね。
この話がぐっときました。
新装版で久々に再読しました。
依田さんの魅力が詰まってると思います。
まだ完成されてない感がいい。そして可愛いだけで終わらないのがいい。
しかし短編ゆえどれもあともう1~2話見たい!と思ってしまうので、そういった物足りなさがあります。
私は『スイートソウルレビュー』と『白い魚の夢』が大好き。この2作品は依田さん流のJUNEではないでしょうか。苦くも美しい。切なさに溢れてるけど笑わせてもくれる、そんな匙加減が素晴らしいです。
この2つの話に出てくる勲というコがどうにも気持ちと行動が伴わないコで、やってることが結構最低なんだけど、、私は好きなのですよ。子供と大人の境目で、自身の感情を捉えきれずに振り回される。はたして彼の感情は恋愛なのかどうなのか疑わしくもあるけど執着は本物という、こういうアンバランスさって学生ならよくあることなんじゃないでしょうか。ラストは彼を抱き締めてあげたくなります。
彼だけでなくこの作品にでている学生達の、深く考える前に行動しちゃうなどのスレてない感とか、そういった若さに懐かしさといいますか、憧憬というのでしょうか、そういった気持ちを抱いてします。
そしてどの作品も男のコ同士の友情が効いてるのがいいです。ツボです。
あとがきに「もうこのような作品は描けない」ということに近いことを書かれていて、私は書き手でもなんでもないけど、ひどく納得してしまいました。
学生というほんの一時の輝きを切り取っていると思うのです。
憧れの対象としてではなく、画面にいる彼らと同じ視点を感じるのです。
依田さんという方は、実はBLだけに留めておくのは勿体ない才能をお持ちだと思ってます。
実際に他ジャンルにいかれてしまったら寂しいですけどね。
6つのストーリーが入っていますが
2つめと3つめはリンクしています。
どれも依田沙江美ワールド全開です。
えっち度なんかも、まさに依田さんっぽく
ちゃんとストーリーの中にでてくるんだけど
でも「絵」としてガッツリ出てくるわけではないので
とても読みやすいです^^
どのお話も、コミカルな部分としっとりな部分と
両方を兼ね備えていて、
短編集だけど読み応えありました。
でも、もしかすると読み手の方によっては
物足りなさとか、好き嫌いみたいなのは
別れるかもしれない・・・かなぁ?